双極性障害のある人生。ハードモードな人生をどう受け止めたか。
双極性有障害のある人生。正直言ってハードモードですよね。
健常者と比べてしまったり、若年性発症の病気のため若い時に発症し、「この障害を一生背負っていくのか……」と落ち込んでしまったり。
今後の人生に悩むのは双極性障害の方あるあるなのではないでしょうか?
ですが、私は障害を受け入れて普通に生活できています。
本記事では、私が「ハードモードな双極性障害のある人生」をどのようにして受け入れたのか、順を追って解説していきます。
あなたの「双極性障害を持っている」という気持ちが少しでも軽くなったら嬉しいです。
双極性障害になってからの私の病気との付き合い方
ここからは、私が双極性障害になってからどのような順序を経て障害を受け入れたのかについて時系列を追って説明していきます。
具体的な事例を説明する前に、アメリカの精神科医であるエリザベス・キューブラー=ロスの提唱する「難病患者の病気を受容する5つの段階」を紹介し、それと私自身の双極性障害の受容との共通点について書いていきます。
「障害受容の5段階」について
アメリカの精神科医であるエリザベス・キューブラー=ロスの提唱する「難病患者の病気を受容する5つの段階」というものがあります。
第1段階「否認と孤立」、第2段階「怒り」、第3段階「取り引き」、第4段階「抑うつ」、第5段階「受容」の順に進むものとされています。
それぞれの段階の詳しい説明と、各段階の時に私がどう感じていたのかを解説します。
【第1段階:否認と孤立】「人生終わった……詰んだ……」と思った
私が初めて精神科に行き双極性障害だと診断された時、「一生背負っていく病気になってしまった……詰んだ……」と思っていました。
双極性障害の他にASD(自閉症スペクトラム)も診断されたので、「一生背負う病気が2つもあるのか……しかもASDは生まれつきで、今まで生きづらかったのはこのせいか」と絶望したのを覚えています。
今は障害を受け入れることができている私にもこんな時期があったんですよね……。
そこから「普通の生活ができない」「症状に振り回される」「普通の会社員のような仕事ができない」など、常にマイナス要素のみを考えていました。
健常者と比べて自分は違うのだという現実から逃げて孤立していました。
常に双極性障害をマイナスなものと捉え、自分の障害だと認めたくありませんでした。これが1段階めの「否認と孤立」です。
「人生めちゃくちゃ」状態に突入
発症してから半年くらいは自暴自棄になり、「人生めちゃくちゃ状態」に突入していました。
躁とうつの波が激しすぎて自分の体をコントロールできなかった時期です。
半年後に落ち着くまではひどいジェットコースター状態でした。
初めて飲んだ薬が効かず、より荒んでいく自分をみて、心も体もボロボロになっていました。
【第2段階:怒り】「なんでこんな障害を持ってしまったんだ!」という怒りが湧き出る
「人生めちゃくちゃ」モードが落ち着いてきたころ、次第に怒りの感情が湧いてきました。
「なんで自分が障害を持ってしまったのか?」「なんで自分なのか?」などです。
一生治らない障害を自分が持ってしまったことに強い怒りを覚えたのです。
でも、だんだん「怒っていても何も変わらない」ことに気づき、自分を落ち着かせようとするようになっていきました。これが第2段階の「怒り」です。
【第3段階:取り引き】自分を落ち着かせようとして神社で神頼みをしたり、主治医に絶対に治せるかどうか問い詰める
自分を落ちつかせようとする気持ちはあるものの、まだ障害を受け入れられない私は、神社に行って神頼みをしたり、主治医に完治できるのか問い詰めたりしました。
これらの行動は「自分を落ち着かせたい」「双極性障害から目を背けたい」といった心理的背景が原因です。
そんなことをしても障害は治らないのに、無理して自分を落ち着かせようとするのがこの段階です。これが第3段階の「取り引き」です。
【第4段階:抑うつ】「自分は死ぬんじゃないか」「寿命が短くなったんじゃないか」と思って絶望する
神頼みや主治医に詰め寄っても一生治らない病気だと理解してからの自分は、「自分は死ぬんじゃないか」「寿命が短くなるんじゃないか」と思うようになります。
超極端な思考ですよね。
でも、障害を受け止めるためには必ず通る段階です。
双極性障害は一生治らない病気だからこそ、この思考になってしまうともいえます。
この時に深いうつ状態になることも多いです。これが第4段階の「抑うつ」です。
【第5段階:受容】「障害は自分の一部だ」と受け止める
深いうつ状態から平常時の心の状態に戻るキッカケは、「障害は自分の一部だ」と認めること。
深いうつ状態の時に主治医や障害を理解してくれる人たちの顔を思い出したり、投薬治療の効果が現れてきたりします。
その時に「自分はひとりじゃない。この障害を受け入れてくれる人がいるのだから、自分は生きていてもいい。障害を自分の一部として生きていこう」という思考になれます。
ここまできてやっと第5段階の「受容」ができたことになります。
私はこの5段階を完了するまでに9ヶ月かかりました。
非常に長い期間がかかりますが、重い病気や障害を持った方はこの5段階を順番に進んでいきます。
皆さんも過去のことを思い浮かべると、「確かにこの5段階を辿ってきたな」と思われることでしょう。
障害受容の5ステップを実際に経験したことで得られた「ハードモードな人生の生き方の秘訣」は?
この5段階を順に進んできた私にとって一番しっくりくる「ハードモードな人生の生き方の秘訣」は、普通の人生を諦めて、双極性障害患者として無理のない生き方をすることです。
詳しく説明します。
「普通の人生を諦める」というのは一般的な社会人としての人生を諦めるのではなく、双極性障害を持った人間特有の「過ごしやすい生き方」をしよう、ということです。
例えば仕事面では、障害者雇用で障害に理解のある職場で働くことや、体調の悪い時に自由に休むことのできるフリーランスがおすすめです。
「自分は症状が重すぎて働けないよ……」という方は障害年金や生活保護を利用するのもいいと思います。
とにかく、あなた自身が無理をしないような人生を生きることを優先しましょう。
無理をすると躁状態やうつ状態になる可能性がグッと高まるからです。
最後に
本記事では、「双極性障害のある人生。ハードモードな人生をどう受け止めたか。」と題して私自身のエピソードと、エリザベス・キューブラー=ロスの提唱する「難病患者の病気を受容する5つの段階」を重ね合わせてご紹介しました。
あなた自身がこの5段階のどこにいるかで、次に取るアクションが変わってきます。
あなたの段階はどこでしたか?
5段階のどの段階かコメントで教えてください。
疑問点や、「自分は双極性障害患者の生き方に関してこういった考えがあるよ!」のようなご意見はコメント欄にてぜひ教えてください👇
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