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突然だが、成長できない理由を他人や環境のせいにしていないだろうか?
「あの上司が悪い」「時間がないから無理だ」「そもそも才能がない」――そんな言い訳で自分を守るのは、誰にでもある習慣だ。だが、実は成長を妨げる本当の敵は、外部にいるわけではない。それは、自分の心の中に隠れている二つの障害だ

その名前は「情報のフィルタ」と「モチベーションの罠」。
この二つを知らずに過ごしている限り、どれだけ頑張っても同じ場所を堂々巡りするだけ。まるで必死に回している車輪が、実は泥にはまって空回りしているような感覚。今日からこの罠の正体を暴き、脱出の方法を一緒に探してみよう。


1. 情報のフィルタ――「現実を歪める眼鏡」

まず、情報のフィルタについて話そう。これは、私たちの脳が日常的に行っている情報処理のクセのようなものだ。膨大な情報が日々降り注ぐ中で、全てをそのまま受け取ることはできない。だから脳は勝手に「重要そうなもの」だけをピックアップしている。効率的だと思うだろう?

しかし、問題はこのフィルタが必ずしも正確ではないということだ。例えばこんな経験はないだろうか。
上司から「最近、ちょっとミスが多いよね」と指摘された瞬間、あなたの頭の中はこうなる。

「自分はダメだ」
「もう信頼されていない」
「辞めたほうがいいのかも」

だが、冷静に考えればどうだろう?
上司はただ「ミスが多い」と言っただけで、それ以上の意味はないかもしれない。しかし、情報のフィルタはネガティブな部分だけを強調し、それ以外を捨て去る。これが現実の歪曲だ。

このフィルタが成長を妨げる最大の理由は、必要なフィードバックやチャンスさえも見逃すことにある。ポジティブな意見、建設的なアドバイス、新しい可能性――それらは全て「自分には関係ない」と判断され、視界から消える。


【エピソード】「気づかなかった賞賛」

ある日、同僚の山田さんが会議でプレゼンをした。全体的に良い評価を得ていたのに、会議後の山田さんは浮かない顔。理由を聞くと、「上司から『内容が少し複雑すぎた』と言われて、自信をなくした」と言う。

しかし、他の参加者たちは、こう口を揃えていた。
「山田さん、プレゼンが本当に分かりやすかったよ!」
「資料がすごく整理されてたね!」

彼はこの賞賛をほとんど聞いていなかったのだ。上司からの一言だけに意識を引っ張られ、それ以外のポジティブな情報をフィルタリングしていた。もし彼がそれに気づいていれば、もっと自信を持って前に進めたかもしれない。


2. モチベーションの罠――「間違ったエンジン」

さて、次はモチベーションの話だ。誰もが「やる気さえあれば成長できる」と信じているだろう。だが、ここにも大きな罠が潜んでいる。モチベーションの質によっては、むしろ成長を阻害してしまうのだ。

多くの人が陥りやすいのは「外発的動機付け」に頼りすぎること。たとえば、こういうことだ。

  • お金を稼ぐために仕事を頑張る。

  • 他人に認められるために努力する。

  • 失敗を恐れて勉強する。

これらは決して悪いことではない。だが、外発的なモチベーションは燃料として持続しづらい。褒められなければ動けなくなる。報酬が減ればやる気を失う。結果として、安定した成長には繋がらない。

一方で、成長を促進するモチベーションは「内発的動機付け」。
「もっと知りたい」「面白いからやりたい」――こうした純粋な興味や好奇心は、自分を自然と前進させるエネルギーになる。この質の違いが、成長に大きな影響を与えるのだ。


【エピソード】「勝手に燃え上がる人」

大学時代の友人、鈴木くんを思い出す。彼は一見すると、努力家というより「ただのマイペース男」だった。成績も普通、バイトも適当。だけど、なぜか彼は一部の教授から絶賛されていた。理由は簡単。彼が「自分が好きなこと」に没頭していたからだ。

たとえば、プログラミングの課題。普通の学生なら「単位のために仕方なくやる」と考える。しかし鈴木くんは違った。「こうやったらもっと面白くなるんじゃない?」と、誰に求められるわけでもなく、自分のプログラムを拡張していった。結果として、他の学生より圧倒的にスキルを身につけていた。


【対処法】フィルタを外し、エンジンを調整する

では、これらの障害をどう乗り越えるべきか?
以下の二つのステップを試してみてほしい。


1. 情報のフィルタを意識する

自分がネガティブな情報にだけ目を向けていないか、気づくことが大事だ。そのために次の方法を試そう。

  • ポジティブな事実を書き出す
    毎日の終わりに、その日あった良い出来事を3つ書く習慣をつける。どんなに小さなことでも構わない。「上司に挨拶を返された」「仕事のメールでありがとうと言われた」――ポジティブな情報に目を向けることで、フィルタの偏りを修正する。

  • 他人の意見をそのまま受け止める
    批判されたとき、そこに隠された意味を深読みしない癖をつける。ただし、具体的なアクションが必要なら冷静に対処する。それ以上でも以下でもないと考える。


2. 内発的モチベーションを探る

自分の中にある「好き」や「興味」を意識する。以下のような問いを自分に投げかけてみよう。

  • 「やっていて楽しいことは何か?」

  • 「他人に頼まれなくてもやりたくなることは?」

  • 「子どもの頃、夢中になっていたものは?」

それを今の仕事や生活に取り入れる工夫をするだけで、行動の質が変わる。そして結果的に成長につながる。


終わりに――成長の鍵は自分の手の中に

情報のフィルタを外し、モチベーションの質を変える。それだけで、見える世界が一変する。必要なのは、「自分の心のクセに気づくこと」。成長を妨げているのは外部の環境ではなく、あなた自身の中にあるのだ。

今日から、この二つの罠を打ち破り、自分の成長エンジンを全開にしてみよう。新しい世界が、すぐ目の前で待っている。

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