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《注意集中に課題があるタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その11 具体的な支援の方法⑩
「ユニバーサルデザインの授業法(どんな子どもにも分りやすい授業法)」の解説の続きです。
授業の内容・技法-2
27 授業中の声に、トーンの変化や緩急、強弱など
が あるか?
凸凹タイプに、同じ調子の声を長く聞かせると、覚醒レベルが下がり注意集中が切れてしまいやすくなります。本人たちに聞くと「お経を聞いているみたいだ」「どこが大事か、ちっとも分からない」と言っています。
だから、先生は話し方の工夫が入ります。テレビのMCや漫才師が聴衆の注意を引きつけるのが上手ですが、それと同じようなスキルを身につける必要があります。「先生の話を聞きたくない子ども」も、教室にはいるからです。
先生が身に付けるべき、話のスキルを上げておきます。
・声の強弱 ・声の緩急 ・トーンの変化 ・間のとり方
・興味をもたせる話し方 ・表情で語る
28 授業の中に、緊張感を持たせる場面がちりばめ
られているか?
授業は緊張ばかりしていても、注意集中が切れます。反対にリラックスばかりでも、注意集中が切れてしまいます。「リラックスしながら授業を受け、時々緊張する場面がある」のが一番いい状態です。
緊張の作り方は、いろいろあります。いくつか例をあげます。
・発問をして、いつも問違う当て方をする
・急にテストする
・先生が、教壇から降りて近づいていく(机間巡視)
・急に、怖い顔、真面目な声を出す
・黙る
・クイズを出す
・隙間遊びをする
29 子どもから出てきたものに、すぐその場で評価
しているか?
凸凹タイプは、短期記憶の容量が少ないので、起こったことは「興味のあること」でない限りすぐ忘れていきます。だから、先生が「~さんが、いいことをしたな。これは、お帰りの会で褒めてあげよう」と思うのは、間違いです。
終わりの会のときには、本人がそのことを覚えていないからです。「何のことを褒められているのか」さっぱり分からないのです。当然、全然嬉しくありません。
子どもの評価は、その場で瞬時に行わないといけません。これは褒めるだけでなく、失敗も評価していくといいでしょう。それも、学びになっていくからです。
この瞬時の評価は、安心安全なクラス作りの基礎になります。子どもたちが「うちのクラスの先生は、私達のことをよく見てくれている」と思うからです。
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