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【詩】 水彩
どうしても苦しくなってしまうという
あなたの後ろ髪は引けないけれど
向かい風を受けて立ちすくむ
その姿には気品があった
言葉の端々を水彩絵の具で彩って
上からポタポタと水滴を垂らす
水分と空気の境界線はいつも曲線になる
ジワリじわりと碧色が薄まって
いつしか画紙をふやかせる
筆先は柔らかく
いつでも自由に
ナニモノかを描くことができる
滲む世界はただ薄暗く
古びた映画を観るように
もう一人の自分を眺める小箱
そこに電子レベルの体液など浸透しない
されどあなたは次の道を探す
また初めからかと
おおらかに溜息をついた
その先からまた
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