肚里泪下ーー子供は他人に訴えて泣く、大人は自分の為に泣く
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【肚里泪下】
ピンイン:dù lǐ lèi xià
意味:涙を腹に流す。泣くのを堪えるたとえ。
『子供は他人に訴えて泣く、大人は自分の為に泣く』
「泣く」行為は、子供と大人とで形が大きく異なる。
子供が泣く場合、その涙はほぼ自分以外の誰かに見せつける為であるが、
大人が泣く場合、涙はほとんど自分だけのものだ。
言葉の力が十分に育っていない時期。
幼い頃の私達にとって、相手の気持ちを揺さぶり、思い通りに動かすには、理論的な説明よりも感情的にぶつかる他なかった。
だから痛み、怒りや悲しみを訴える為に泣いた、叫んだ。
「不満」を解像度の低い伝達の仕方で執拗に誰かに押し付け、他人による感情の解読に期待するようなコミュニケーション法を取っていた。
だが大人になれば、この方法はもう許されない。
成人すれば自身の言動に責任を持たなければならない。
その一環として、感情を的確に周囲に伝えられるようにならなければならないのだ。
今どんな気持ちなのか、何故そういう考えを持ったのか。
何をどうしたいか、それはまたどうしてなのか。
これらを理性的に説明する必要がある。
泣きじゃくったって何にもならない。
哀れにおいおいと涙を流されたって、周りは困惑するだけだ。
良い大人の癇癪を我慢する義務など誰にも無いし、そのわがままの裏にある本意をいちいち探り当てる程、他人は暇じゃない。
だから人は大人になるにつれて、どんどん泣かなくなる。
コミュニケーションを取る為に必要なのは冷静な言葉で、涙ではないと分かってくるからだ。
いくら言葉で説明しても、誰にも響かない。
そのような気持ちが心に蓄積され限界まで来た時だけ、大人は泣く。
ひとりでそっと、静かに。
吐き場の無い感情を、涙にのせてじっくりと消化しながら。
📚その涙は、何の為、誰の為
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