#99 「学ぶ」とは本来、楽しくて、世界がどんどん広がる行為なのだ
(1420字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
電子部品が面白い。
仕事上必要だということで一つ、二つと様々な電子部品を学ぶことになったのだが、これがまたひどく興味深い世界で、
気付くとひたすら技術資料を読み漁っている自分がいた。
もっと早く知りたかった。
物理って、こんなに面白かったんだ。
生粋の文系人間として育ってきた私。
理系の勉強と言えば、決まって思い浮かぶのは味気の無い数式に、覚えきれないごちゃごちゃとした記号達。
加えて計算も苦手だったので、専攻を選ぶ際は迷わず文系を選び、これからの人生では一切理系とは関わらないように生きていこうと決めたものだ。
そんな私が、今こうして毎日のように導体だの電流だの、原子だの電子だのについて夢中に勉強している。
昔の自分がこれを知ったら卒倒しそうな豹変ぶりだ。
私が業務上で主に扱うのは、半導体部品。
物質はほとんど電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」に分けられるが、その中間に立つのが「半導体」だ。
なぜそのような性質を持てるのかと調べると、半導体を作る材料の説明が出てきて、その材料の原子、電子の説明も出てきた。
はて原子や電子とはどういったものだったかと続けて調べると、今度は元素の話も触れるようになり、(今更だが)世の中の全ての物は原子で出来ていることを知る。
更に原子核と原子の大きさは、なんと1円玉と東京ドームぐらいな差があるらしい。
こんな小さな物質を一体いつ、誰が見つけたのか気になると、1911年にイギリスの物理学者であるアーネスト・ラザフォードが証明されたという結果が。
なんと100年以上も前の話ではないか!
ちなみに、半導体が最初発見されたのは1874年、
磁石とコイルを使って発電出来ることが分かったのは1831年、
電池が発明されたのは1800年、
……
先人達の知恵と努力に圧倒された。
普段触れない分野とはいえ、現代になってもこれらについてほとんど知らない私の知識は、なんと原始的だろうとでさえ思ったほどだ。
今や電気も電子部品も不可欠な時代だ。
私達の暮らしは、とことんこれらによって支えられている。
家々に家電があって、仕事をする際はパソコンが必須で、連絡手段としてスマートフォンを使って……
そんな家電、パソコンやスマートフォンの中にはたくさんのパーツがあって、マイクロコンピュータがあって、一つ一つが小さなコンピューターで……
でも私は、これらを当たり前のように使いつつも、なぜボタン一つで機械がこれほどの働きが出来ているのかを全く知らないのだ。
悔しい、悔しい。
そして気になる、なぜそうなっているのかを解明したい。
学びたい。
大人になってからの勉強が楽しいのは、試験の為じゃないからというのも大きいだろう。
教科書や教育制度に縛られず、好奇心の赴くままに気になる知識を吸収していける。
加えてインターネットやAIに「なぜ?なぜ?」と質問を連発しても、決してうんざりされること無く、いつも丁寧な回答を出してくれる。
そのおかげで好奇心もたっぷり満たされるので満足感があるのだ。
好奇心が満たされると、これに刺激されまた新しい物事への興味が湧く。
絶えず「なぜ?どうして?なんで?」が生まれる。
知りたいことが絶えず出てくる、もっとたくさん学びたくなる。
こうして次から次へと調べ物をしていくうちに、気付けば数時間も飽きずに技術資料を読んでいたのだ。
学ぶとは、本来こういうことだ。
積み重なる情報にどんどん押し潰されていくものではなく、知識を吸収すれば吸収する程世界が広がる。
それが学びなのだ。
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