揺禅至柔気功 その5 丹田を前後に振る練習 「流柳」に向けて
今回は、中丹田(臍の下の奥 以下 丹田と書く)を振る練習をします。これは、次の至柔気功「流柳(りゅうよう)」(これは、先崎先生から名前を教えていただいていた)の準備になります。
というより、私は、この丹田を前後に振る練習(以後「丹田振り」)が太極拳の秘伝(強さの秘密)の1つではないかと思っています。私は、基本の構えを作るとき、丹田の前後振りを利用して、次のような意識してやっています。
「舌を基本の位置に置き、基本の足の形にしてJラインで立ち、逆腹式
呼吸で息を吸い込みながら、丹田を前に揺らすようにして少し持ち
上げ、次に、逆腹式呼吸で息を吐きながら、気(力)を足に流し(丹
田は持ち上がったまま残しておく)、その気を足の裏を地面に張り付
かせことを利用して足の内転と外転を均衡させる。そして気が流れ出
た上半身は、完全に緩み手や腕が自由自在に使えるようになる。」
このときの丹田を前後に振る練習です。
1.丹田を意識して、腰を振るような感じで丹田を前後させる。インナーマ
ッスルを使って、丹田を少し持ち上げている感じになったり戻したりす
る感じです。手が揺れますが、自分で動かしてはいません。
2.上手にできてきたら、その丹田の揺れに腕(手)を同調させる(将来、
この動きが丹田の気を腕に伝えることになる)。腕を振って丹田を動
かすのではありません。
3.それも上手になったら、腕を捻りながらやる。後ろの腕を振るときは掌
を前に、腕を前に振るときは掌を後ろに向ける(捻るということ。常に
ての甲を前にしてふるということ)。
4.最終形は、腕を後ろに振ったときにやや膝を折り沈み、腕を前に振るタ
イミングで、基本姿勢まで立ち上がる(丹田振りをしながら、足の筋肉
を鍛えることができる)。これを、先崎先生は《揺禅スクワット》呼ん
でおられました。
つまり、これは「呼吸」と「丹田振り」と「腕の振り」と「腕の捻り」と「スクワット」の5つを同調させる難しい練習と言えます。これが、うまくできれば初心者から初級になったと言えます。