みんなを愛したいの、
居場所は複数もつといい、と君は言った。
「好きなものは、ひとつに決めなさい」
わたしたちはそう言われて育てられたけれど、
そう、人間っていうのはね、
1つだけでは、いつまで経っても満たされないの。
ええ、わかるわ。
あなたは1つの居場所で安心していたいんだって。
ねぇ。人間はそういう風に出来てる。
安心を築くのは容易いけれど、それを壊すのは難しいんだ。
ねえ聞いて。
この世界に完璧な人間っていると思う?
ええ。あなたの答えを、ぜひ聴かせて。
いまあなたは、1つの居場所を持っています。
そこは、貴方に尽くしてくれる場所。
それは、貴方がとっても愛している人。
その場所が、その人が、好きであればあるほど、
あなたはたくさん依存してしまうでしょう?
たくさん相手に求めてしまうでしょう?
『なんであなたはこうしてくれないの…?』
そう思ったことが1度はあるでしょう。
それは、誰かに向けられた言葉だったかも。
それは、自分に向けた言葉だったかも。
でも、足りないものをいくら求めても、だめ。
「足りないから改善しろ」
そうあなたに言ってくる人がいるかもしれない。
だけど、この地球上に人間は一体幾ついるのよ?
あなたが好きなものを捨てて足りないものを求めるよりも、この地球上のどこかに存在する"あなたの足りないものを好きな人"を探すほうが手っ取り早いと思わない?
簡単なことよ。
あなたの足りないものを強みにしている人は幾らでもいる。あなたがそれを改善しても、その人たちには敵わないかもしれない。それでもあなたは、"あなたの足りないもの"を求めたいと思う?
それに気づけないから、相手に求めてしまうの。
あなたの好きな人や場所を、不幸にしちゃう。
おねがい。そんなことは、もうやめて。
居場所を求める人は、
『これが足りない』『あれが足りない』
って、いつまでたっても何かを求めているし、
居場所をつくる人は、
『どうやったら私たちは満たしてあげられる?』
そうやっていつまでも足りないものを与え続けてしまう。
怖くて、手放せないんだ。認めてほしいだけ。
居場所をつくる人なんて、所詮そんなもの。
もう誰かを不幸せにしちゃうのは、いやだな。
そう思わない?
わたしはこう思うの。
『ほんとに依存できる人っていうのは、何かを捨てることができる人』なんだって。
何かを捨てることができる強さがあるから、"本当に依存すべきもの"に依存できるの。
ねえ。一体あなたに何が壊せるの?
とっても怖がりで、いつも人に怯えて、自分に不都合なことがあれば他人のせいにして、自分すら愛せていないあなたに、何が壊せるというの?
わたしは、
そんなあなたの愛なんていらないわ。
わたしに近づかないで。
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