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二十歳のころ

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1995年 21歳の僕はオーストラリアに旅立った。
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#バックパッカー

二十歳のころ 序章

オーストラリアのワーキングホリデーに行って十五年が経つ。僕は今三十六歳だ。都内の人材派遣…

前陣速攻
3年前
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二十歳のころ 第一章

一九九五年四月十日オーストラリアへ出発した。自分にとって初めての海外でもあった。なぜオー…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第二章

僕の見送りはささやかなものであった。神奈川県の川崎市にいる実家の母と二つ下の弟が玄関先で…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第三章

僕はミルナ―・インターナショナル・カレッジという語学学校に三週間通うことを申し込んだ。日…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第四章

困った。本当に困った。というのはイースタンホリデーの事だ。イースタンホリデーは日本でいう…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第五章

「旅行の件いいわよ。」 「ありがとう。本当に助かったよ。じゃあ、早速計画を立てよう。」 僕…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第六章

「ヒロ。語学学校のクラスメイトが迎えに来ているわよ。」 「今、行きます。」 僕はバックパックを担ぎ、外に出た。ノリコさんはショーンさんと話をしていた。レンタカーで迎えに来てくれていた。 「じゃあ。行ってきます。」 「よい旅を。」 僕はハリーさんとショーンさんに別れを告げ、車に乗り込んだ。車内にはダンスミュージックが流れていた。普段僕が聞かない音楽だ。僕は尋ねてみた。 「こういう音楽、聞くのは初めてだよ。のりがいいね。」 「私、日本にいる時ディスコとかクラブとかたまに行っていた

二十歳のころ 第七章

今日の旅の予定はアルバニーを経てエスペランスに辿り着く予定だ。昨日と変わったことと言えば…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第八章

朝日が車内に差し込んでくる。僕はゆっくりと体を起こし、目を開けた。体が重い。僕はノリコさ…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第九章

僕はまた元の語学学校の生活に戻った。英文科専攻の日本人のグループに戻った。ところがノリコ…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第十章

「グレイハウンドのバスの出発の時間までまだ時間があるんでしょ?それまで家でゆっくりしてい…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第十一章

長距離バスはどこかに停車したようだ。僕は窓の外の風景を見た。早朝だ。僕は車内で一夜を明か…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第十二章

バスはモンキーマイアに到着した。僕はバスを降りた。日本人のバックパッカーの一団は宿泊案内…

前陣速攻
3年前

二十歳のころ 第十三章

エクスマウスに着いた。モンキーマイアでイルカの餌付けを楽しんだ後今度は甚平サメを見てみようと考えたのだ。 エクスマウスは見たところ小さな町だった。スーパーが一軒。カフェが一軒。ダイビングショップが一軒。僕が気に留めた店はそれくらいだけだった。グレイハウンドのバスがエクスマウスに到着する頃にはバックパッカーズの迎えのワゴン車が来ていた。僕は迎えに来てくれたワゴン車に乗り、バックパッカーズに向かった。 エクスマウスの中心街から数キロ先にバックパッカーズがあった。キャンピングカーを