Aoha Yuki

どこにでもいる20代女性会社員/恋愛に不慣れ/小説/エッセイのようなもの/不定期更新/きもちのままに

Aoha Yuki

どこにでもいる20代女性会社員/恋愛に不慣れ/小説/エッセイのようなもの/不定期更新/きもちのままに

最近の記事

恋と愛の違いと、死ねない理由について。

 死にたいと思うことがなくなった。死ねない理由ばかりが積み重なっていくけれど、生きたいという理由にはならない。死ねないだけ。私の死ねない理由がなくなったら、私は死にたくなるのだろうか。  高校生から社会人1年目にかけて、私はオタク(アニメ・漫画好き)だった。好きな作品の展開に一喜一憂し、泣き、笑い、日々を楽しく過ごしていた。推しが輝く姿を見ているのが好きだったし、私自身の妄想を具現化した同人誌も出した。  大学4年から社会人1年目にかけて、舞台にハマった。小劇場で紡がれる

    • 午前5時、ホットミルクとカウントダウン。

       眠れない夜は、はちみつをたっぷりとたらしたホットミルクを飲むといい。どうしていいのかはわからない。気持ちが落ち着くからだろうか。  眠れない夜は、noteを書くと落ち着く。  通話の先で、愛しい恋人の寝息が聞こえる。きっと不安にさせてしまっただろう彼の、穏やかな寝息。悪夢を見ていないことにほっとして、私はノートパソコンを開いた。  私には年下の恋人がいる。とても優しくて可愛らしくて、でもかっこ良くて大切にしたい大好きな人だ。  もし彼が恋人でなくなったら、そう口にするの

      • 誰かの彼女ではなく、彼の恋人でありたいと思っている。

         私は他人に彼のことを話すとき、彼を恋人とよぶ。周囲の人間は私の恋人を「彼氏」というけれど、私は「彼氏」という表現を好んで使わない。  特に深い意味はない。  例えば、同性愛者のひとたちが自分のパートナーが同性だと悟られないように恋人とよぶことがあると聞くことがある。幸にして私の恋人はこの世の中のマジョリティである異性だし、私は自分の性的指向を隠す必要がない。  私には過去に3人の彼氏がいた。  私はこの3人の男性を恋人とはよびたくない。彼らは確かに私の彼氏だったし、私も

        • たとえ不謹慎だと言われても、愚かだと指さされても、私は待てずに駆け出した。

          いま、新幹線に乗っている。 だからなんだとあなたは言うかもしれない。私は、たくさんの県境をまたいで会いたい人にあいにいく。 1か月前から、決めていたことだった。 その時にはもう既に感染症も蔓延していたし、日本は緊急事態宣言の真っ只中だった。 会いたい。会いたくてたまらない。声だけでも心の7割は満たされるけれど、残りの3割は手を繋いで、抱きしめないときっと満たされない。 それでも時期が悪いと笑うしかなくて、私の力ではどうにもならない現状にナイフを投げて切り裂いてしまいたかっ

        • 恋と愛の違いと、死ねない理由について。

        • 午前5時、ホットミルクとカウントダウン。

        • 誰かの彼女ではなく、彼の恋人でありたいと思っている。

        • たとえ不謹慎だと言われても、愚かだと指さされても、私は待てずに駆け出した。

          頑張って可愛くなったのに、雨とマスクが気力を吸い取った。

           朝、偶然はやく目が覚めたので洋服を買い物に行こうと思った。明日でもよかったし、仕事終わりでもよかったけれど、今日いってしまった方がうまくいくような気がした。  起き抜けの顔を洗って丁寧に化粧水と乳液を肌に塗り込む。馴染むのを待つ間に服を決めた。数年前に買った紺色のワンピース。まだ着れると思ってクローゼットにしまってあるけれど、丈が短くて流行遅れかもしれなかった。  最近は丈の長いスカートが流行っている。それも好きだけど、このワンピースも好き。あと、おしゃれに疎すぎて未だに

          頑張って可愛くなったのに、雨とマスクが気力を吸い取った。

          正しくないのはわかってる。でも、正しくないことがいけないなんて誰が決めたの。

           ずっと、自分の恋愛に興味がないふりをしていた。   高校時代からの親友に「自分の恋愛とかわからない。彼氏が欲しいと思わない」と言う人がいる。そして、私の周りにはずっと自分の恋愛よりも趣味にどっぷりと浸かっている人が多かった。  学生時代の「恋愛なんてしょうもない」という時代はなんなのだろう。恋愛至上主義者と反対者。恋愛に興味がないことが一種のステータスだった時期があると思う。  私も周囲にもれずそうだった。今、趣味ではまっていることがあるから「恋人はいらない」と言わなけ

          正しくないのはわかってる。でも、正しくないことがいけないなんて誰が決めたの。

          11歳の私は嫌いな赤飯を食べた。20歳の私が、あれは呪いだと吐いていた。

           ずっと書こうと思って、下書きに溜めている記事がいくつかある。これも、そのひとつ。  記事を開くたび重く私にのしかかるのは、思いついたままにメモしたタイトルだけの下書き。どのタイトルからも、書いたときの私の感情を鮮明に思い出せる。そこから書き綴ることもあれば、こうして2週間くらい放って置かれることもある。  書きたいと思って下書きにしまったはずなのに、どうしても書きたいと思えなかった。それでも、書かなければと思った。 ◇  女性のほとんどがきっと体験しているのではない

          11歳の私は嫌いな赤飯を食べた。20歳の私が、あれは呪いだと吐いていた。

          心を平坦にするって、どうやったらできるんだろう。

           外面がいいと思う。  会社ではいつもにこにこするように気をつけている。頼まれたことは基本的に二つ返事でこたえるし、怒りを外に出すことはまれだ。たまには人間らしい感情があった方がいいかな、とちょっとだけ不機嫌なふりをするけれど、3秒も持たない。本当は、そんなことがないから。  昔の私は感情の起伏が激しい方だった。すぐ怒るし、悲しくなる。父親には「泣いたら許されると思うなよ」と言われるのが常だった。許されたいから涙を流したわけじゃないのに、そう伝えるのが難しいほど感情の波が私

          心を平坦にするって、どうやったらできるんだろう。

          人の数だけ正解があるから、私の好みの話しをしようと思う。

           昔から、文章を書くのが好きだった。宿題の作文、小説、手紙、Twitterもよく呟くし、ブログもやっていた。noteも、過去何回かアカウントを作り直してはいるけれど、こうして続けている。  文章の書き方に正解はあるのだろうか。「てにをは」や句読点の付け方、正しい日本語などという教科書的な正解はあるだろうけれど、結局は好みだと思う。  例えば読まれやすいnoteの傾向についてとか、考えたりしたこともあったし、検索したこともある。目次をつけたり、1つの記事の文字数は少なめにす

          人の数だけ正解があるから、私の好みの話しをしようと思う。

          深夜に書いたラブレターは渡しちゃいけないけど、彼の好きなところを書いていたい。

           午前3時半、久しぶりにベランダに出てみたら思ったよりも寒かった。もう、昼間は半袖でいいくらいなのに、夜はまだ夏になりきっていないことが嬉しい。  どうしても眠れないから何か書きたくて、パソコンの電源をつけた。通話の先で眠る恋人を起こしてしまわないように、いつもより静かにキーボードを叩く。安らかな寝息が、今夜のBGM。  特筆することもない日常を過ごしている。休日は眠るばかりで、家事も進まない。昨日だって、私は1日中寝ていた。彼にわがままを言って始めた通話は、彼がゲームを

          深夜に書いたラブレターは渡しちゃいけないけど、彼の好きなところを書いていたい。

          泣いていることを知られなくてよかったと安堵した。そんな自分が嫌だった。

           ベッドの中で、通知を待っている。  彼からの「おまたせしました」の8文字を待っている間、私は不安で泣きたくなる。理由はわからない。ただ、私ではない誰かが彼と話しているかもしれないという妄想が、頭を埋め尽くす。  きっと、おそらく、ぜったい、無いと思うのだけど。  私には年下の恋人がいる。お付き合いをはじめてから、もうすぐ3週間が経つらしい。らしい、というのは、忘れっぽい私が記念日を忘れないために登録したアプリがそう言っている。正直、私も彼も記念日を祝うたちではないから、覚

          泣いていることを知られなくてよかったと安堵した。そんな自分が嫌だった。

          貴方のものになりたい。けれどそれを、他人に知られたくはない。

           左手の薬指、私はあなたの指にしるしをつけたくてしかたがない。  安いペアリングなんかじゃなくて、数十万円の銀色の指輪で薬指を飾る妄想をする。私の薬指とペアの指輪。誰が見てもわかる、誰かのものだという証。  私と彼はまだ付き合いはじめて2週間がたっただけだ。それでもよく「いつか」の話しをする。 「俺にひとりでご飯を食べさせないでよ」 「私がいじけてご飯を作らなかった時、ちゃんと作れるように教えるね」  結婚を前提にしたお付き合いはしていない。私も彼も、結婚願望は持ってい

          貴方のものになりたい。けれどそれを、他人に知られたくはない。

          名前をつけて2週間。穏やかに、そしてゆるやかに交差する恋心。

           この世に美しい恋愛なんて存在しないと思っていた。人と人とが感情をぶつけあって、燃え上がって、そして灰になった気持ちが風にさらわれて消えていく。  そういうものを、「恋」と呼ぶのだと思っていた。  私と彼の関係に名前がついて、2週間が経った。   私には年下の恋人がいる。  彼とは、1年ほど前に知り合ってから「気のおけない友人」で、ここ数ヶ月よくゲームや通話をする人だった。  私と彼は、とても不思議な関係だった。友人ではなく、恋人でもない。お互いが好きなのは知っていた。

          名前をつけて2週間。穏やかに、そしてゆるやかに交差する恋心。

          「はじめまして」をもう一度。そんな私がいてもいい。

           ずっと、noteから遠ざかっていた。  否、ずっと私から遠ざかっていた。  文章を書くのは昔から好きだった。  小学生の頃、一番好きな宿題は作文だった。読書感想文は苦手だったけれど、将来の夢とか、両親への感謝とか、手紙とか、そういうのが好きな子供だった。  本を読むのも好きで、いつしか小説を書くようになっていた。はじめてインターネットに文章を公開したのは中学生のとき。拙い小説をブログにアップしていた。  あれから、10年はたったと思う。私は24になるまで、文章を書いてき

          「はじめまして」をもう一度。そんな私がいてもいい。