新たなる挑戦 2025
2024年は、その搾油量に大いに悩まされた。
収穫量こそ、この4年間で最高の量だったというのに、
降り続いた雨のおかげで、搾油率が10〜11%という、
通常より3〜4%ほど低い数字を叩き出した。
これでも、イタリア各地の平均を上回る数字であったのは
不幸中の幸いだったかもしれない。
イタリアの平均搾油率は、約8%だった。
当初の予定では、11月の終わりくらいまで、ノンフィルターの受付をし、
その後フィルターにかけるつもりだった。
販売を開始して間もなく、
ノンフィルターの注文量とフィルター済みの注文量、そして、フィルターにかける際のロス分を
天秤にかける日々が続いた。
4年目…ともなると、ある程度は想定できるようになった…とはいえ、
お客様の動きも、当たり前だけど、毎年違う。
申し訳なさそうに、「まだ購入できますか?」と質問される方々に
お断りを入れるのが申し訳ない気分になった。
ある程度、まとまった量を搾油するには、
その絶対数が必要となる。
そのためにどうするべきかを、
販売の仕事をしつつ、検討する日々は続いた。
我がオリーブ畑は、IGPというトスカーナの品質保証に登録している。
そこには、敷地と本数がしっかり登記されているから、
本数を増やすことに問題がないのかを確認する必要があった。
イタリアの規定は、なかなかに細かい。
木々の感覚、木の種類、諸々の規定がある。
それをクリアすれば、あとは事後報告で良いのだと、
お世話になっている農業組合の人に教えてもらった。
あとは、その時期と金額。
今年度はもう、剪定もしているから
その金額が既にかかっている。
気持ち的には、もう少し余裕を見たいけれど、
時間は待ってはくれない。
「植えるんであれば、1月か2月が良いと思う。」
オリーブの木を植えるのを手伝ってくれるアルバニア人一家は、
そうお勧めしてきた。
ちなみに、オリーブの木は、今植えたからとて、すぐに実には結びつかない。
おそらく、数年はかかるだろうと思われる。
大きな出費が見込まれるけれど、
今を来年に延ばしたとて、
同じ問題に突き当たるだろう。
まずは、植えるオリーブの種類と本数を決める必要があった。
「スペイン産の品種が、沢山の実をつけるんだよ。IGPの指定とは違うけれど、わかりやしないよ。」
アルバニア人は、そう言った。
収穫量は多い方が良いに決まっている。
いや、でも、、、
そこはあえて、こだわりたい…と思った。
トスカーナのオリーブオイルの味を司る、オリーブの品種にはこだわりたい。
流されないこと
アルバニア人の話を聞きながら、心の中で強く思った。