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忙しい人にこそサウナをオススメする4つの理由

現代社会は経済的に豊かになり、科学技術も高度に発達を遂げました。

日常生活はより便利で快適な生活が実現できるようになり、あらゆるものが進化し発展した世界で私たちは生きています。

しかし、経済的成長も科学技術の発展もあるにも関わらず現代社会は「ストレス社会」ともいわれています。 

「ストレス」は年齢性別問わずあらゆる人に様々な形で存在し、多くの人が「ストレス」に悩まされています。

発展と引き換えに私たちは「競争社会」へと突入し、朝から晩まで働きづめの日々を送る人も少なくなく、「管理社会」でもある昨今においては行動自体が制限され、自宅と職場を往復する生活がスタンダードなライフスタイルとなっています。

仕事に追われるあまり人間関係の構築も疎かになり、疎開になっていくことも珍しくありません。

また、「出る杭は打たれる」という性質が蔓延する現代社会ではSNSの発展により簡単に炎上が起こるようになり「自分らしさ」で自身を傷つけてしまうことも実際に起きており、多くの問題を抱えています。

このストレス社会を生きる「忙しい方達」に対して私は「忙しいからこそサウナに行こう」と提案をさせていただきたいと思い筆を取りました。

忙殺される日々に一瞬でも無になれるサウナこそ現代社会の心の拠り所として機能することでしょう。

①脳の休憩によって「ストレスが緩和」される

サウナ浴は「サウナ⇨水風呂⇨外気浴(休憩)」を1セットとし、それを2回〜3回繰り返す温冷交代浴を指します。

サウナ浴に関しては個人の好みや身体にあった入浴方法があるため「必ず決まった御作法」があるものではありませんが、サウナによる効果を最大限まで発揮したい場合は温冷交代浴になるような工程を組むことをオススメしています。

この記事では「サウナ⇨水風呂⇨外気浴(休憩)」の一連の流れを総称して「サウナ浴」と明記します。(※当記事におけるサウナ用語の各定義は下記に記載)


「日本サウナ学会」の代表理事の加藤容崇医師によるとサウナには以下の効能があると認められています。

■精神的効能
多幸感、スッキリ感、リセット感、発想力の上昇、うつ状態の改善

■身体的効能
睡眠の質の向上、疲労回復、感覚の鋭敏化、代謝アップ、アンチエイジング、血管の弾性力の上昇

&M「サウナの効能と注意点とは? 医師・加藤容崇さんが徹底解説!」より抜粋


サウナにおける効能で「何も考えない時間を強制的に作るので脳の休憩に良い」と加藤先生は述べているが、私も感覚的ではあるが似たような体験をしたことがあります。

サウナと熱の考察|サウナ室には熱さで思惑を蒸発させる力がある」でも述べたとおり、サウナ室内は「あまりにも熱いから余計なことは考える余裕が生まれない」

デジタル機器も持ち込めず、テレビが無いサウナであれば視覚情報も遮断され、熱い温度に包まれた身体は思惑そのものを蒸発させるかのように考える余裕を与えさせてくれないことで「脳が休憩」されている状態は脳の疲労回復に良いといえるそうです。


また、温冷交代浴では自律神経を刺激する効果があり、自律神経が整うことで精神的なストレスが和らぎます。それによって精神面に蓄積されたストレうが緩み、結果的に緊張感の緩和や、ストレス低減へと繋がることも認められており、ストレス社会に生きる私たちにとってサウナは自身のコンディションのチューニングをすることができる場所となります。

忙殺される日々を送っている人こそ、サウナに入ることで疲労回復やストレスからの解放、脳の休息などコンディションの調整を行うことで高いパフォーマンスを維持できるようになることでしょう。


②自律神経が鍛えられることで「健康」になる

「自律神経」と循環器、消化器、呼吸器などの内臓、血管の働きをコントロールし、体内の環境を整える神経のことで、すべての内臓、全身の血管や分泌腺を支配している神経です。

自律神経は意図的にコントロールすることができない神経系であるため、私たちは基本的に内臓や血管を自由に動かすことはできません。

この自律神経が正常に働かずに乱れてしまうと身体に様々な支障をきたし、心身ともに大きく影響を与えます。

自律神経は交感神経(起きている時の神経・緊張している時の神経)と副交感神経(寝ている時の神経・リラックスしている時の神経)があり、それぞれが時と場合に合わせて交互に優位に立ち、器官の動きに影響を与えています。

不規則な生活や精神的・身体的ストレスなどによって自律神経が乱れると交感神経と副交感神経の交代がうまく働かず、不眠症やうつ病などの症状が現れます。

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※参考資料
・ドクターズ・ファイル「自律神経失調症
・宮崎大学医学部地域医療・総合診療医学講座「自律神経の仕組み

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通常、自律神経を自らの意思でコントロールすることができないため、神経のストレッチやトレーニングを行うことはできません。

しかし、温冷交代浴を行うことで強制的に交感神経と副交感神経の交代運動ができるため自律神経を調節することが可能になります。

温冷交代浴とは温かいお湯に浸かる温浴と、冷水を浴びる冷浴を交互に行う入浴方法のことで、前者は交感神経を、後者は副交感神経を刺激するため、交互に入浴を行うことで自律神経を調整できると言われています。

公益社団法人日本サウナ・スパ協会の『サウナ健康読本「サウナブック」』によるとサウナにおける温冷交代浴について以下のように述べています。

サウナに入っていると、次第に皮膚の血管は拡張してきますが、この状態で冷たい水風呂に入ると、皮膚の血管は急激な収縮をします。その結果 として水風呂を出たあとの血管は反射的に以前よりさらに拡がるため、身体がぽ かぽかと暖まってくるのです 。
 サウナと冷水浴の交代浴(変温浴)は、血管の反応を強く起こし自律神経系の訓練に役立つので、神経衰弱や、自律神経の失調により起こる諸症状の改善に効果があるといわれています。交感神経を刺激して、自律神経系の調節能力を高め、身体の緊張を取り戻すなどの効果もあります。
 サウナから出て足にだけ冷水をかける冷水部分浴は、不眠症に効果的です。 しかし、このサウナ後の冷水浴は、血管の反応を強く引き起こしますので、動脈硬化症・高血圧症・高度の糖尿病の人、心臓病の人は思わぬ突発事故を起こしかねませんので避けた方がいいでしょう。
 (ドイツのサウナ研究会の報告より)

【サウナの入り方】より「サウナと冷水浴の交代浴」から抜粋


サウナ浴を行うことで「自律神経」を調整することができるようになるため、交感神経と副交感神経の交代がスムーズになると言われており、日常生活の中のストレスや仕事におけるストレスなど、様々なストレスを緩和することが期待できます。


③血行が良くなることで「疲労回復」する

「血行」とは、身体に血が巡ることを指します。血行が体全体の血の巡りを指すのに対して、「血流」は血液が血管を流れることを指します。

血行は身体全身に酸素や栄素を行き届かせ、老廃物を排出する役割があり、血行不良が起こると肩こりやむくみ、冷え、生理不順、自律神経の乱れといった症状が現れます。

公益社団法人日本サウナ・スパ協会によるとサウナ浴をすると血管が開き、全身の血流が良くなるため、血行がよくなり、筋肉内を循環する血液量が増えることで、汗と共に疲労物質(乳酸)が排出されるので、肩こり、腰痛などの神経感覚的症状が改善されます。

忙しい日々を送っていると身体に起きた不良に関して後回しにしてしまうことが多々あります。例えば同じ姿勢でのデスクワークや運動不足から起こる肩こりは、肩周りの筋肉の緊張と血行の悪化によって引き起こされます。

そんな肩こりもサウナ浴をすることで血管が開き血流の巡りが改善され、血行が改善されることで緩和へと繋がります。

また血行を良くする事で体内に滞っている疲労物質の乳酸が血流に乗って運ばれるため、体内に蓄積されていた疲労の解消が期待できます。


※参考資料
・スポーツジムのルネサンス「血行不良が招く体の不調とは?
顔や体調に出るサインを知ろう

・公益社団法人日本サウナ・スパ協会「サウナならではの身体効果
・薬と健康の情報局「肩こりの原因


④副交感神経が優位に働くことで「睡眠の質」が上がる

現代社会における深刻な社会問題の一つに「生活習慣病」が上げられます。

生活習慣病の要因は複雑で様々な要素が絡み合っていますが、その中の一つに「睡眠」があり、睡眠不足や睡眠障害が社会問題として注目されています。

経済協力開発機構(OECD)の「Gender Date Portal 2019」によると日本人の睡眠時間は欧米諸国と比較しても短いと報告されており、インド、中国、南アフリカを加えた調査でも日本が一番睡眠時間が少ないと報告されています。

睡眠時間が十分に取れない状況下では、良いパフォーマンスは発揮できず生産性は低下してしまいます。

睡眠時間が十分に取れない要因として仕事時間の長さ、通勤時間の長さ、デジタルデバイスに触れている時間の増加による物理的な要因と、ストレスや自律神経の乱れなどから起こる睡眠障害などが上げられます。

この睡眠に関する問題にもサウナは有効的であると認められています。

日本サウナ学会代表理事の加藤先生はサウナによる睡眠への効果に対する実験に対して75%の人に睡眠の改善が得られるという研究結果を報告しております。

著書「医者が教えるサウナの教科書」より睡眠不足に関する問題の改善方法としてサウナを勧めており、サウナに入る事で睡眠の質が向上すると説明しています。

睡眠は体の中心部の温度が下がり、末梢の温度が上がる時に眠りやすくなるといわれています。サウナ浴を行う事で副交感神経が活性化し、末梢血管が拡張する事で血行の巡りはよくなり、末梢が温かくなります。

そのためサウナあがりは眠りやすい状態となり、更に副交感神経の活性により深いリラックス状態に入りやすいため質の高い睡眠が期待できます。

短時間で深い睡眠を得られるようになり、短い睡眠時間でも日中に眠くなることや、寝不足による集中力の低下が改善が可能です。

睡眠の質改善が起こる医学的なメカニズムは解明されていませんが、著者である加藤先生は「脳が勘違いするから」ではないかと仮説を立てています。

サウナや水風呂に入ると、汗を大量にかいたり、毛穴が引き締められたりすることで、体温調節がめまぐるしく行われます。そして外気浴で一息ついたと思ったら、2セット目に突入。これはまるで、猛ダッシュ→アイシング→インターバルという、過酷なシャトルランのようです。

もちろん、実際に筋肉を使うわけではないので疲労物質は溜まりませんが、脳が勘違いするのかもしれません。「この肉体は、ものすごく疲れた」と。 判断する中枢に誤解させるだけの肉体的事実が、サウナに入ることで積み重ねられていく。だから、サウナに入ると、体を休めなさいというシグナルが出て、たっぷり運動した時のように熟睡できるのではないでしょうか。

DIAMOND online「【サウナの科学】最新研究で判明!サウナに入ると75%が睡眠の改善を実感 加藤容崇:慶應義塾大学医学部特任助教・日本サウナ学会代表理事」より抜粋


私自身も「サウナにハマって圧倒的に向上した「睡眠の質」」で述べたように、サウナに入るようになってから睡眠の質が改善されたことを身をもって体験しており、目覚めの良さ、深い睡眠、寝付きの良さが改善されたことを実感しています。


参考資料
nippon.com「Shut-Eye Deficit: OECD Survey Reveals Japan Most Lacking in Sleep
DIAMOND online「【サウナの科学】最新研究で判明!サウナに入ると75%が睡眠の改善を実感 加藤容崇:慶應義塾大学医学部特任助教・日本サウナ学会代表理事
加藤容崇 著書 「医者が教えるサウナの教科書

まとめ:そうだ、サウナに行こう

忙しいからこそ私はサウナへ行く価値があると思っています。

サウナに入る事で得られる様々な効果は日常生活に彩りを与え、ポジティブな気持ちへとシフトすることができます。

サウナは肉体的なコンディションを整えてくれるだけでなく、精神的な部分も調律をしてくれます。サウナ愛好家がよく使う「ととのう」という言葉は「整う・調う・斉う」の意味を持ちます。

濡れ頭巾ちゃんいわく、サウナのあとの穏やかな心地よさを表そうと思った時に自然と出てきた言葉。「脈拍が斉う」「精神のバランスが調う」「準備が整う」などの"ととのう"の総称がサウナーに広まった。

【東京ウォーカー】今話題!生みの親に聞いた。サウナで“ととのう”って?より抜粋


また、サウナには単に入浴をするだけ意外にも様々な楽しみ方があり、多くの複雑な要素と絡み合い高いエンターテイメント性も兼ね揃えています。

まだサウナを体験したことがない方は、是非とも最寄りのサウナ施設へ足を運んでみてください。

そして「サウナ室へ入る⇨水風呂に浸かる⇨休憩する」のプロセスを数セット繰り返してみてください。

今まで経験したことがない高揚感と多幸感に包まれることと思います。

そして、サウナの魅力に気づいたなら、ぜひ貴方にあった理想のサウナを探してみてください。


当記事におけるサウナ用語の定義

サウナ浴
:サウナ⇨水風呂⇨外気浴(休憩)を1セットとした温冷交代浴を本記事では「サウナ浴」と定義する。

サウナ:乾式、湿式と種類があり、一般的には90度以上の高温で湿度は10%付近の低湿である「高温低湿」の乾式サウナ(ドライサウナ)を指すことが多い(当記事ではドライサウナを前提に記載をする)

水風呂:本記事では20度以下の水温の風呂を指す。18℃〜16℃の温度帯であることが多い。(水風呂の温度帯には明確な定義はない)

外気浴:椅子などに腰を掛け外気を浴びる休憩を「外気浴」と当記事では定義する。要するに「休憩」のことで、必ずしも外の風を浴びなければいけないわけではない。当記事では「外気」をサウナ室及び浴槽内以外の空間とし記述する。

※当記事では入浴時間に関しては明確に記載をしない



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