安斎勇樹

株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環客員研究員/人と…

安斎勇樹

株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環客員研究員/人と組織の創造性を高める方法論について研究しています/主な著書『問いのデザイン』『問いかけの作法』など http://yukianzai.com/

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    問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術

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    問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

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マガジン

  • 経営・組織マネジメント

    MIMIGURIの経営に関する気づき、組織マネジメントに関する知見、エッセイをまとめていきます。

  • 探究の方法論

    探究の方法論、探究型のキャリアデザインについて試論をまとめています。

  • 遊びのデザイン論

    「遊びのデザイン」に関する研究メモ、エッセイなどをまとめていきます。

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    「問いのデザイン」に関する研究メモ、エッセイなどをまとめていきます。

  • ワークショップデザイン・ファシリテーション論

    ワークショップデザインやファシリテーションに関する知見や論考をまとめていきます。

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最近の記事

組織のルールはなぜ破られるのか?ルールの階層性と解釈のズレ。そして破られることの意義

最近は「組織のルール」に関する探究を法律家の水野佑さんと進めていて、来年あたりに出版できるのではないかと思っています。 ルールの探究をしていると面白いもので、身の回りのさまざまなものがルールによって作られていることに気付かされます。本記事では、身近な事例を通して、ルールの曖昧さや認識の違いによってさまざまな問題が起きていることについて考察します。 たとえば以下の写真。先日利用したイベントスペースの定員表記なのですが、なぜ「300名」ではなく「299名」なのでしょうか?

    • 学び続ける組織をつくるには、「学習観」と「評価システム」をすり合わせる:ドラゴンボール、キングダム、ワンピースの違い

      "学習"とは何か?"学ぶ"とはどういうことか? この問いは非常にシンプルに見えますが、実際にはその答えは多種多様です。学習の定義は、個人の年齢や職業、これまでの人生経験、価値観などによって大きく異なります。この記事では、あらためて「学習観」の違いについて探り、組織づくりや評価制度との関連について考察します。 なお、この記事は以下のVoicyで音声解説していますので、ぜひあわせてご視聴ください。 人によって、"学習"の捉え方は異なる「リスキリング」といった言葉が示すように

      • 「探究型キャリアステージ」という提案。大人のアイデンティティ・クライシスを乗り越える、これからのキャリアモデル

        "10年後のキャリア目標"なんてものを立てるのが無理ゲーすぎる現代において、長期目標を立てることを諦めて、現在の関心に基づいて「探究テーマ」を設定することの重要性を最近は繰り返し説いています。 仮でもいいから探究テーマを言語化してみて、それを磨いていくことで、結果として豊かなキャリアが形成される。私自身もそんな風にキャリアを形成してきました。 ところが、人生100年時代。長い人生において、自分の好奇心を枯渇させずに、いつまでも探究を継続することは決して簡単なことではありま

        • 中年期のアイデンティティ・クライシス。その原因と処方箋を考える

          「自分に合った仕事とは?」「自分らしい働き方とは?」 多くの人が、自分の個性やアイデンティティと向き合いながら、キャリアを模索していることと思います。 学習論でも、「学習とは、アイデンティティの変容である」という学習観が支持されており、人の成長とアイデンティティは密接に結びついています。実際に、20代後半や30代前半くらいになると、知識や技術が増えたことよりも特定の仕事において「一人前になってきた」というアイデンティティの変化に成長を実感している方も多いことでしょう。

        組織のルールはなぜ破られるのか?ルールの階層性と解釈のズレ。そして破られることの意義

        • 学び続ける組織をつくるには、「学習観」と「評価システム」をすり合わせる:ドラゴンボール、キングダム、ワンピースの違い

        • 「探究型キャリアステージ」という提案。大人のアイデンティティ・クライシスを乗り越える、これからのキャリアモデル

        • 中年期のアイデンティティ・クライシス。その原因と処方箋を考える

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        • 経営・組織マネジメント
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          7本
        • 問いのデザイン論
          41本
        • ワークショップデザイン・ファシリテーション論
          70本
        • 書評・読書メモ
          22本

        記事

          「探究テーマ」はどうやって設定する?自分の才能を活かした「探究」を実現するための4STEP

          「探究テーマ」を設定し、生活に「探究」を取り入れることで、人生は豊かでプレイフルなものになります。 「自分と世界とのよりよい繋がり方」を模索する行為であり、究極の娯楽でありケアである「探究」の特徴や基本については、以下の記事で詳しく解説しました。 一方で、探究テーマを設定することの重要性はわかったけれど、うまくテーマを立てられない……という人も多いのではないかと思います。実際、"全員探究"をカルチャーにしているMIMIGURIの社内でも、探究テーマがなかなか定まらずに頭を

          「探究テーマ」はどうやって設定する?自分の才能を活かした「探究」を実現するための4STEP

          キャリア目標を捨て、「探究テーマ」を持とう─究極の娯楽でありケアである「探究」という営み

          "将来の目標"を明確にして、そのために必要なスキルを主体的に身に着けていこう──こうしたキャリアデザインの考え方は、一般的に多くの人に浸透しているものだと思います。しかし、不確実性の高い現代において、思い描いた通りのキャリアを歩むことは、いったいどの程度可能なのでしょうか。また、そもそも自分の「将来やりたいこと」や「数年後のありたい姿」がわからないと、悩んでいる人も少なくないと思います。 そうした現代において重要なのは、キャリア目標を捨て、「探究テーマ」を持つことなのではな

          キャリア目標を捨て、「探究テーマ」を持とう─究極の娯楽でありケアである「探究」という営み

          経営・組織論に根付く「軍事的世界観」は本当に悪なのか?その"功"と"罪"を改めて考察する

          ビジネスの世界の根底には「軍事的世界観」というパラダイムが横たわっており、20世紀から続くこの世界観こそが、21世紀の企業や経営者に必要な変革を妨げている。これからの時代は、「冒険的世界観」という新たなパラダイムにシフトしていくはず──以前noteで2記事にわたって、こうした提言を書きました。 しかしながら、もしかすると読者によっては、 「そうは言っても、軍事的世界観にはまだまだ多くのメリットがあるのではないか」 「VUCAの時代だからこそ、軍事的世界観を引き締めて、強い

          経営・組織論に根付く「軍事的世界観」は本当に悪なのか?その"功"と"罪"を改めて考察する

          中年期のアイデンティティ・クライシスを乗り越える探究論の探究/リーダーの"正しさ"の鎧/"学習観"のアップデートなど【Voicy5月総集編BEST5】

          4月にVoicyチャンネル「安斎勇樹の冒険のヒント」を立ち上げて、2ヶ月が経ちました。なんとか約15分の音声配信を毎日続けています!おかげさまでフォロワーも2000人を超えました。本当にありがたい限りです。 5月のVoicy「安斎勇樹の冒険のヒント」人気コンテンツBEST5本記事では、先月に引き続き、5月に配信した31本のコンテンツのうち、アナリティクス(視聴データ)を振り返って、リスナー数やいいね数などが多かった人気コンテンツBEST5を紹介します。※複数の変数があって機

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          職場は“マジメな場”であるべきか?これから必要な「エンタメ経営」のあり方を考える

          「楽しさ」や「面白さ」、エンターテインメント性。これらは従来、企業現場、職場の従業員体験において、あまり重要視されてこなかったように思います。 一方、「エンターテインメント」は、MIMIGURIや僕個人にとって非常に重要な概念であり、毎日の朝会から部門長のミーティング、全社総会や社内番組に至るまで、あらゆる場面で「面白いかどうか」を重視しています。そして、これからの時代においては、「エンターテインメント性」こそが、あらゆるビジネスのキーワードになるのではないかとも感じていま

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          ブラックボックス化しがちな「目標設定」のナレッジ。組織の上位方針と個人の衝動をミートさせ、「物語」を駆動させるには?

          新年度のバタバタが落ち着いて、組織やチームとして新たに設定した目標に向かって走り出しているところかと思います。1年間のチームの歩みに影響を与えるという点で、非常に重要な意味を持つ目標設定と、その伝え方。 しかし、そのナレッジはブラックボックスになりがちであり、「うまくいかない」と相談を受けることも多くあります。 相談の詳細を尋ねると、多くのマネージャーが、上から降ってきた目標をそのままチームに下ろしていることで、さまざまな問題が生じていると感じます。この"伝言ゲーム方式"

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          新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』発売決定!先行して「はじめに」を全文公開します。

          チームづくりに関する最新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』(池田 めぐみ・安斎 勇樹 共著)を今月末に発売します。Amazonで予約が開始されていますので、ぜひ発売前にご予約ください! 本記事では、一足先に書籍の「はじめに:チームの行く手を阻むもの」を公開いたします。※校正前の原稿ですので、発売時のものとは若干異なります チームに降りかかる「困難」を乗り越えるには早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け。 (If you wa

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          組織に“できたてホヤホヤの暗黙知”をシェアする仕組みをどうつくるか?子どもの「逆上がり」習得過程を見て気づいたこと

          今日は「子どもの日」ということで、個人的な話になりますが、先日、5歳の娘が「逆上がり」を習得しました。 一人の親として感動を覚える瞬間だったことはもちろん、習得のプロセスがまさにヴィゴツキーの言う「ZPD(Zone of Proximal Development、最近接発達領域)」そのもので、親としても、研究者としても非常に感激してしまいました。 そこで本記事では、「娘の『逆上がり』習得」というきわめて身近なエピソードを通じて私が感じた、ナレッジマネジメントにおける「でき

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          "心理的安全性の誤解"の誤解/キャリア目標を捨てよう。探究テーマの重要性/暗黙知を引き出すインタビューのコツなど【Voicy4月総集編BEST5】

          2023年度を振り返ると、春に「軍事的世界観から冒険的世界観へ」という新たなスローガンを掲げて、冒険型の組織づくりのモデル「CCM」を開発して、今秋出版予定の集大成的な単著の執筆に取り掛かった1年で、まさに「大きなアウトプット」にすべてのリソースを費やした1年間でした。 単著はまだ現在進行形でブラッシュアップ中ではあるのですが、大型のアウトプットを通してやや燃え尽きかけていたというか、研究者としてのバランスを崩していたため、2024年は「小さなアウトプット」を積み重ねること

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          毎年新刊を出すために実践している、知的生産の4つのルーティーン

          ようやく執筆してきた単著『冒険する組織のつくりかた(仮)』の完成が見えてきました。2024年冬頃の出版を予定しています。冒険的世界観の組織づくりを体系化した実践書になる予定で、僕にとって30代のキャリアの集大成的な書籍になりそうです。楽しみにしていてください! 振り返ると、2020年にベストセラーとなった『問いのデザイン』を出版して以来、ほぼ毎年新刊を出してきました。 『問いのデザイン』2020年6月 『ワークショップデザイン論 第2版』2021年1月 『リサーチ・ド

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          マネジメントの「もぐら叩き」からいかに抜け出すか。ミドルマネージャーが心得ておくべき「問いのデザイン」の新原則とは?

          経営層の方針をチームに伝え、実行に移すミドルマネジメントの現場において、「問い」のデザインがますます重要になってきていると感じます。 本記事では、2023年10月に開催し、大変好評だったウェビナー「チームを覚醒させる「問い」のデザイン:新時代のミドルマネジメントの真髄」の内容より、「問い」を活用したミドルマネジメントの新原則について、ケーススタディとともにご紹介します。 『問いのデザイン』の大幅アップデートを目指して2020年に刊行した『問いのデザイン』の出版から4年近く

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          いま必要なのは「ゆるやかな組織変革」?「もったいない」から始める、前向きなカルチャー変革のアプローチ

          昨年頃から急激に「カルチャー変革」というテーマで登壇の依頼をいただくことが増えています。そうした中で、企業のカルチャー変革の本質や、具体的に実践する際のレバレッジポイントについて詳しく解説する記事も書きました。 組織のカルチャーに注目が集まっていることを嬉しく感じる一方で、少し違和感を覚えることもあります。というのも、組織変革のご相談を受けるとき、「今の組織がダメなので、カルチャーを変革をせねば」とカルチャー変革を“戦略”に位置づけ、トップダウンで改革を断行しようとするケー

          いま必要なのは「ゆるやかな組織変革」?「もったいない」から始める、前向きなカルチャー変革のアプローチ