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肉食のネコは糖尿病になりやすい!

そもそもネコは肉食動物で、日常的に糖新生をしているので、炭水化物からの糖質を摂りすぎると糖尿病になりやすい!
と言う内容を説明していこうと思います。

まずは糖尿病から
登場人物(?)の紹介です。

膵臓   :胃のそばにある細長い臓器。
      消化酵素とホルモンを作る。
インスリン:膵臓で作られるホルモン。
      血糖値を調整する。
ブドウ糖 :動物のエネルギー源。
      パンや白米等のでんぷんが分解
       されてできる。
      グルコースとも呼ばれる。
      干しぶどうから発見されたので
       ブドウ糖と名付けられた。

まず、食べたものが消化、分解されて取り出されたブドウ糖が、肝臓を通り血液に取り込まれます。
血液に入ったブドウ糖の量を察知した膵臓がインスリンを出します。
インスリンとブドウ糖が混ざった血液が体をめぐり、インスリンはブドウ糖が脳や筋肉に入るのを手助けし、エネルギーとして使われ。
エネルギーとして使われなかったブドウ糖は、これもインスリンの働きで脂肪細胞に蓄えられてしまい、肥満につながります。

この作用が上手くいかないと、血液中の糖の濃度(血糖値)が上がり、エネルギーとして使われなくなってしまいます。
高血糖が続くと、エネルギー源が足りない体は、あちらこちらに障害が出ますし、血管の内側も傷ついてしまいます。
この状態が糖尿病です。

糖尿病は1型、2型に分類されます。
1型糖尿病:膵臓のインスリンを作る
                    細胞自体が壊れてしまう。
       ⇒自己免疫疾患、
        ウイルス感染が原因
2型糖尿病:膵臓の働きが弱まり、
      インスリンが少ししか作れ
      なくなる。
       ⇒加齢、遺伝的体質が原因
      インスリンが機能せず脳や
      筋肉がブドウ糖を受け取れ
      なくなる。  
       ⇒肥満、ストレスが原因

そして、イヌはほとんどが1型、ネコは2型糖尿病が多いと言われています。
1型糖尿病の治療はインスリン投与することで、血糖値を調節します。
2型糖尿病は、初めはインスリン投与と食事療法を並行して行い、肥満が解消することで、食事の調整だけで生活できるようになる場合があります。


次は糖新生について
主役は肝臓です。
肝臓は体の中で一番大きな臓器で、非常にたくさんの仕事をしています。

*脂肪を分解する胆汁を作る。
*有害物質の解毒・分解をする。
*糖質・タンパク質・脂質を体の機能に
 合わせて必要な形に作り変える。
 (代謝と言う) 
*栄養分(糖質・脂肪・ビタミン類・
 鉄分等)を貯蔵する。
 ブドウ糖(グルコース)はグリコーゲンに
 変換され貯蔵される。

食事後、時間が経つと血糖値が下がり始め、体がブドウ糖が足りないと感じると、まず肝臓で蓄えていたグリコーゲンをブドウ糖に戻して血中に送り込みます。
それでも足りなくなると、筋肉からアミノ酸(たんぱく質)を取り出し、肝臓でブドウ糖に変えて血液に流します。
これが糖新生です。

そしてやっとネコの話になります。

ネコと人間の違い

*ネコは肉食動物なので、人間では空腹時
 だけ行う糖新生を常に行っていて、
 アミノ酸(たんぱく質)からブドウ糖を
 作り出している。
 なのでお肉がたくさん必要。
*ネコのインスリン分泌は、血糖値よりも
 血中アミノ酸濃度に強く反応する。
*ネコはデンプンの分解が苦手なので、
 糖質を食べることで体に負荷がかかり、
 高血糖になりやすい。
*ネコは常に糖新生をしているので、
 ブドウ糖を脂肪細胞に蓄えやすい。

等の理由から、ネコは2型糖尿病になりやすい体質です。
特に去勢済みの雄ネコが肥満になりやすいと言われているので、糖尿病も発症しやすいです。
しかし、肉食動物のネコはもともと糖質をそれほど必要としないので、人間に比べて糖質制限がしやすい体質だと思うのです。
うちのリリは運よくインスリン投与から脱却し、手作りの低糖質食で元気に生活できています。
ネコちゃん個々の体質にもよるところが大きいのですが、糖尿病で治療中の飼い主様、どうか希望を持っていただけると嬉しいです。


余談その1
新年早々体調を崩し、丸2日間、口にしたのはスポーツドリンクのみ、ほぼベッドで寝ているだけの生活をしました。
この間「私の体は今、糖新生をしているはず!」と思っていましたが、体感というものは無いのだな...と、少し残念でした。

余談その2
「ブドウ糖は干しぶどうから発見された」と書きました。
1747年にドイツの科学者が干しぶどうから発見したそうですが、ぶどうの糖質は果糖では?
干したことで変わったのか?
日本語でブドウ糖ならなぜ英語でレーズン○○にならなかったの?
(英語ではグルコースです)
グルコースの論文が日本に入ってきたときに、誰がブドウ糖って訳したのかな?
等と余計なことを考えてしまいました。
解決したら、いつかお知らせする...かもしれません。
別に調べないかもしれません。



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