名もなき腐女子唯

筋金入りの腐女子おばちゃん。BL漫画小説好き。元KAT-TUN・仁亀ファンで現在はゆる…

名もなき腐女子唯

筋金入りの腐女子おばちゃん。BL漫画小説好き。元KAT-TUN・仁亀ファンで現在はゆるく応援。 2.5次元美しい彼のヒラキヨにどハマり。 趣味は小説を書く事とピアノ。noteではBLや創作専用のアカウントと連携してますが、KAT-TUN用は@2g82lnP8NidUQzDです。

マガジン

  • 吉原を舞台にした花魁小説です。

    江戸時代の吉原を舞台にした花魁小説です。 自分の好きなアイドル達を見ていて、まるで遊郭の遊女や花魁達の世界のようだと思い書き始めました。安野モヨコ先生のさくらんや、時代小説剣客商売のオマージュかなりあります。

  • BL腐女子語り

    ほぼ腐女子事、BLについて語っています。

  • ジャニオタ腐女子の婚活

    ジャニオタで腐女子で、彼氏いない歴=年齢だった私が、8年近くにわたり行ってきた婚活で結婚に至るまでを書いた記事です。

  • 刹那の楽園【完結】

    中世イギリスエリザベス女王治世下のロンドンを舞台にしたBLです。恋に落ちたシェークスピアを観て、なんで折角当時は男が女役やってたのにBLじゃないんだ!と腐女子前回で思い書いてしまいました。ちなみにnoteで小説これ以上増やすとゴチャゴチャしそうなので、下記をクリックするとアルファポリスにとびます。

  • 望郷【完結済】

    望郷は、YouTubeでマツコさん達、所謂オカマタレントと言われる方々の番組を見て思いついたオリジナルBL小説です。会話のみですが、性表現初っ端からありなのでお気をつけください。純朴農家青年兄×元オネエタレント弟のBLです。

最近の記事

第四十九話

 昼見世は客が少なく遊女達はゆっくり過ごす事が多いのだが、最近は源一郎の幼馴染だという男が頻繁にやってくるようになった。今日も当然のようにやってきたその男は、お気に入りの遊女篠と、数人の新造を侍らせ座敷で酒を飲んでいる。 「またまた、公孝様ったらご冗談ばかり」 「いやいや!もし妻より先に君に出会ってたら俺は絶対君を身請けしてた」 「失礼致します」  と、いつものように公孝が篠を口説いているところへ、遣手の佐知が遠慮なしにズカズカと入ってくる。 「公孝先生、楼主からお話あ

    • 2008年のKAT-TUNとピアノと私と現在③

      かなり間が開いた上にタイトル少し変えましたが、こちらの続きを書いていきます。ちなみにここからはKAT-TUN事より私の話中心になるので、興味ない方は回れ後ろでよろしくお願い致します。 さて、楽しかったQUEEN OF PIRATES大阪参戦を終えた次の日の早朝 私はC様Y様より一足先に新幹線に乗って、KAT-TUNのアルバムを鬼リピしながら家路につきました。 しかし、正確な日にちは覚えてないのですが 確かその週か次週の土日に講師コンサートがあったので、いつまでもKAT-T

      • 第四十八話

        「見張りはうちだけでなく、蔦谷様の方でも用意してくれると言っていたが、遊女総出となると気は抜けないな」 「蔦谷様は粋なお方ですからね、みみっちい事はしたくないんでしょう。今夜は水戸藩や尾張藩の大名達も訪れて花火の出来を競うみたいですし、玉楼の遊女に注目が集まるかどうかは怪しいところですが、遊女達にはもう話がまわっていて大はしゃぎですよ」  隅田川の水神祭には、武士も町人も貴賤問わず多くの人々が花火や屋形船、出店を楽しむため夕涼みにやってくる。  吉原の遊女達は基本的に外に出

        • 2008年のKAT-TUNと仁亀とピアノと私②

          前回の続きです。 今でこそ推し活という言葉が生まれ TVでもYouTubeでも当たり前に皆推し推し言ってますが、2008年頃は、子どもの内ならまだしも、大人がアイドルに夢中とか恥ずかしいみたいな傾向があり 特に当時、私は楽器店のピアノ講師としてクラシック中心に教えていたので クラシックってお堅いイメージあるし ジャニオタだけならまだしも、腐女子で三次元同人活動までしてるとバレたら人生終わると本気で思っていました。 そのためジャニーズ好きな生徒さんに 仁亀どちら派と聞かれて

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        • 吉原を舞台にした花魁小説です。
          51本
        • BL腐女子語り
          9本
        • ジャニオタ腐女子の婚活
          10本
        • 刹那の楽園【完結】
          1本
        • 望郷【完結済】
          8本
        • 腐女子が仁亀・KAT-TUNにハマった訳
          11本

        記事

          2008年のKAT-TUNと仁亀とピアノと私①

          懐古話しばかりで申し訳ありませんが 【腐女子が仁亀KAT-TUNにハマった訳】では省略した、2008年について語りたくなったので書いていきたいと思います。 ちなみにここでは彼らのことも勿論書きますが、私のピアノ講師していた頃の思い出と、今の思いなどの比重が高くなるかと思いますので、興味ない方は回れ右でお願い致します。 さて、ファンではない人々から見た昔のKAT-TUNイメージといえば、おそらくメンバー全員ギスギスして仲悪いとか 特に仁亀は、凄く不仲でバチバチしてる印象を持

          2008年のKAT-TUNと仁亀とピアノと私①

          【第三章】第四十七話

           あの日から毎日のように夢に見る。亡八に連れて行かれ消えて行くお凛の背中。必死に追いかけ転んだ先に、今度は海が現れる。 『海!』  ようやく自分に会いにきてくれたのだとたまらず大声で叫ぶも、海は梅には目もくれず、見知らぬ女性と仲睦まじく歩き去って行ってしまった。悲しみに打ちひしがれ泣いている梅の頭上から、不意に懐かしい声で名前を呼ばれる。 『梅?』  目の前にいたのは、女衒に売られた日から一度も会えていない母の姿。幼い頃の記憶と変わらぬ優しい笑顔を浮かべ、母は梅の近く

          【第三章】第四十七話

          第四十六話

           その日、お凛の住み替えはひっそりと行われた。お凛を見送る事は、誰一人として許されず、迎えにやってきた見知らぬ男に連れられ、お凛は幼い頃から暮らしてきた玉楼を去っていく。  『おまえは特別に、中見世の松葉屋へ住み替えることになった。おまえが玉楼に与えた損害を考えたら破格の扱いだ』  松葉屋へ向かう道すがら、お凛は源一郎の言葉を思い出し皮肉な笑みを浮かべる。幼い頃から恩着せがましく言われてきた特別という名の足枷は、お凛を雁字搦めにする呪いだった。切見世だろうと松葉屋だろうと

          第四十五話(*性表現、暴力表現がありますのでご注意下さい)

           暗く殺伐とした折檻部屋を、男女の睦み合う息遣いが、淫靡な空間に染めていく。 「…すまない、すぐに助けてやればよかった…」 「クッ…あっ…」  伊蔵の獣のような欲望を目の当たりにした時、お凛は、乱暴に犯されることを覚悟した。しかし伊蔵は、折檻で痣だらけになった身体を、まるで壊れ物でも扱うように優しく愛撫し、お凛も気づけば切なげに声を上げていた。  伊蔵のまらが、いよいよそこに当てがわられ、ゆっくりとお凛の中へと入ってくる。姉女郎達に、初めては相当痛いと聞いていたが、息もつ

          第四十五話(*性表現、暴力表現がありますのでご注意下さい)

          第四十四話

          「は?何を言ってるんだい?」  源一郎が目覚めたと聞き、喜び勇んで駆けつけたお吉の顔が、怒りを湛えた般若に変わる。その圧に与しそうになる自分を奮い立たせ、源一郎はお吉を真っ直ぐ見たまま言った。 「だから、お凛を松葉屋に住み替えさせると言ってるんだ」 「なに生ぬるいこと言ってるんだい!あれは千歳屋様を殴って逃げだしたばかりか、楼主であるあんたに怪我させたんだよ!中見世に住み替えなんて罰にもなりゃしない!他の遊女達に示しがつかないだろう!」 「罰は折檻で十分受けただろう。それ

          第四十三話【*性表現と暴力表現があるのでご注意ください】

           もう、どれくらい時間が経ったのだろう?  折檻部屋に入るやいなや、乱暴に両手足を後手に縛られ、猿轡を無理やり噛まされ、梁に吊るし上げられたお凛は、溺れる程の井戸水を際限なくぶっかけられた。季節柄その冷たさは耐えられないものではなかったが、緊く巻かれた縄が、水と自分の身体の重さでみるみる深く皮膚に食い込んでいき、お吉と男達に竹篦で叩かれるたびに、その激しい痛みと苦痛で気が遠くなっていく。 『あんたは私からしか折檻されたことないから知らないだろうが、あの男達の折檻はそんな生ぬ

          第四十三話【*性表現と暴力表現があるのでご注意ください】

          第四十二話

          「まったく、なんで私があんたみたいなヤブ医者と一緒にいなきゃいけないんだか。もう手当が終わったならとっとと帰ればいいだろ」 「誰がヤブ医者だよ!」 「あんたに決まってるだろ?先代は名医だったが、後継が放蕩息子のあんたじゃ先が思いやられる」 「いつの話してんだ?俺はもう心を入れ替えて立派な医者やってんだよ」 「人間の本性なんてのはどんなに取り繕っても変わりゃしないさ。心入れ替えたんじゃなくて、結局家業継ぐのが一番楽だと気づいて親に泣きついただけだろ?」 「おまえなあ!」  先

          第四十一話

           紫の上客である蔦屋を引手茶屋まで迎えに行き、夜見世とともに玉楼で始まった宴席で、梅は、酒や料理の匂いにいつもの如く吐き気を覚えながらどうにか堪える。新造出しが終わった頃から、海に会えない悲しみも相まってか、身体に纏わりつくような気怠さは常に抜けない。  それでもここ数日は、お凛と開かずの間で久々に腹を割って話せたおかげで心は幾分晴れやかになっていたが、水揚げが行われる今日は、お凛の憂鬱に引き摺られるように、再び気持ちが重くなっていた。 (お凛ちゃん大丈夫かな…) 「梅、お

          第四十話

           今夜は中々客入りがいい。  源一郎は、入り口から大広間まで、玉楼一階全体を見渡せる内所で、お吉と共に遊女や奉公人達の様子を見張る。源一郎が内所に留まり、かつて父の特等席だった火鉢の前に座るのは今日が初めてだ。  父は、一度家出した源一郎を中々許さず、帰ってきてから暫くの間、中郎、二階廻、寝ず番、見世番と、奉公人達がする仕事全てやらされた。  晩年は父も大分源一郎を頼るようになり、番頭を任せられていたが、父が寝たきりになっても、父のいたこの場所に座ることは心情的にできなかっ

          第三十九話(*性表現がありますのでご注意ください)

          「いいかい、あんたはね、玉楼どころか、吉原一だった夕霧や佳乃と並び立つ花魁になる特別な新造なんだ。だからこそ水揚げも、あんたと紫を描いてもらったあの四季の間でできるんだよ。千歳屋様に気に入られたあんたは本当に幸せ者だよ!」 「…」  上機嫌で話し続けるお吉の言葉に不快感を覚えながら、お凛は、このまま大火事でも起きて水揚げなどできなくなればいいと願う。しかし当然、そんな事態は訪れず、お凛はあっという間に四季の間に辿り着いてしまった。  分かっていたこととはいえ、毅尚に絵を習っ

          第三十九話(*性表現がありますのでご注意ください)

          第三十八話

           今朝未明、楼主として数多くの女を目利きし、花魁に育てあげてきた父虎吉が亡くなった。享年65歳。今年に入ってからは特に健康状態が悪く、ずっと覚悟はしていたものの、死はあまりにも呆気なく唐突に訪れ、源一郎は悪い夢でも見ているような感覚に囚われる。 「まったく、何も花里の水揚げの日に死ななくてもいいのに、縁起が悪いったら」  長年連れ添った夫が亡くなったというのに、いい迷惑だとでも言いたげなお吉の言葉に、源一郎は不快感を覚えた。随分年齢の離れた夫婦だったが、今や夫の老衰をいい

          第三十七話

          (もう時間がない、はやく!はやくしないと…)  源一郎と話し終え、襖を閉めて廊下へ出た途端、お凛は周りに注意を払いながら足早に開かずの間へ向かう。いつ行動を起こすか、ずっと機会を伺っていたがもう迷っている猶予はない。お凛は今すぐ、あの短刀で命を断つと決めたのだ。  幸い誰にも会うことなく開かずの間にたどり着いたお凛は、急いで中へ入りこむと、引戸に耳を当て、外から誰の足音も聞こえてこないことを確認する。全速力で走ったわけでもないのに心臓は早まり、呼吸は自然と荒くなっていく。