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望郷【完結済】

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望郷は、YouTubeでマツコさん達、所謂オカマタレントと言われる方々の番組を見て思いついたオリジナルBL小説です。会話のみですが、性表現初っ端からありなのでお気をつけください。…
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オリジナルBL小説「望郷」人物紹介

オリジナルBL小説「望郷」人物紹介

この「望郷」は、ユーチューブで、マツコさんを始め、いわゆるオカマタレトと言われる方々が出演していたトーク番組を見ていた時に思いついたお話です。

性表現初っ端からありなので(自分は経験ほとんどないくせにBL読みまくっていたので頭の中だけは豊富なタイプ)お気をつけください。

登場人物紹介だけ載せておきます。

【人物紹介】
松原慎司(芸名ミサ姉)
32歳 女装バーのママ 
昔、美しすぎるオネエと持

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「望郷」第一話

「望郷」第一話

 窓の外では、昨夜から降り出した雨が、明け方になっても暗い闇夜の雲を伝い、いまだ静かに落ちつづけている。
 桐島が帰り、一人シャワーを終えた俺は、乱れたベッドを心持ち整え、再び布団の中へ入った。半身を起こしたまま、サイドテーブルに置いたタバコに火をつけ、天井に向かって消えていく煙をぼんやりと眺めていたら、ライン通知の音が小さく響き渡る。灰皿で火を消し携帯に目線を落とすと、液晶画面に60点という数字

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「望郷」第二話

「望郷」第二話

 東京から山形まで、新幹線でおよそ2時間半。そこからさらに電車とバスを乗り継ぎ、ようやく実家に到着するわけだが、東京の便利さに慣れてしまっていた俺は、バスが1日6本しかない田舎の不便さをすっかり忘れていた。一本乗り逃したら、次のバスまで2時間近く待たなくてはならない。
 結構な出費だけどタクシーで行くしかないなと、俺はとりあえず最寄りの(最寄りと言えるほど近いのか謎だが)駅に着いたことを知らせるた

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「望郷」第三話

「望郷」第三話

「おがぢゃんただいま、慎司連れでぎだぞ」
「慎司お帰り!よぐ帰ってぎでくれだね!ほらほら上がりなさい」
 
 到着するなり、母は嬉しそうに俺を出迎え家の中に招き入れる。相変わらずだだっ広い、田舎独特の古く懐かしい家。
 玄関に入って左手には、親戚が集まる時以外襖で仕切られている居間と客間、右手奥には広い台所、その手前には母と父の寝室がある。
 俺と兄の部屋があった二階は、おそらく今は、兄達家族が使

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「望郷」第四話

「望郷」第四話

 今日は朝から快晴。春になっても肌寒い日が多い4月の山形にしては気温も高く暑すぎるくらいだ。車でお寺へ向かう道すがら、ソメイヨシノが咲いているのを見かけ、助手席に座る真由ちゃんと、そのすぐ後ろの後部座席にいる母が、嬉しそうに指差し笑っている。

 そんな平和で長閑な車中、昨日の夜一睡もできなかった俺は、まるで二日酔いの後のように気分が悪かった。それでも、狭い軽自動車の運転席からはみ出てしまっている

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「望郷」第五話

「望郷」第五話

「茂さん大丈夫がすらね」

 実家の居間で、会食用のお弁当を皆で黙々と食べている中、母が心配そうに一人呟く。
 あれから程なくしてやってきた救急車で茂伯父さんは病院に運ばれ、家族として付き添って行った悦っちゃんからの連絡を、俺達は家でおとなしく待っているのだ。とその時、まるでタイミングを見計らったかのように家の電話が鳴り響き、母が即座に受話器を取る。

「はい、ああ悦っちゃん!茂さんどうだった?う

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「望郷」第六話

「望郷」第六話

 隣から聞こえる母と真由ちゃんの話し声を聞きながら、俺は喪服を脱ぎ、ジーパンに白シャツという、いつもの男バージョンの格好に着替える。
 脱いだ喪服を丁寧に畳んで収納カバーで包み込み、家族に東京土産を渡して空になったリュックと一緒にキャリーバックに入れた。ベルトポーチには財布と携帯、PASMOに、新幹線の切符。帰りの用意はあっという間に終わってしまった。 

『貴重品どが大丈夫が?』
『ああ、ベルト

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「望郷」最終話

「望郷」最終話

 新幹線の乗車口の窓から、互いの告白の余韻で恍惚としたまま外の景色を眺めていた俺達は、少しずつ言葉を交わし始める。兄は入場券を買うフリをして、新幹線の乗車券と自由席の切符を買っていたらしい。

「最初がら新幹線乗るつもりだったの?」
「いや、おめの返事聞いだ後決めだ。
自惚れがもすれねんだげんど、慎司無理すてる時の顔すてだがら。発車する直前、おめが手振っておらば見だ時、確信すたんだ」
「何を?」

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