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問題の本質を捉える「素朴思考」と「天邪鬼思考」

問いのデザインの第一歩は、問題の本質を探り、本当に取り組むべき課題を定義するところです。問題の本質を捉えるために有効な思考法はいくつかありますが、そのうち基本的な考え方に「素朴思考」「天邪鬼思考」があります。

「素朴思考」とは何か

「素朴思考」とは、文字通り、問題状況に対して素朴に向き合い、問題を掘り下げていく考え方です。よく「素朴な疑問」と言いますが、問題状況に対峙していてふと湧き上がった何気ない疑問を投げかけながら、問題の輪郭を掘り下げていく考え方です。問題状況に置かれた当事者から語られる言葉の意味や、言葉と言葉の関係性について、率直に「わからないこと」をベースに思考を進めていきます。

目の前に見ていること、聞こえていること、実際に起きている現象に対して「これはなんだろう?」「どうしてだろう?」「どういうことだろう?」と、好奇心を持ちながら、問題に対する理解を深めます。

一般的によく用いられる「5W2H」のような質問フレームを活用してもよいですが、無理に質問を拡げようとするよりも、素朴に気になったこと、好奇心が湧いたことを中心に掘り下げていくほうが、問題の理解が「自分ごと」になりやすいはずです。

素朴思考において意識すべき点は、「良い問い」を考えようとしないことです。問いは、それに答えようとする過程で、別の新しい問いを生み出します。何かがわかると、別の何かがわからなくなるのが、人間の理解の本質だからです。問題の理解を深めるこの段階では、「良い質問かどうか」について考える必要はありません。まずは素朴に湧き上がった問いたちを出発点として思考を巡らせたり、思い切って問題の当事者にぶつけたりしながら、その過程で問いを育てていけばよいのです。

「天邪鬼思考」とは何か

「天邪鬼思考」とは、素朴思考とは裏腹に、目の前の事象を批判的に疑い、ある意味”ひねくれた視点”から物事を捉える思考法です。

天邪鬼思考は、素朴思考と並んで、課題の定義に向けて問題状況を問い直すための基本的な思考モードです。この2つはバランスがとても重要です。目の前の問題状況を素直に問うていく素朴思考だけでは、好奇心にしたがって問題を掘り下げていくことはある程度できても、当事者たちにとっての盲点を突いたり、多角的な視点からの吟味を重ねることには向いておらず、“優等生”的な課題設定に陥ってしまうリスクもあるからです。

素朴思考では「わからないことを探求する」姿勢で問いを生成しましたが、天邪鬼思考では、クライアントの認識を批判的に捉え、語られていない盲点や、物事の裏側を見ることに徹します。

天邪鬼思考に傾倒しすぎてしまうと、関係者を動機づけるようなポジティブな課題設定がしにくくなってしまうデメリットがある点に注意です。

素朴思考と天邪鬼思考のバランスを取る

繰り返しになりますが、素朴思考と天邪鬼思考は、バランスが大切です。素直な視点と、批判的な視点を織り交ぜて、問題の理解をさまざまな視点から立体化させて、問題の本質を掴み、課題定義へと落とし込んでいくことが、プロジェクト設計における問いのデザインの第一歩なのです。

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ミミクリデザインでは、クライアントが置かれた問題の本質を多角的に捉え直し、本当に取り組むべき課題を設定し、クライアントチームの目線を合わせながらプロジェクトをファシリテートすることを得意としています。事業開発、組織開発、人材育成などで漠然とした問題を抱えている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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