
害虫問題で思うこと
たまたま、目にしたニュース。
今、イタリアの南の地域、プーリアでは
オリーブの木についた害虫による問題が深刻化している…とのこと。
ついた害虫は、オリーブの木を枯らし
それはオリーブ農家にとっては、死活問題となる。
プーリアといえば
トスカーナやリグーリアと並んで
イタリアでも美味しいオリーブオイルを作る産地。
ただでさえ、オリーブオイルの生産量が消費量を大きく下回り
毎年、北アフリカからの大量の輸入に頼っていることは、
今となっては周知の事実であり、
それを「偽物」ととるかは別の問題だとしても、
単純に、真のオリーブオイルを作り提供することが
いかに貴重な事であるかを思うがゆえ、
この「害虫問題」についてを考えることは
全く、他人事ではない。
ニュースを見ながら、ふと思う。
害虫が如何様にして大量に発生し、
大きな被害を与えるのかは、
果たして、安定しない天候の影響だけなのだろうか…と。
土の問題を考える。
大量にオリーブを生産するために、
土に与えた何かや
天敵であるコバエを抑えるために与えた何かはないんだろうか…と。
一度、化学肥料で変わってしまった土を
自然の土に戻すのには、3年かかる…という話を聞いたことがある。
たった一回、与えた化学肥料は、大きく生態系を変えてしまう。
天敵のコバエは、あっては欲しくないけれど
それとて、自然のバランスの中で生じる必要悪かもしれない…と思う時がある。
何より、土からの栄養、自然の恵みを充分受け取ったオリーブたちは
自然に淘汰し、生きていく姿を
約4年の経験で目の当たりにしている私にとっては、
害虫の大量発生さえ不可解で
それはやっぱり、人工的な何かを加えたのではないか…という考えを
否定できないでいる。
理想より現実を見て、
量より質を心がけたい。
最終的に、生態系のバランスを崩すのは、
人間のエゴなんじゃないかなぁ…と思うのだけれど。