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新刊『リサーチ・ドリブン・イノベーション』予約開始! アイデアの可能性を拡げる探究型の問いのデザインとは?
昨年から書き進めてきた新刊『リサーチ・ドリブン・イノベーション:「問い」を起点にアイデアを探究する』(安斎勇樹 小田裕和 著, 翔泳社)が4月20日に発売されることになりました!是非ご予約ください!ありがたいことに、早速Amazonの書籍の人気度ランキング1位に入りました!🙏
これまで企業の課題解決のワークショップデザインやファシリテーションに関わる著作はいくつか出してきましたが、イノベーショ
6年前の「ワークショップ実践論」を振り返る
先日、嬉しい知らせが届きました。拙著『協創の場のデザイン』(2014年)が、初の増刷となったのだそうです。
この本は2013年の初の共著『ワークショップデザイン論』を出版した矢先に、博士課程に在籍しながら数ヶ月で仕上げなければいけなかった初の単著で、なかなか苦労したことを覚えています。
京都芸術大学の教科書として執筆したもので、ビジネス書として派手に売れることはなかったのですが、実際に手に取ら
【3万部突破!】書籍『 #問いのデザイン 』増刷決定【今後の展望について】
6月に発売された書籍『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(安斎勇樹・塩瀬隆之著 学芸出版社)の増刷が決まり、第3刷で累計3万部発行となりました!たくさんの方にお読みいただけて本当に嬉しいです。
ワークショップやファシリテーションを実践する方はもちろんですが、事業会社のマネージャーや経営層、UXデザイナーの方々など、組織や事業の課題解決に関わる方に幅広くお読みいただいている印象です。
【増刷決定!1.5万部】『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』発売中
新刊『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(安斎勇樹・塩瀬隆之著 学芸出版社) が6月4日に発売され、早くも増刷が決まり、第2刷で合計1万5000部発行となりました。ご購入いただいた皆さん、どうもありがとうございます!
この本は、ワークショップデザインに関する博士論文で書ききれなかったテーマである「良い問いをいかに立てるか」ということについて、博士号取得後の5年間をかけて実践と研究を
"問いは、「良い答え」を導くためのものである"...は本当か?
なぜ問いを立てるのか。問いのデザインはなぜ重要なのか。問いをデザインすることの意義については、さまざまな意見があるように思います。
たとえば、問うことは人間の本能に近い営みのため、問うことは、生きることである、という意見もあるでしょう。ジョン・デューイも人間の根源的な衝動の一つに「探究的衝動」を位置付けていましたから、私自身もその考え方には共感するところがあります。
他方で、私が問いについて「
新刊『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』好評発売中!
2015年に出版企画が立ち上がってから苦節5年、大変長らくお待たせしてしまいましたが、ようやく書籍『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(安斎勇樹・塩瀬隆之著 学芸出版社) が6月4日に発売されました!
企業の商品開発・組織変革・人材育成、学校教育、地域活性化などの複雑な課題解決において、問題の本質を見抜き、正しい課題を設定するための思考とスキル。そして関係者を巻き込み課題を解決する
ファシリテーションにおける「誘導」と「提案」の違い
ワークショップデザインやファシリテーションの講座をしていると、初心者の方によくいただく相談に「ここまでプログラムを作り込むと、誘導になってしまうのではないか」「参加者をファシリテーションによって誘導していないか不安なのですが..」というお悩みがあります。
今回の記事では、ワークショップデザインにおいて気をつけなければいけない「誘導」とは何か。建設的な「提案」と何が違うのか、ということについてまと
"10万年後の問題"を解決するための課題設定は可能か?
問いのデザインの手順を体系化する上で、ワークショップデザインやファシリテーションの技術ばかりに目線が行きがちですが、ワークショップの問いの設定以前に、何を解決するためにワークショップを実施するのか、すなわち「解くべき課題を定義する」ことが重要です。
課題とは「理想的な目標」と「現状」との差分を解消するために「いま向き合うべきテーマやタスク」のことです。適切な課題を定義するためには、漠然とした問題
アートはビジネスに活用可能か?:アート思考に関する研究動向
八重樫文先生(立命館大学)らの共著論文「ビジネスにおけるアートの活用に関する研究動向」(八重樫文・後藤智・重本祐樹・安藤拓生(2019)立命館経営学 第58巻第4号)を読みました。# 八重樫先生は安斎の出身研究室の兄弟子にあたり、大学院生時代から大変お世話になっています
ビジネスにおける「アート思考の活用」はホットトピックであり、関心の多い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本論文は、Jo
問題の本質を捉える「素朴思考」と「天邪鬼思考」
問いのデザインの第一歩は、問題の本質を探り、本当に取り組むべき課題を定義するところです。問題の本質を捉えるために有効な思考法はいくつかありますが、そのうち基本的な考え方に「素朴思考」と「天邪鬼思考」があります。
「素朴思考」とは何か「素朴思考」とは、文字通り、問題状況に対して素朴に向き合い、問題を掘り下げていく考え方です。よく「素朴な疑問」と言いますが、問題状況に対峙していてふと湧き上がった何気
「問い」と「アナロジー」の往復で、アイデアに磨きをかける
金属のレーザー加工を專門とする株式会社インスメタル様のご依頼で、自分だけの理想の空間をカスタマイズできる結界型オフィス家具「ADDMA(アドマ)」を開発・リリースしました。本プロジェクトは、スーパークラウズ、インクワイア、ツクルバなど贅沢すぎるほどの多様なパートナーにご協力いただきながら、ミミクリデザインの淺田史音・小田裕和らが主導してくれました。複数回のワークショップを通してプロダクトアイデアを
もっとみる「固定観念にとらわれずに、自由にアイデアを考えましょう!」というファシリテーションに対する改善提案
ワークショップやファシリテーションを専門に仕事をしていると、現場の方々とコミュニケーションをするなかで「外部でこのような酷いワークショップを経験した」「こういうファシリテーションに、参加者として不快な思いをした」というような報告が、耳に入ってきます。(たまに自分たちもやっちゃってるなー..と思って、耳が痛くなることもあります笑)
そのなかでも、多く耳にする”愚痴”が、以下のようなファシリテーショ
ファシリテーターの”芸風”の構造
ミミクリデザインの組織学習を専門とするファシリテーターの遠又が、こんなことをツイートし、共感を集めていました。
たしかにファシリテーターと呼ばれる役割には”画一的な理想像”は存在せず、「個性」のようなものが存在します。現在ミミクリで進めている熟練したファシリテーターの暗黙知に関する調査研究でも、当日の立ち振る舞いや、背後にある価値観は、ファシリテーターによって多種多様であることが確認されています
ワークショップのアイスブレイクで溶かすべきもの
ワークショップでは、プログラムの冒頭で参加者同士の「アイスブレイク」と呼ばれる活動を行います。「チェックイン」と呼ぶ場合も多いかもしれません。
多くの場合、自己紹介にアレンジが加わっているケースが多く、その日の活動を共にする参加者が、お互いのことを知り合う活動として行われます。単なる「緊張ほぐし」のように思われがちですが、アイスブレイクはワークショップの非日常性と、そこから生まれる学習と創発を担