市川崑監督「映画女優(1987年製作の映画)」を鑑賞する。評判悪いけど、私は面白かった。日本映画史を勉強してるからかもしれませんが。
自分がこの映画を初めて観たのは1991年1月3日であったが、その頃は田中絹代の映画も溝口健二監督作品も超有名な作品を何本か観ていた程度であり、この映画『映画女優』の本当の良さが判らなかった。当時(初見時)の自分の未熟さを痛感させられる。
あれから時間が経って、溝口健二監督作品もだいぶ観て、田中絹代の出演作もわりと観たつもり。
田中絹代の大部屋時代から幹部女優へ、そして終盤の溝内健二監督(実際は溝口健二監督)とのバトルのような撮影所シーンにつながるが、途中で映画史的に挿入される日本映画・外国映画の傑作の数々も観ていて楽しい。
やや惜しいのは、『非常線の女』など小津安二郎監督の映画などにも出演している田中絹代を描くには、溝口組のエピソードに重きが置かれ過ぎていた感はある。
ただ、脚本に溝口監督の弟子ともいえる新藤兼人が入っているので、溝口エピソードに偏るのは已む無しか…。
物凄く見応えのある市川崑監督作品であった。
最近物故された渡辺徹の清水宏は本当にエロい「ロリコン親父」。タチが悪いんですよ。
同じ時期の絹代に好意を寄せていた五所平之助(中井貴一)はとても良い人。こういう人と結婚したい、と男のワタシで思った。
市川崑本人が登場しなかったのが、ちょっと残念である。ちょっと名前を変えて「市川ポン」とかにしてね。
あと、市川崑監督「鹿鳴館」が観たいのですが、権利関係で、なかなか観ることができませんねえ。。。
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