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【今でしょ!note#148】幸福であることを目指さない

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

「マインドフルネス」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
私も聞いたことはありつつも、実際どういうこと?が分からなかったので、1冊の本を手に取ってみました。

仕事、育児、家事、、と、何かと忙しい子育て現役世代。

特に最近は晩婚化により、30代は仕事でも中堅ポジションで中核を担う立場と、小さな子どもの子育てでキャパオーバーを感じる人も多いかもしれません。

私も決して上手くやれているわけではなく、日々試行錯誤を繰り返しながら、何とか毎日を送っています。
忙しい毎日の中、少しでも心豊かに毎日を送るヒントを得るべく読んでみました。

何らか皆さんにとっても気付きになることがあれば幸いです。


今に集中するのが大事

まず、マインドフルネスとは、「今この瞬間に目の前で起こっていることをそのまま体験すること」です。
他のことに気を取られたり、上の空で考えたりせずに、ただ目の前にあることに集中する。

これって当たり前のように思えますが、意外と難しいことだと感じます。

大抵の悩みは、過去に対する後悔か、未来に対する不安だと言いますね。
でも、現在の今この瞬間が悪い状況かと言われたら、そうでもないことが多い。
とても寒いところで凍えているわけでもないし、お腹が空いたら近くのスーパーに行って食料を買ってくることができ、夜は布団で寝ることができます。

今この瞬間だけに意識を集中させれば、それほど悪くない生活を送っているにも関わらず、変えられない過去に対して「あの時ああすればよかった」といつまでも引きづられてしまったり、どうなるか分からない未来に対して漠然と大きな不安を抱いています。

現在は過去の結果であり、現在は未来の原因となります。
だから、漠然と未来に対して不安を抱くのではなく、視点を「今の自分」に移して、未来のために今できることに集中すべきですね。直接的に変えられるのは、自分の今の行動だけですから。

先日、娘がどこからか貰ってきた胃腸炎で家族全滅しました。
胃腸炎の症状が出ている時は、とにかく今の状態が辛いので、過去や未来のことなんて考える暇はなかったんですね。少しでも早く「今のこの状態」が治ってほしいと。
ということは、今この瞬間がそれほど悪い状態でないからこそ、人は過去や未来のことに囚われてしまうのかもしれません。今この瞬間にそれよりも意識を集中できるものがあれば、過去や未来について悩む時間がないのです。

「何かをしないようにする」のは難しいと思います。「しないようにする」ということに意識があると、どうしてもそのことに意識が向いてしまいますから。
それよりも「別の何かに集中する」、今この瞬間に集中できるものを見つける方が、「過去や未来に対する不要な悩み」を減らせると考えています。

幸福でなく「からっぽ」な状態を目指す

私として結構響いたのは、「多くの人は、幸福こそが人生のあるべき状態であり、そうでなければ何かが間違っていると思い込んでいる」という本の一節です。

この思い込みに基づき、不幸の原因に抵抗しようとすると、毎日が「幸福」という感情を追い求め、それを維持しようとする終わりのないレースのように感じてしまい、人生が苦役のように思えてしまうということでした。

確かに、例えばマラソンで「タイムは早い方が良い」と考えて、死に物狂いで走って自己ベストを記録したとしても、明日以降も同じタイムを維持するべきだ、と考えると辛いですもんね。

そうではなく、一歩下がって目の前のことをそのまま受け入れる状態である「からっぽ」の状態を目指すべきという話なのですが、「からっぽ」な状態とは、上述した「今に集中している状態」です。

スキーで山の斜面を降りている時、好きなアーティストのライブを楽しんでいる時、子どもと遊んでいる時など、目の前のことだけに集中している時の感覚こそが、「からっぽ」な感覚です。

そう考えると、趣味を持つことは毎日を心穏やかに過ごすためにとても大切なことですね。私の場合、週に2〜3回ほど、家の近くを6Kmほどランニングしていますが、その瞬間は確かに過去や未来について悩む時間などなくて、「とにかく早く終わってほしい」という感覚になります。

でも、特に朝に走ると、朝日が昇ってくる時の独特の景観や、ひんやりとした空気が何ともたまらず、また走りたくなりますし、1日中血行が良くなっているのか、頭も冴え続けるのでとても良い習慣になっています。

このnoteを書く時間も、まさに「今に集中している時間」かもしれません。
別のことを考えながら文章を書くスキルは持ち合わせていませんから、目の前の一字一字に集中しています。
忙しい日々の中でも、このように目の前のことだけに集中して、心をからっぽにする時間を作るのが、穏やかな心を持ち続ける秘訣のようです。

上手くいかない時は「うどん食って布団かぶって寝る」

以前、友人に薦められて一気に読んだ本に、楠木建さんの「好きなようにしてください」があります。

楠木先生の人柄溢れる本で、あらゆる悩みがちっぽけに思える痛快な本なのですが、その中の一節で「何やっても空回りしてしまうダメな時は誰にでもあるから、そんな時はうどん食って布団寝ちゃう」という話が紹介されています。

これは確かにその通りだと思っていて、何やっても上手くいかない時ってありますよね。物事が上手くいくのは、「環境条件が揃っていて、無理することなく自然にやれるとき」に限定されると考えています。

それなのに、「上手くいかないのは努力が足りないからだ」と考えてしまうと、とても辛い。「努力さえすれば、他の人と同じように結果が出せる」と考えてしまうのは結構危険な考え方で、何かが上手くいく時に必要な条件が「努力」以外にもたくさんあることを理解すると心が楽になります。

私はこのあたりの考え方を学生時代に読んだ本から得ました。

「竜馬がゆく」は学生時代暇だったので2回読んだ本ですが、ここで描かれている坂本龍馬の考え方として「物事には時勢というものがあって、何かが動くにはタイミングがある」というフレーズが繰り返し出てきます。

逆にいうと「動かないタイミングで何かを動かそうとしても動くことはないので、然るべき時をじっと待つ」ということも大切だということです。

技術革新や情報社会が進む中、最近は特にあらゆる物事のスピードが上がっています。Amazonプライム会員であれば、今日頼んだものが翌日には家に届きますし、リニアが繋がれば、品川から大阪まで67分で到着できてしまいます。

これらは便利な反面、「何事も早くないとダメ」という考え方が自然と身についてしまい、かえって焦りを誘発してしまいやすい社会を作っているとも考えています。

昨日ご紹介したキャリアの話で、あとちょっと腰を据えてやってみることで成長のブレイクポイントを超えて大きな果実が得られるのに、早い段階で離脱してしまう人が多い、と言いました。これも「すぐに芽が出ないということは、自分に合っていないのではないか」と焦ってしまっているのかもしれません。

でも、上手くいかない時は上手くいかないし、大切なことはいつも時間がかかるのです。
楠木先生がおっしゃるように、上手くいかない時はうどん食って布団かぶって寝てしまいましょう!

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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