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老若男女、全員集合!博多の三大祭り 博多ぶらぶら第2回目

ようこそ、福岡へ。

本日の博多ぶらぶらの目的地はお祭り会場となります。

福岡で毎年執り行われる盛況なお祭り、その中で特に世界に推していくべき代表的なお祭りがあります。そちらを博多の三大祭りとそう呼びます。

博多の三大祭りとは「博多どんたく港まつり」「博多祇園山笠」「筥崎宮放生会」のことであり、いずれも歴史古く、地域に根付いた博多の祭りを象徴するものでございます。
ぜひお祭りに参加した体でこれからを読み進めていただければ幸いです。

博多どんたく港まつり

博多の三大祭りであり、日本三大港まつりの一つにも数えられる「博多どんたく港まつり」そのルーツは古く、今より840年前の「博多松囃子」がその由来であると言い伝えられています。
このご時世で一時中止されていましたが、今年その規模を縮小して3年ぶりに開催されました。

博多松囃子の出発地点、櫛田神社。地元の人々は「お櫛田さん」と親しみを込めてそう呼びます

どんたく開催においては明治通りの一部(今年は博多駅前通りも)数キロにも及ぶ交通規制が行われます。その規制のやりかたは実に豪胆なもので、公道の規制のはじめと最後は福岡県警の方々がパトカーやシロバイを縦横無尽に停車させて封鎖するという力技です。
はじめてその光景を見たときには顎が外れるかと思いました。

そしてたくさん止まっているそのパトカーやシロバイに子供たちが近づくと、傍の隊員たちはその子たちを大切そうに抱えてバイクに乗せてあげたり、パトカーの中へと誘導してあげるのです。
そしてあまつさえ記念撮影のおまけつきです。(※例年であれば)

「っぱ、博多の男のこの心意気よ」
その光景に誇らしさを感じる私は我がことのように威風堂々とした風が心の中に吹くのでした。

そして普段は所狭しと車が連なっている筈の道路上を、どこ吹く風でどんたくの祭囃子がゆっくりゆっくり進んでいくのです。
その様はいかにも博多の伸びやかな人々の気質を感じさせるものです。

目をパレードの進む両脇のその歩道に目をやれば、所狭しと屋台が軒を連ね、もとよりお店を営んでいる場所ではその軒先にまで品物を押し出し並べての特売セールがいたるところで開催されるというのが通例です。

その脇の路肩には200万人を超えるともいわれる人々が行き交い、ある人々はレジャーシートなどを引いてその足を我が家のようにくつろげて通り過ぎる祭囃子をみて楽しむのです。祭りの参加者が各々の楽しみ方で限られた時間を共有する、どんたくとは本当に素晴らしい祭りです。

東京ディズニーリゾートのパレードを思い浮かべていただければ、どんたくがどのようなものであるかはイメージしやすいと思います。

これは余談ですが、私がはじめてどんたくを見に出かけた際、その年は「東京ディズニーシー」開園15周年の年であり、ディズニーパレードがどんたくに4年ぶりに参加した年でもありました。
私にとってのはじめてのどんたくということで何もわからないままにパレードのスタートライン付近で待っていると、突然ものすごい歓声が上がりました、パレードのコースにディズニーのパレードカーが現れたためです。

やがてパレードカーの中からミッキーをはじめとするディズニーキャラクターたちが次々と飛び出してきました。その瞬間、普段は何気ないハズの沿道、街の一角が一瞬でディズニーリゾートの中にいるような感覚となり、見ている人々の心が一つとなったような気がしたのです。

私がこの時のどんたくで最も印象的であったのは、その帰り道でのことでした。これは本当に偶然だったのですが、帰るための帰路を急いでいた際、ミッキーたちを乗せた車が公道を普通に帰っているのを偶然見かけました。

当然そのパレードカーは沿道を行き交う人々から物凄い勢いで手を振られます(苦笑
しかしその時のドライバーさんは、そのすべてに笑顔で手を振り続けていたのです。これには本当に感動しました。

博多祇園山笠

博多の三大祭りであり、日本三大祇園祭でもある「博多祇園山笠」

博多祇園山笠は毎年7月1日から15日にかけて行われ、最終日のクライマックスには7台の山笠が早朝の博多の街中を走り回る追い山が行われます。

一部の場所では一年を通して飾り山を見ることができます、こちらは櫛田神社にて

博多祇園山笠ではお神輿のことを山笠(ヤマ)といいます。山笠の総重量は1トン余りであり、同じ舁き手によって舁き続けることは不可能なため、褌姿の男衆数十人がかわるがわる交代で舁きすすめていきます。

その目まぐるしい様が、より一層追い山の勇壮さを引き立てます。
毎年最終日(7月15日)に行われる、追い山のコースは御清道となり、約5キロに渡る公道(ご清道)が早朝とはいえ交通規制されます(苦笑)

追山のゴール地点の廻り止め

博多祇園山笠の最盛期には、現在の飾り山(10メートル)よりも一回り大きな山笠(15メートル以上)を街中で舁き比べていたというのですから本当に凄いです。

平成二十八年、日本全国33件の祭の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

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ここで少し時代を遡りたいと思います。

ここからは私的に聞きかじった内容となり、信憑性などはお気になさらずに読みすすめていただければと思います。

時の頃は安土桃山時代末、人類でも類のないほどの大出世を遂げた太閤秀吉がついに九州平定のため威風堂々とやってまいりました。

その後九州を平定した秀吉公の命により、鎌倉期から長く続いた戦乱によって衰退していた博多の町は、少しづつ復興してゆくこととなりました。

これがのちに伝わる「太閤町割り(博多町割り)」です。

これより凄まじい速度で町は息を吹き返したに違いありません、そして日本古来より商人の町であった博多の商人たちがこの商機を逃すはずがありません。

そのはじめの第一歩として、長く衰退していた町の祭りを復活させることを考えます。

その幾つかの案の代表的なものが、当時から博多の筆頭の祭りであったであろう山笠の山の高さを長らく疲弊した経済状況から低くせざるをえなかったのを従来の高さへと戻すというものでした。

山笠の高さはその最盛期には15メートルほどであったと伝わっており、山の高さが商業の繁栄の象徴的なものでもあったためこれからの復興のこともかんがみ、お山の高さを戻すことを考えたのです。

ただし当時の町の衆の中より、太閤殿下の機嫌を損ねるようなことはないだろうかとの心配の声が密かに上がったのです。なにせあのような気性の殿下のこと、何にヘソを曲げるのか皆目見当もつかなかったからです。

やがてその声は、その時代誰よりも耳の早かった秀吉公の耳に届き、その声を気の毒に思った秀吉公は、石田三成から当時博多の街の復興の総責任者であった黒田官兵衛へと下知されます。

「祭りごとは大いにやらねば」

これより太閤のお墨付きとなった山笠、山の高さは最盛期の高さ付近まで戻された(現在は10メートル程)といいます。その後も博多の街と人々は様々な困難の中でも極力協力してこれを守りこの話を語り継ぎました。

現在の未曾有のパンデミックにあって、2020年度は祭りの大部分が中止となってしまいましたが、2021年度には飾り山については例年通り(一部を除く)でした。
※(そもそも通説では山笠は疫病退散のお祭りです)

舁き山については2020年、2021年共に見送られていましたが、今年からこちらも復活する予定です、来月からはその準備で街は忙しくなるでしょう。

山笠は飾り山と舁き山と子供山笠と合わせて20台以上となる

元寇の名残が至る所に残る街と放生会

博多の三大祭りに数えられる筥崎宮放生会は、日本三大八幡宮である筥崎八幡宮で毎年秋に開催される千年以上続く大変重要な神事です。

放生会期間中、平時であれば100万人が訪れ、ご参道では500件の露店が出迎えてくれます。

筥崎八幡宮 本殿・拝殿前の楼門

くれぐれもすべての露店を回ろうと思わないでください(苦笑)
いつまでたっても本宮へのご参拝ができずにいたずらに時を過ごすこととなります。
放生会における露店巡りのコツは、メインのご参道の片側を見てゆき、お参り帰りにもう片側を見ながら小腹を満たしながら帰るのがおすすめです。

毎年放生会が執り行われている筥崎八幡宮のその歴史は千年以上を数え、元寇の折には戦禍をその身に受けた所縁の地としても有名です。

各地に残された蒙古軍船の碇石の一部

また宮内には元寇襲来の折、地中から湧き出て国難を伝えたというかの有名な湧き出石に触ることができます。

2022年5月現在はちょっとしか湧き出ていないので大丈夫です!

元寇に際し、「我が身を以て国難にかわらん」と敵国降伏の祈願をして下さった亀山上皇のお話や神風の言い伝えは大変有名ですが、元寇襲来の際に勇敢に戦った当時の九州の武将の話にもふれた記載のある立て札にはいくつも重要なことが書かれています。

元寇についてのとても重要な案内版

いかような事情で、元・高麗連合軍が退却したのかはともかくとして、命を懸けて国を守って下さったご先祖様への感謝の念を絶やすことなく言い伝えてゆきたいと願うものです。

東公園の亀山上皇の像は今も街を見守ってくださっています

あとがき

以上が私の暮らす街、博多ぶらぶら第二弾でした。
今回は主に博多のお祭りについてでした。

元気な気風を街の代表的なお祭りの熱意から感じていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

その他の博多ぶらぶらは以下となります、惹かれたら是非ご覧ください。

著者プロフィール

私、那須ノの簡単な自己紹介となります。
惹かれたら是非ご覧ください。

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なすの
いつも本当にありがとう。 これからも書くね。