【詩】 旅の途中
アクアマリンを隠し持ったあなたは
その細い指をしっかりと閉じ
ふわりと風を切るように
さらりと砂を掬うように
気持ちを言葉に宿す
焼け焦げたマントを被り
オリーブ色の丈夫なリュックを背負って
一歩ずつここまで歩んできたのだ
気まぐれに見つけたこの川のせせらぎに
いま少し耳を済ませる
どうか心を少しでも軽くできますように
白い小石が向こう岸までカーブを描く
願いは祈りになり
きっとあなたを守ってくれる
飛び石のこちら側で私は
濡れたスカートの裾をそのままに呟く
言葉の端々が
光を受けて
異色の音色を醸し出す
ここまで流れ着いた言の葉は
無色透明の水面に踊る
ありがとう
それしか思い当たらなくて
桃を一つ流れに託した
あたたかなご支援をありがとうございます❤ みなさんのお心に寄り添えるような詩を形にしてゆきたいと思っています。