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似た人に出会って近づいた、傷口が開いただけだった
最近詠んだ短歌です。
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・「ミラクルが起きたら君は振り返る」ばかな賭けごと性懲りもなく
・好きなだけ笑えばいいよ惨めだと自覚するたび楽になるから
・月明かりに照らされてる君を見て終わりが近いと嫌でもわかった
・「どうせ」って諦めてきた後悔に宿る光が刺さって痛い
・足りないか満たされてすぎているか。答えを知れば退屈になる
・出会い方が違ったら何だって言うの、正しさなんて求めちゃいない
・思い出と劣化する愛、天秤にかけた時点で終わってた
・君と似た人と出会って近づいた。君じゃないから傷口が開く
・どしゃぶりの日にだけ見せる笑顔だけほんとうの君だったと思う
・もう二度と会うことなんてないけれど元気でいてと願う人がいる
・「何にでも意味をつけようとするよね」「だって意味がなきゃ離れてくでしょ?」
・愛してた気が狂いそうになるほどでも偽物だってみんな言う
・今日まで私がこんな面倒な女だったとわからずにいた
・追い越してきたはずの過去なのになぜ置き去りにしてきたみたい
・山積みの課題抱えて飲むワインいつにも増して甘美な味で
・隠してた秘密は明かした瞬間、下品なものになる確実に
・この愛に死角はないと言えば言うそれって愛なの?って君は言う
・歪みから漏れ出す愛と隙間から差し込む光目を凝らして見る
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恋愛に限らず、あの人に似ているからと安易に近づくと、「違う」「やっぱり違った」そうやって傷口を抉ることになるだけ。もうこの世にはいない人や死ぬほど愛した人、意図せず縁が切れてしまった人や話したくても話せない人、そういうの全部結局その人だったからであって、似たものは似たものでしかない。
でも影を追ってしまうこともあるのです、懐かしさってやつはどうもしつこいのです。
失礼な話です、勝手にがっかりされた方はどう思うのでしょう。私を見てよ私は私なのに誰を見ているの、きっとそうやって悲しませてしまうのです。
どちらも傷つくことになるのに、どちらの立場にも立ち何度も繰り返す。最高に人生って感じで最低だけどとてつもなく人間って感じがしませんか。
誰か足りないなってその誰かはあなたでしかないのに。
会いたい人に会えそうだったり、話したくもない人と話さなきゃいけなかったり、忙しない年末年始になりそうですが
何はともあれハッピーでいたいと思うのです。