「掌編小説」僕の喪失#2023年のいっぽん
ガタガタ…ズカズカ…
ガタガタ…ズカズカ…
ガタガタ…ズカズカ…
朝から知らない男の人が家の中に三人も入って来た。色んな質問をボクのパパにして、それからパパを三人掛かりで抱き抱えて連れて行っちゃった。
ママは
「〇〇ちゃん、いい子にしててね」
って何度もボクに言ったけど、ボクは襖の陰に隠れて、プルプル震えて座っているしか出来なかったんだ。
バァバもジィジも
「大人しくしてて、本当にいい子ね~」
って言ってくれたけど、ボクはそれがいい子なのか、どうか分からなかったよ。
ママ