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共感的コミュニケーション〔実践編〕

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#NVC

ひさしぶりの共感文章講座

オンラインの共感文章講座を前半と後半の2回に分けて、ひさしぶりに開催した。
定員いっぱいのご参加をいただき、感謝。

前半が「自分を読むために書く」、後半が「自分を伝えるために書く」というテーマでおこなった。
いずれもNVCをベースにしているが、私独自の工夫も加えてある。

前半は「自己共感」を書くことによって練習し、強化する方法。
NVCといわなくても、人は生きていく上で、個々人がまず自分自身を

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「書く」「文字化(可視化)」することの威力を知ってもらいたい

自分が物書きだからいうわけではないのだが、「書く」という行為にはかなりパワフルな効果がある。
逆に、物書きなので書くことがあたりまえの行為になっていて、あらためてそのことに気づくことができなかった、ということがある。
あらためて「書く」という行為を見つめなおしたときに、気づいたことがたくさんあるので、それについてみなさんにシェアしたいと思っている。

NVCのセッションで、
「なんとなくもやもやす

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接続詞「だから……」にご注意!

親兄弟や夫婦、長い付き合いの恋人やパートナーや友人ほど、つながりの深さと同時に、お互いの関係性のなかで受けた痛みをたくさん抱えていることが多い。

なにかするたびに、瞬時に過去の痛み(経験記憶)がよみがえってきて、それを思わず相手に伝えたくなる。
それは一種の暴力として相手には働いてしまう。

そんなときに出てくることばの最初は、たいてい、
「だから……」

「だからいったじゃない」
「だから○○

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オンラインとリアル参加で共感文章講座でした

月に一回のペースで開催している共感文章講座、終了。

共感的コミュニケーション(NVC)をテキストベースで応用するには、ふたつの狙いがある。
ひとつは、リアルタイムでは難しい面がある共感の表現やコミュニケーションについて、自分のペースでじっくりと取り組むことができるテキスト表現の世界で練習し、確実に身につけること。

そしてもうひとつは、メールやSNSなど、テキストを用いたコミュニケーションが増大

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今月は個人セッションの機会が多かった

今日もゼミ/講座の合間にオンラインでの個人セッションをふたりおこなった。
今月はこれまでにもっとも個人セッションの多い月だった。
オンラインが多かったが、直接面談も出張セッションもあった。
いずれにしても、おひとりおひとりと個別の、プライベートで、ときにはシビアな問題と向き合い、深く聞き、共感を向ける時間だった。

何年か前から共感的コミュニケーションの学びの場を自分で作ったり、各地でのカフェや個

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自分の喜びから人になにかをしてあげる

自己共感がしっかりできていて自分自身のニーズから行動している人と、自分のニーズを置きざりにしてなにかをしてしまっている人とでは、起きることがまったく違ってくる。

たとえば、家族に料理を作ってあげるとする。
家族が喜んでくれたり、あるいは料理を作る余裕がなかったり疲れたりしている家族をいたわることを思ったら、それは自分自身の喜びである、「料理を作らなければ」ではなく、「料理を作ってあげたい」という

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自己共感のパワーで請求書の怖れを軽減する(笑)

日常的に練習して、共感的コミュニケーションを身につける方法を、私はいろいろ実践したり提案している。
共感手帳術もそのひとつだが、レシートを使う方法もある。

なにか買い物してレシートをもらったとき、それをとっておいて、あとで共感練習に使うことができる。
たとえば、ドラッグストアのレシートに、

 ハッカ油 1,155円

とあったとする。
それはいったい、なんのニーズで買ったのだろう、ということだ

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いちばん声の小さい人の声を聞く

共感強化練習会に参加してくれたある人から、こんな気がかりを聞いた。
若い人たちを指導する機会があるのだが、どうもみんな、お互いに気遣いをしすぎて、本音が出てこない。
つながりが薄く、表面的な意見であたりさわりなくやりすごしているような気がする。
とくに引っ込み思案の人はその人がなにをかんがえているのか、なにを求めているのか、いまどんな気持ちなのか、居心地がいいのか悪いのか、なかなか表現してくれず、

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冷蔵庫に忘れて傷みかけたきゅうりを発見したときのニーズ

共感的コミュニケーションを学びはじめた人から、よく、
「ニーズのことばを知らないからうまく共感できません」
といわれることがある。
たしかにニーズリストにはたくさんのことばが並んでいる。

 尊重
 帰属意識
 一貫性
 相互依存
 親密さ
 本物さ
 秩序
 インスピレーション

いわれればたしかにそういうニーズはあるよな、と思うものの、普段あまり使わなかったり、自分の語彙にはない言葉だったりす

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世田谷・野毛〈楽ちん堂〉共感カフェでは思春期の子どもについての話

2018年7月17日(火)正午から、2回めとなる世田谷・野毛の〈楽ちん堂〉での共感カフェに案内人として参加してきた。
世話人は小浜華子さん。

正午から、というのは、楽ちん堂の名物であるレモンカレーをいただきながら、という参加条件があったからで、しかもこれはおすすめ。
レモンシロップを作ったときに漬けこんであったレモンがそのままカレーにはいっていて、ちょっと独特だけどおいしいのだ。
私は今回は迷わ

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OS(オペレーティングシステム)としての共感的コミュニケーション

標題のことばは私のまわりでよく聞く文言で、私もそれにはとてもしっくりくる。

私たちは社会的動物なので、人と関わって生きていく必要がある。
また、人間という動物の特性で、自分のなかに「他者性」を持っている。
自分を取り巻く「他者」と自分のなかにある「他者性」、そのいずれともうまく付き合っていけないと、けっこうつらいことになる。

それら他者たちと付き合う方法やかんがえかたはさまざまあるが、これは自

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しつけと称する虐待

「しつけ」ということばや行為がいやでいやでしかたがない。
私のニーズはもちろん、子どもたちが守られ、安全にはぐくまれること、それによって私の安心があるということ。

幼い子どもが犠牲になった不幸な事件があるたび、「しつけ」ということばが親から出てくる。

事件でなくても、子どもが公衆の場で騒いだり、行儀がわるかったりすると、
「親のしつけがなってない」
「どういうしつけをしてるんだ」
と親が責めら

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命令形という暴力

とくに親しかったり、年齢が下だったりすると、つい使ってしまう命令形。
「早くしなさい」
「約束守れよ」

相手に選択権をあたえない文型だ。
「早くしなさい」は、「早くしないとひどい目にあわせるよ」といっているにひとしい。
いわれた相手には「早くする」以外の選択肢はない。
それに従わなければ、罰が待っている。

ナイフを突きつけられて、「いうとおりにしないと刺すよ」といわれているのと、基本的におなじ

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なにかを体験するときに起きているさまざまなこと

NVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)のつながりのプロセスは、ごく簡単に「OFNR」とまとめられている。

 Observation(観察)
 Feeling(感情)
 Need(ニーズ)
 Request(リクエスト/お願い)

私がこれを共感的コミュニケーションとしてシェアするときはもうすこしちがう表現を使うこともあるが、原理としてはおなじだ。

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