シェア
絡みあう茨が隠す 幾重の壁の奥の奥 跳ねる吸気と掠れる呼気 爪割れてなお掻き分ける 剥がれ…
ひとり、という名の無菌室に慣れたわたしの 目、鼻、耳、記憶の欠片が恋しがる だれか、のいる…
少しの躊躇もなく、全身全霊をかけて食いしばる。選択肢などない盲目的な容赦のなさに顎関節の…
時限爆弾が爆発しそうだから海に行きたいのに、あふれた痛みの影が、冷たい地面に突き刺さって…
夕焼けよりも朝焼けに一日の終わりを突きつけられる それは容赦なく始まる新たな今日 深い紫色…
水饅頭になっちゃった 笑いながら袖を捲られた腕を見て、なるほど、と納得してしまう 一日をベ…
貰い手のない愛情をポケットに押し込んでもっともらしく 空を見上げて「久しぶりの晴れ間ですね」なんて片手を挙げる 熱を出した夜ひとり作った氷の数だけ地図に記した 貰い手のない優しさの隠し場所 すき焼きはコンロの前で立ち食い、Lサイズのピザをシェアしない フォークダンスの輪から外れるわたしが透かし見る カーテン係に立候補しそこねた五時間目 黄色いカーテンにくるまってキスする通過儀礼をし損ねた 午後六時のまま、ひりひりと、佇んでいる
冬の冷気 吐く息は白く 水道の蛇口 小さな氷柱が鋭く尖る 沈黙の公園 冷たく錆びたブラン…