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珠玉集

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心の琴線が震えた記事
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2024年5月の記事一覧

湘南の農家に生まれて:92歳じいちゃんのこぼれ話

じいちゃんは今日も元気だ。 じいちゃんとは義父のことで、わたしが嫁に来て以来41年間いっしょに暮らしている。 今年93歳になる。 このトシになっても、じいちゃんは野菜作りがいちばんの趣味だ。元気だからこそ出来ることなので、結構なことだと周囲は見守っている。 本人は、それを趣味道楽だとは決して思っていないようだ。しかし、誰が見ても趣味の範囲の庭先菜園で、採れる野菜も家族3人で食べて少しよそに分けるくらい。 では何故、じいちゃんが趣味ではなくすこぶる本気なのかというと、その昔

【ばあちゃんと僕と金ちゃんヌードル】

僕が小学2年生の時だった。父親の両親、つまり僕にとってじいちゃんとばあちゃんと同居することになった。 当時中学生だった姉はばあちゃんたちに甘えることは少なかったが、もともと二人が大好きだった僕はそれはもうベタベタに甘えさせてもらった。 両親が共働きだったこともあって、学校から帰宅するとすぐにばあちゃんたちの部屋を訪ねてはお菓子をもらったりカップ麺を作ってもらったりしていた。 その頃、僕が1番好きだったカップ麵が金ちゃんヌードルだった。ばあちゃんはいつもたくさんの種類のカップ麵

ここはサブカルショップの殿堂なのか─。今回も、私の行く店オモロイ店♪

乱雑な本屋が好きである。 なにやらお宝がありそうな妄想が膨らむからだ。 でも見ているうちに埃にやられてゴホゴホし、本を触っては手が汚れ、必要以上に疲れて店から退散することだってある。 うへーっ 清潔な店に行きてぇ そんな虚しい思いに苛まれたら、うっぷん晴らしだ。 本や漫画好きの友人にちょっと愚痴ると、こんなことを言われた。 「じゃあ駿河屋の本店に行ってみれば? 価値感が変わるよ」 駿河屋というのは、ラノベから一般小説、漫画、映像や音楽ディスク、ゲームやフィギュア等々を

ピリカ目線~過去記事に埋もれてますが

個性学鑑定をいま進めさせていただいています。受けていただいた皆様、ありがとうございました! たくさんの方たちと、サシでお話するのはとても楽しいですし、毎回発見があります。 その中で、「ピリカさんは創作してないの?」というご質問を受けることが度々ありまして。 そうですよね、グランプリの主催やってるくせに、何も書かないんだから疑問ですよね(笑) というわけで、過去に創作したもののなかで思い出深いものをいくつかあげていきます。 せっかく興味を持ってくださってる方に、過去記事ま

仕事を通じ体調を崩した方へ

 体調を崩したり病気になったあなたは、全然悪くないです。人を病気にしてしまうような環境が悪いです。病気になる方が弱い訳でも、悪い訳でもありません。  そこまで追い詰めた環境が悪いのです。  酸素が足りないような、水や泥の中で動くような雰囲気を作りだしていることが問題です。  負荷をかけられすぎたり、サポートが足りないために病気にさせられてしまったのです。周囲に潰されてしまったのであり、潰れたのではないです。    適正な人員配置をしない人事が悪いです。  適材適所の配置をし

索引のようなもの-濡羽色の小夜篇-

この『物語の欠片-濡羽色の小夜篇-』はカリンとレンを主人公にした、十五番目の物語である。 『鳥の歌篇』以外の私の物語のタイトルには二つ法則がある。 ひとつは多くの方の気がついておられる『⚪︎⚪︎色の〜』という形で色が使われていること。さらに言うとポハク=金あるいは黄、ワイ=水色あるいは青、アヒ=赤あるいはオレンジ、アグィーラ=白や黒などモノトーンに近い色、を、メインの舞台によって採用している。そして間に挟まるアンソロジーは、マカニのイメージで、空色(ワイと少しかぶる)〜緑の辺

その声は聞こえない

突然ですが、親愛なるnoteの同志諸君におたずねします。 あなたは本を読むとき、頭の中で声が聞こえますか? ……。 いえ、声と言っても、神の声が聞こえるとか、エルサを呼ぶイドゥナの声が聞こえるとか、ではありません。 声に出さず黙読しているのに、あたかも音読しているかのような声が頭の中で聞こえる、ということです。 私は…… まったく聞こえません。 断言しますが、聞こえたことは一度もありません。 私よりはるかにたくさんの本を読んでいる友人にきいたところ、やはり「聞こえな

つりがね草と魔女

何だかんだと5月が終わりそうだ。 2024年も折り返し地点なんて思うと、心なしか焦る。 何に対して焦るのかわからないけど、それでも意味なく「ヤバみ~」と心許なく思う自分がいる。 5月の次は間違いなく6月。 6月といえば『水無月』だが、祝日も無い月である。 梅雨の時期でもある。 食中毒が一気に増える季節である。 やだやだ、もームシムシして! 洗濯物がビミョーに乾かないのよね~ お弁当に入れるものも気になるのよねえ ホント、うっとおしい時期よねぇ そんな時期に私は生ま

日本人はパラレルワールドを生きているのではないか

長文ファンの皆さまおはようございます。 私は長い間、一神教と科学はどう折り合いをつけているのか興味を持っていました。ある時に 「神は完全であり、完全である神がデザインしたこの世界は美しい法則で統一されているはずである。物理学は神の言葉を理解する方法だ」 という考えで整理がつく、という話を聞いて大変腑に落ちたことがあります。 世界はある法則で統一されているという考えは、仮に無宗教だったとしても西洋国の思考法の根底にあるように思います。この思考法がプラットフォームを作る発

25歳の君へ

今、君は絶頂の中にいて、私が言うことは何一つ聞こえないと思う。アスリートはそれでいいし、それでこそアスリートだよね。だから今は余計なことは耳に入れないで頂点を目指してなりふり構わず自分を高めていけばいいと思う。 ただ、いつまでも続くと思っている現役生活もいつか終わりが来る。そのいつか来る引退の時、もしもこの言葉が頭の片隅に残っていたら少しは助けになるかなと思って、今日は説教ぽいことを書いてみようと思う。 君が今競技をしている時に感じている興奮は残念だけど引退した後はもうな

注文が多くてすまぬ

昨日は 『宮沢賢治の童話を読む』へ行ってきました この講座は宮沢賢治の生前唯一刊行された童話集 『注文の多い料理店』に収録されているお話を 順を追って講義されます 今回は第3回 待ちに待った『注文の多い料理店』でした 注文の多い料理店 これは子どものとき 何度もなんども読み返しました そして家の裏にある鬱蒼とした森の入口に立っては 「や、や、や、やまねこがここにいる」と 激しくビビりまくり恐れていました (岩手の子どもあるある) それくらい賢治の童話は わたし達のす

しまうまプリントで歌集をつくる

noteに短歌投稿をつづけて丸2年。 その節目に、紙の歌集を作りたい。 そう思い、さりとて自分で印刷会社にデータ入稿するのはとても大変そう。そもそも作り方がよくわからない。 そこで頼ったのがフォトブックサービス。 昨年、フジフイルムのフォトジンサービスで自分で楽しむための歌集を作成したのですが、そのときは 右綴じ 縦書き がいい!と、WordでPDFデータを作り、それをJPEGデータに変換して、と頑張って作成したので大変でした。 今回はその時よりページ数が多いので

行くに決まってるよな空海

 はじめましての人も、  前から知ってる方も、  ごきげんよう。  偏光です。  御詠歌教室の、  先生である御住職と、  生徒たち計5名で、  そりゃ行きますよ。 (文字数:約2500文字)    生誕1250年記念特別展       空海     ー 密教のルーツとマンダラ世界 ー    奈良国立博物館にて    6月9日(土)まで。 単に推し僧侶   しれっと紛れ込んでますけどワタクシ、   実を言うと仏教には帰依してませんの。   単純に空海が人物とし

映画「髪結いの亭主」パトリス・ルコント〜醒めない甘美な夢

主人公のアントワーヌは12歳の頃、豊満でいい匂いのする理髪店の女主人に恋し店に通いつめていた、なかなか早熟な少年であった。 父親に「将来の夢はなんだ?」と聞かれ、「床屋の女の人と結婚すること」と答えたアントワーヌは、ぶん殴られる。 日本でも昔は "髪結いの亭主" といえば、妻の稼ぎをあてにし養われている男を意味し、いわゆる "ヒモ" を指していた。 フランスでも同じなんだろうか、と思った。 この作品を一言で言ってしまうと、"髪結いの女フェチ" である、おじさんの夢物語である