【短歌十六首】reasonable accommodation
世の中の障害は障害者に害ぞ「障がい者」でなく「障害者」と書け
嘘数多ついてはきたが障害者で良かったとは言ひたくはなし
合理的配慮を求むまでもなく二足歩行者用に階段
健常者の身体・生活様式に合わせ社会は造られている
公共に座席皆無の世界線チェアウォーカーがマジョリティなら
「おもいやりエレベーター」に車椅子用ボタンなくて許される国
人権を思いやりにすり替えて今年も暮れる令和四年
「差別的構造やめろ」に「理解」とか「思いやり」とか虚しい木霊
「やさしさ」にすがって生きなきゃ駄目ですか独りで道を行きたいけれど
accommodationを「配慮」と訳すこの国の人権観に木枯らしの吹く
健常者に適した傾斜・幅・段も「配慮」と言うのか、言わないでしょう
accommodationは配慮ではなく調整です 権利・尊厳護る調整
「配慮」とは取り計らいや気遣いの意味で結局、善意の域出ず
階段が在るのは善意故でなく、在るべきだから、スロープもそう
削られた権利・尊厳返すのは善意に左右されぬシステム
忘るまじ ニューロティピカル、晴眼者、聴者の我の特権性を
※タイトルの reasonable accommodation は、「合理的配慮」の原語です。
※第十六首
文字数の関係から障害に特化しましたが、(日本在住の)日本人、シスジェンダー、異性愛者……etc.としての自身の特権性(マジョリティ性、優位性)も忘れずにいたいです。
※人権と思いやりは違うという話↓
※マジョリティの特権性について↓
※合理的配慮とは↓
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