yumioka

株式会社イージフ、副社長 CTO。 二児の父。マペット好き。 座右の銘は「ああ言えば、こう言う」 キャッチフレーズは「ノリは悪いが、付き合いは良い」 「『言語ゲーム』にやたらとゲーム性を求めるタイプ」

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    #目黒で40番目くらいの日常会話

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論理的思考力の取り扱い方についてのお勧め 〜やたらと「論破」してしまうことを避けるため

はじめに ここでいう「論理的思考力」の位置づけは、巷に溢れる誤用や誤解を駆逐するための最終版定義などではありません。ただ、なにかと毀誉褒貶の激しいこの言葉について穏当な受け止め方をすることが、多くの、特にこれから自身の意思の力で勝負をしていかなければならない若い世代の人達にとって有用なのではないか、という着想から、その穏当な受け止め方の具体的内容について書き連ねたものになります。私は大学修士課程を終えた後でいわゆるコンサルティングファームに入社し、主にITの分野でコンサルテ

    • 個人的に勝手に狭い定義を採用している言葉について、物語(Story)とセンス(Sense)の話【後編】

      先日書いた記事の後編です。 友人のPodcastでも似た様な話をしてきたばかりという気もしますが 「センス」の話です。(Podcastではホストが『センスの哲学』に言及していますが、残念ながら私は未読です) 嫌いな言葉の代表格 センスは、子供の頃から苦手な言葉でした。お絵かきも音楽も運動も苦手でしたし、長じてからも非モテ陰キャ街道まっしぐらの自意識過剰な若者にはファッションにも一切の歓びを見いだすことができませんでした。服装に気を使っていない様に見えながら清潔さに対す

      • 個人的に勝手に狭い定義を採用している言葉について、物語(Story)とセンス(Sense)の話【前編】

        子供の頃から、よく使われるけれども「ちゃんと」意味が理解できている気がしない言葉、というのがいくつもありました。ここではその中でも際立っていて、その後自分なりの定義が安定してきたものについて書きたいと思います。本当はシステム(System)も入れてSystem Story Senseで3つのSっていう感じなんですが、システムは仕事柄情報システムに限定している場面とそうでないところで話が分岐してしまいますし、そもそも「3つの○○」という言い回しが商売っ気過多な気がするので、ここ

        • 仕事術、3つめの神器を求めて⑦ 〜デザインの原則

          多分シリーズとしてはこの辺りで一段落になります。 ここでいう「デザインの原則」は、名著『ノンデザイナーズ・デザインブック』で説明されている「4つの基本原則」のことです。 なぜ、仕事術としてデザインの本の内容が有用なのか。それは、仕事の上で生み出すアウトプットをメッセージとして長い射程で誰かに届けようとする時に必要だからです。基本的に、メッセージというのはすぐ効力が減衰するので、期待ほど遠くまで届きません。それを少しでも延命させるための工夫として、この本で説明されているよう

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        論理的思考力の取り扱い方についてのお勧め 〜やたらと「論破」してしまうことを避けるため

        • 個人的に勝手に狭い定義を採用している言葉について、物語(Story)とセンス(Sense)の話【後編】

        • 個人的に勝手に狭い定義を採用している言葉について、物語(Story)とセンス(Sense)の話【前編】

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          仕事術、3つめの神器を求めて⑥ 〜交渉術

          しばらくノンシリーズ的な記事を書いていたのでいい加減連載も終わったのかという感じになっていたかと思いますが、もう少し続きます。一応また前回のリンクを。 今回のテーマは交渉術です。交渉事は私自身あまり得意ではないのですが、苦手意識があるからこそ事前の準備となりうる知識には一定の価値があると感じています。テクニックを実際に磨いてきたわけではないので、交渉「術」の神髄にはかすってもいないのですが、そのジャンルでそれなりに流通している便利な概念があるということは知っておいて損が無い

          仕事術、3つめの神器を求めて⑥ 〜交渉術

          排他的な勝利を求めることへの忌避感と負けず嫌い

          負けず嫌いから悪意へ 「負けず嫌い」って変な言葉だな、と子供の頃から思っていました。「食わず嫌い」は食べてもないのに、のニュアンスがあるのに対して、「負けず嫌い」は負けることを単純に嫌っているだけなので、似た様な表現がある割には揃ってないというのがどうにも気持ちが悪かったです。実際には「負け嫌い」とか「負けじ魂」とかっていう言葉が先行していて、語感の良さなのかそれこそ「食わず嫌い」との類似もあってか、いつの間にか「負けず嫌い」が広く使われるようになった、ということらしいです

          排他的な勝利を求めることへの忌避感と負けず嫌い

          パフォーマンス志向から逃げ出すためのたった一つのくせに冴えないやり方 ~~タイパとかコスパとかあまり言いたくない

          ビジネスの文脈では「パフォーマンス」という言葉は実績や性能という意味で使われます。一般には、演劇やダンスのようなものを意味したり、あるいは単純に人目を引くための派手なアクションを指したりすることもありますが、それとは違う意味になります。あまり歓迎されていない様に見える若者言葉として「コスパ」「タイパ」なるものがありますが、省略前の「コストパフォーマンス」「タイムパフォーマンス」の後半部分はこの語義に則ったものだと考えられます。実際に得られるもの、と、その効率性、を指しています

          パフォーマンス志向から逃げ出すためのたった一つのくせに冴えないやり方 ~~タイパとかコスパとかあまり言いたくない

          続:仮説思考や論理への偏向が生み出す敗北主義(最大の成果を掴んでの棄却)

          の続きというか補足です。 「現場感のある」ちょっと過分なフィードバックを頂いてしまい、触発されたところがあるので。 元記事の話から漏れてしまった重要なポイントが2つあったと思います。まず、ロジカルシンキングが説得の手法であり、聞き手に変容を、より具体的にはなんらかのアクションを求める場で利用される技法である、という前提の上で、ただ論理性が高く隙が少ないということそれ自体には価値はあまりなくて、実際に行動してもらえるかどうかが最終的には重要である、という点があります。もう1

          続:仮説思考や論理への偏向が生み出す敗北主義(最大の成果を掴んでの棄却)

          仮説思考や論理への偏向が生み出す敗北主義(最大の成果を掴んでの棄却)

          子供の頃から「理屈っぽい」と言われて育ち、自分でもそうだと思っているのですが、大学を出る直前くらい(今世紀初頭です)から急に世の中が「ロジカル」を好ましい人格特性の一つと見なすようになったような気配を感じて、妙な居心地の悪さを感じたのをよく覚えています。その後その揺り戻しもありましたが、その多くはロジカル「だけ」では駄目としか言っておらず、相変わらずロジカルであること自体は良いこととされていそうです。今でもその違和感は拭い切れていないとも言えます。そもそも、文章に対してならと

          仮説思考や論理への偏向が生み出す敗北主義(最大の成果を掴んでの棄却)

          仕事術、3つめの神器を求めて⑤ 〜RACIチャート

          段々扱うものが小ぶりというかそれほど応用が効くものではなくなっていく傾向を感じないでもありませんが、コンサルティングの仕事、プロジェクトワークや業務設計などにおいて、知っておいて損はないだろうなというものを取り上げたいと思います。一応、前回の記事へのリンクもつけておきます。 今回のテーマは、RACIチャートです。プロジェクトマネジメントの世界ではよく知られたものだと思います。伝統的には責任分担表とか、もうちょっと組織階層を意識したものだとLRC(Liner Responsi

          仕事術、3つめの神器を求めて⑤ 〜RACIチャート

          低温オタクと高温オタク、あるいはコンテンツ愛を冷蔵する戦略について

          (ここ数回真面目に仕事っぽい投稿を続けてしまったことで、何か変なことを書かなければいけない気持ちになって書きました。いつも以上に冗長で得るものがない長文になる予定です) 昭和オタクの残党として、かつてあった弾圧の歴史を語る……という多少ありがちなテーマにもちょっと興味があります。平成の到来とともに中学生になったくらいの世代なので相楽左之助と赤報隊みたいな引きずり方をしていると言えなくもないかもしれないので。ですが、ここではちょっと違う話をします。 平成に入って中学生になっ

          低温オタクと高温オタク、あるいはコンテンツ愛を冷蔵する戦略について

          仕事術、3つめの神器を求めて④ 〜二軸思考とフレームワーク

          noteからは月1回のペースでの投稿を促す通知が来るのですが、今回もあっというまに期限が到達してしまいました。 いつまでも3つめの話が始められなかった連載(?)ですが、ようやく新しい話を。まず、ミニマムなフレームワークとしての二軸思考からいきたいと思います。書籍も出ているみたいですが、「二軸思考」というのが一般に共有された名前なのかはちょっと自信がありません。多数のものを分類整理する時に縦軸と横軸を設定して、平面座標の形に図示するやり方です。さすがにもう喩えとしての有効性が

          仕事術、3つめの神器を求めて④ 〜二軸思考とフレームワーク

          仕事術、3つめの神器を求めて③ 〜WBSについての補足

          いつまで経っても本題に入れません。前回、念のために、既選の2つについて書いたつもりだったのですが、 WBSについて、ある意味で当たり前過ぎて言及し忘れている観点があることをに気がつきました。 WBSはとても重要で、応用が効く技法だし、その技法自体の特性を分析することでも得るものが大きい、という信念自体については書いたつもりなのですが、そもそも私がその話をしたくなったのは、WBSが過小評価されていると感じているからだと思います。では、何故そう感じるのか。 もちろんプロジェ

          仕事術、3つめの神器を求めて③ 〜WBSについての補足

          仕事術、3つめの神器を求めて② 〜複式簿記とWBS

          中年コンサルタントが考える仕事術、的な話の続き。 複式簿記とWBSは当確として、3つめを何にしようかという探索を行うつもりなんですが、今回はとりあえず当確のものについて簡単に触れておきたいと思います。特にWBS。 複式簿記はまあ常識ってことでいいと思うんですよね。単式ではなく複式にしたことで生まれる表現能力には、若者なりに刺激を受けるところがあると思います。勘定科目にカスタマイズ性というか、裁量の余地があり得るとか、決算という手続きを経て「一定期間を区切った」結論というか

          仕事術、3つめの神器を求めて② 〜複式簿記とWBS

          仕事術、3つめの神器を求めて① 〜はじめに

          あれは中高生の頃だったと思うのですが、読んでいた本の中でちょっと脱線したこぼれ話として、人類史上最も偉大な3つの知的発明、というようなものが載っていて少し感銘を受けた記憶があります。感銘を受ける、なんていう大げさな言い回しに「少し」がつくのは我ながら居心地が悪いのですが、その本がどのような本だったのか、小説なのか技術書や学習参考書の類いなのか、あるいは中学時代に妙に嵌まって多読をしていたビジネス書なのかもまったく覚えていませんし、「3大発明」という言い回しだったかどうかも定か

          仕事術、3つめの神器を求めて① 〜はじめに

          (良い)「問い」には多分少なくとも3種類はある

          こんな記事を書いたりしているので、「問題解決より問題発見!」みたいな言い方を嫌っていたり馬鹿にしていたりすると思われがちなのですが、「問い」の話をしている人たち全般に関して言えば、むしろ尊敬の念の方が強いということを予め言い訳しておきます。「問い」が大事、っていう発言は大抵の場合、妥当で適切なものであることがほとんどだと思います。ただ、一方で、言っていることは正しいけれども、はたしてそこで言うところの「問い」という語がいったい何を指しているのか、その言説を聞いてる側に伝わって

          (良い)「問い」には多分少なくとも3種類はある