愛や哀しみ、つながりを示すもの
風の色合いを思い浮かべると、
毎年花粉の時期に訪れる黄色の濃淡が目に浮かぶ。
2月になると森を囲むようにその色が帯となり、
自然がわたし達に警告を発しているかのようだ。
天気予報を見れば、眼球は刺すような痛みが募り、
「ゴールデンウィークまで続くのか」
不安がよぎる。
今では一年中、花粉症に取り憑かれ、
風が吹くたびに気管支へ色合いを感じる。
強風が吹く日、
雨が同じ方向へ流れる様子を眺めるのは、
子どもの頃から好きだった。
戸籍上、2歳だった。
叔母が膵臓がんで亡く