わが家に来た四ツ矢サイダーは、幻か?本物か?
「三ツ矢サイダー」のお題が出て、書きたいことがあったので、いつもの記事をお休みして書きます。
私には、忘れられない「三ツ矢サイダー」の思い出がが2つある。2つとも、貧乏が故の思い出だ。
小学校の頃、私の家にも、もちろん三ツ矢サイダーはあった。「三ツ矢サイダー」と呼んでいたが、瓶には「三ツ矢シャンペンサイダー」と書いてあった。とても甘くて、やや色がついていたように思う。うちの親は「ズルチンが毒だったので、チクロという最新の砂糖を使ったものだ」と自慢気に言っていたが、実は廉価版だった(チクロも発がん物質で、後に使用禁止になった。私は、たくさん飲んだが大丈夫か?)。
三ツ矢サイダーの高級版があると知ったのは、小学3年生のとき近所のお金持ちの家(お医者さん)に遊びにっ行って、3時のおやつのときに出てきたからだ(3時が「おやつの時間だ」というのもその時知った)。「どうぞ召し上がれ」と、おばさんから出されたその瓶には「三ツ矢サイダー 全糖」と書かれていた。お金持ちの家だったからか、上品な甘さで色も薄かった(透明だったかもしれない)。それから、三ツ矢サイダーが飲みたくなったら、3時頃、そのお金持ちの家に遊びに行くのが習慣になった(宿題も、よくそこでした)。それが、1つ目の思い出だ。
もう一つの思い出は「三ツ矢サイダー 全糖」を買って欲しいと、父親に我儘を言ったときのことだ。
私が我儘を言って、しばらくした頃、父親が「全糖のサイダー買ってきたぞ」と木の箱を玄関にボンと置いた。弟と顔を見合わせながら(弟には、全糖のサイダーの話はしてあった)、玄関に飛んでいった。木の箱の中には、確かにサイダーの瓶が12本並んでいた。私は「やった!」と叫びながら1本取り上げた。
そのサイダーはたしかに「全糖」だったが、でも「四ツ矢シャンペンサイダー」だった。「三ツ矢」ではなかった。瓶もラベルもそっくりだが、ラベルには矢が4本あった。「これ、三ツ矢サイダーのパッチもんやんか」と文句を言ったら、父親は「三ツ矢サイダーより、安いから買ってきたんや。うちで買えるのは(貧乏やから)それが精一杯や。味は、同じや。がまんしとき」(「四ツ矢やから、三ツ矢より1本上の美味しさや、とも言っていた)といなされた。
飲んでみたら、確かに同じような味だったが、子どもながらにも微妙に違う気がした(気がしただけかも)。
この思い出話は、今まで何回か友人に語ったが信じてもらったことは一度もなかった。「本当に、四ツ矢サイダーはあった!!」私の幻想などでは、決してない。
なんと、今回この記事を書くにあたりネットで調べてみたら、写真が出てきた(ネットとは、ありがたいものだ)。アップしておく。やはり、四ツ矢サイダーは、実在した。