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アニメ関連記事まとめ

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私が書いたアニメに関する記事をまとめています。
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#アニメ映画

「ダンまち」劇場版を見てると、めっちゃ考えさせられる

今、ちょっと事情があって「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」5期の視聴を中断してるわけだが、 「そうだ、こういう時にこそ、まだ見てなかった『ダンまち』劇場版を見てみよう」 と思いたち、昨夜これを見たんです↓↓ 劇場版「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~オリオンの矢~」(2019年) ・・何これ? めっちゃ傑作じゃん!正直、TVアニメの劇場版というのは期待外れのものが多いし、これもさほど期待してなかったんだが、もう完全に事前の予想を上回っ

私は変態ではないが、アニメの小さいコドモには目がない

ようやく「ドラゴンボールDAIMA」をちゃんと見ました。 あまり世間の評判はよくないみたいだけど、私は嫌いじゃないわ。 あまりにも強くなりすぎた悟空たちに対し、この作品では主役級キャラを皆コドモ化させ、一旦強さのリセットを図ったわけだね。 うむ、これまでずっと止められなかった強さのインフレに、設定で歯止めをかけたということか。 ・・そりゃ、視聴者に評判悪いのも致し方ないかも。 だって、主人公が弱体化したんだから。 でも、こういう形の「原点回帰」は悪くないと思うよ。 故・鳥山

「ストリートファイターⅡ」に見る、杉井ギサブローの信念

私は、日本のアニメの土台を作ったのって、東映アニメーションと虫プロ、この2大勢力だと思うんだよね。 前者から高畑勲や宮崎駿が輩出され、後者からは出崎統や富野由悠季が輩出されている。 他に黎明期の大手としては東京ムービー(現トムスエンタテインメント)というのもあるけど、ここは「あしたのジョー」「エースをねらえ」等の名作は元虫プロの出崎さんによるものだし、看板である「ルパン三世」にしても元東映の大塚康生さんが育てたもので、どことなく「他人のフンドシ」感があるんだよね(笑)。 で

「機動戦士ガンダム」は、まず劇場版3部作を見よう!

先日、「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」を見たんだが、あれはジオン軍サイドから見た一年戦争(UC0079)だったので、今度は地球連邦サイドからの視点を再確認してみたいと思い、昨夜は久しぶりに劇場版「機動戦士ガンダム」1作目のやつを見たのよ。 いやホント、かなり久しぶりで見たんだが、やっぱ劇場版「ガンダム」ってスゲーよな。 令和の今見ても、ちゃんと面白いんだから。 <劇場版「ガンダム」興収>・1作目(1981年)⇒17.6億円 ・2作目(1981年)⇒13.8億円 ・3作

上映禁止を食らった日本アニメ史屈指のカルト作「少女椿」

今回は、アニメ「地下幻燈劇画 少女椿」を取り上げてみたいと思う。 いわゆる「カルト作」というやつだね。 同タイトルで2016年に実写映画化されてるので、そっちの方を見た人は結構いると思うが、1992年に公開されたアニメ版の方を見てる人は少ないんじゃないか、と。 この「少女椿」アニメ版がいまいち注目されない要因は、ただ単純にDVD化されてないことと、サブスクでも配信されてないことに尽きるだろう。 これは自主制作映画で、もともとマイナー作品である。 じゃ、なぜ「カルト作」になっ

渡辺歩の「ドラえもん」5部作、「間」をとることの名人芸

さる9月に大山のぶ代さんが亡くなり、改めて旧作の「ドラえもん」見たいな、と思ってる方も中にはいるだろう。 そんな方に、私がダントツでお薦めしたいのが「渡辺歩監督中編5部作」である。 ・・え~っと、渡辺歩って誰のことだっけ?と言われたら困ってしまうが、こういう人です↓↓ 渡辺歩<代表作> 映画「海獣の子供」 映画「漁港の肉子ちゃん」 映画「ドラえもん のび太の恐竜2006」 TVアニメ「サマータイムレンダ」 TVアニメ「宇宙兄弟」 TVアニメ「恋は雨上がりのように」etc

多分、これが2024年賞レース独占だろう「ルックバック」

今回は、話題の映画「ルックバック」について少し書いてみたいと思う。 凄く評価の高いアニメだよね。 というか、これは原作がもともと神作品らしく、「このマンガがすごい!2022」オトコ編1位に選ばれてるわけで。 全144頁、読み切り全1巻の漫画がここまで高く評価されるのは珍しいことなんじゃないか? 原作者は「チェンソーマン」でおなじみ、藤本タツキ先生。 といっても本作は「チェンソーマン」と全く作風は異なり、どこか地方都市に住むオンナノコの2人がコンビで漫画を描いていく系の物語

知っておくべき古典。萩尾望都のSF、竹宮恵子のSF

今回は、サブカルの「古典」について少し書きたいと思う。 そのての古典の作者といえば、まず普通に考えれば手塚治虫、及びその直系というべき「トキワ荘」メンバーが挙げられる。 だけど、もうひとつ忘れちゃいけないものがある。 それが「大泉サロン」というやつで、この存在は女子ならよく知ってるだろうが、意外と男子は知らないものである。 早い話が、これは少女漫画版「トキワ荘」さ。 そこの主要メンバーが、萩尾望都と竹宮恵子。 萩尾望都(1949年生まれ)<代表作> 「ポーの一族」「トーマの

「ぼのぼの」は哲学アニメだということ知ってますか?

今回は、「ぼのぼの」の話をしようと思う。 思えば、これは不思議なアニメである。 現在もなおTVアニメとして放映中なんだが、これがフジテレビONLYの関東ローカルで(例外として愛知と青森は放送してるらしい)、全国ネットではない。 しかも土曜朝5時台という、どの年齢層がターゲットなのかもよく分からん時間帯。 そのくせ、いまや放送が430回を超えるという長寿シリーズになってるわけで、そう考えると視聴率は悪くない? ・・いや、そもそも土曜朝5時台に求められる視聴率ってどのぐらいが及第

天才・手塚治虫の宗教観「ブッダ」「旧約聖書物語」

今回は、漫画の神様・手塚治虫先生のアニメについて書いてみたい。 「ブラックジャック」「火の鳥」「どろろ」など数々の名作アニメで知られる手塚先生だが、個人的にもっと評価されていいと思うのが映画「ブッダ」である。 ・・いや、厳密にいうと原作漫画の方は先生の代表作のひとつに数えられてるんだよ。 ただ、アニメの方はそうともいえない。 正直、アニメ化のタイミングの問題があったと思う。 これの制作は2011年であり、70年代の手塚作品を何で今さら?という感じがしたんだよね。 それに↑

「BLAME!」これはある意味、ハードSFのバイブル

今回は、アニメ「BLAME!」について書いてみたい。 ・・はい、SFファンの方にはおなじみのタイトルである。 実はこれって、SFとしては世界最高難易度と言われてる超ハード系なんだよね。 おそらくSFファンにとって、「BLAME!」原作者の弐瓶勉は特別に神格化をされた存在だと思う。 今となっては、あの大友克洋先生と同格に等しいところまで来たかも? いまや、そのぐらいのカリスマである。 で、「BLAME!」は、そんな弐瓶先生が漫画家デビューしてまだ間もない頃の作品であり、その

95年版「攻殻」と08年版「攻殻2.0」、何が変わったのか?

最近、「らんま1/2」のリメイク版がスタートしたんだね。 おそらく、これは先の「うる星やつら」リメイクを「成功」と捉えた上での動きだろう。 確かに、「うる星やつら」の出来は想像以上に良かった。 あれを見れば、「現在の最新アニメ技術をもって過去の名作をリニューアルしたい」というモチベが業界に湧くのは当然である。 さて、今回はひとつの名作のリニューアル版について語ってみたいと思う。 それはこの作品、2008年に制作された「GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊」のリニュ

「文学少女」シリーズを再評価しよう!

今回は、アニメ「文学少女」シリーズを取り上げてみたい。 原作は、野村美月著のライトノベル。 これ、出版界業界的には結構な人気シリーズで、2009年「このライトノベルがすごい!」では作品ランキング1位に輝いてる。 この1位は、非常に価値のあることだと思う。 実際、ここでランキング1位になった作品はやがてアニメ化され、神アニメとなるケースも非常に多いんだから。 じゃ、この「文学少女」が1位になった2009年前後の1位作品群を見てみようか。 <「このライトノベルがすごい!」1位作

もし黒澤明がアニメを作ったら、多分こんな感じだよね

映画「この世界の片隅に」は、皆さんもよくご存じだと思う。 片渕須直監督の名を世に知らしめた名作であり、これについては今さら語るまでもあるまい。 この作品は、その資金調達の経緯についても話題になったよね。 それが、クラウドファンディングというやつさ。 広く一般層に投資を呼びかけるというこの特殊なやり方は、製作委員会方式一辺倒だったアニメ界にひとつの風穴を開けたといっていいかと。 2016年「この世界の片隅に」、また2017年「リトルウィッチアカデミア」と立て続けにヒットが出たわ