4年
今が旬な搾りたてオリーブオイルの販売も
ノンフィルターの受付を締めたところで
ひと段落を迎えている。
ホッと一息入れつつも
まだまだ、これからフィルターにかけて
フィルター済みと共に発送するオリーブオイルがあるから
今年のうちは、こうしてバタバタと時が過ぎていくのだろうと思われる。
実に、4年。
オリーブ栽培家として活動を始めてから
4年という月日が流れている。
慣れた…ということは、全くない。
毎年違う天候に右往左往し、同じことなど一つもなく
今年はこうしよう、来年はどうしよう。
試行錯誤を重ねながら
一歩一歩進んでいっているつもり。
ここに辿り着くとは、4年前には思いもしなかったのだから
人生とは不思議なものである。
ことあるごとに、「いつか田舎に住みたい…」とか
「出来れば、オリーブ畑のある地が良い。」などと
口にしてはいたけれど、
言うだけならただ…みたいな感じで過ごしていたその時
コロナがやってきた。
イタリアはその頃、外に出ることを禁じられていた。
もちろん、州を越えての移動も。
悶々と、家の中で過ごしていた時、
イタリアで生きていくなら、どうしようと考えていた。
イタリアから日本に向けて発信する。
イタリアで、イタリア人と共に仕事をする。
イタリアで日本のものを発信する。
これのどれかだなぁ…と思った時、
自分が作り出す何かを商品化したい思いが強くなったのは、確か。
思いは、続けることによって、現実を引き寄せるのだろうか。
縁あって、オリーブ畑のある地を見に行くことになった。
それが今に繋がっている。
もしかしたら、もっと前、
イタリア食材を扱う仕事をメルカートでしていたあの頃から
今に繋がっているのかもしれない。
単なる偶然の繋がりのように思える出来事も、
偶然は必然。
その頃の縁がきっかけで
今を支えてくれる人たち。
想像していなかった未来は、
一見、関係がなさそうであっても、
どこかで繋がっている不思議さを
今、ひしひしと感じているのである。