Yoshiteru Minagawa

”人生後半戦突入、楽しんだもの勝ち” 東京大学大学院AI修士⇒日産自動車⇒富士ゼロックス⇒ 起業 グローバルライフプランナーズ合同会社代表(2018/9~2023/3 株式会社アジラ 取締役CFO)DX支援 ファイナンス支援に従事。 Perfume, HipHop Love.

Yoshiteru Minagawa

”人生後半戦突入、楽しんだもの勝ち” 東京大学大学院AI修士⇒日産自動車⇒富士ゼロックス⇒ 起業 グローバルライフプランナーズ合同会社代表(2018/9~2023/3 株式会社アジラ 取締役CFO)DX支援 ファイナンス支援に従事。 Perfume, HipHop Love.

最近の記事

月次決算は重要(だが好きになれない)

スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 月次決算は経理の重要なルーチンワーク 最近SansanのBill Oneという製品のTVCMをよく目にします。Sansanといえば名刺管理の会社というイメージが強いですが、月次決算領域に拡大してきましたね。CMのテイストは名刺管理のときと似ていてくすっと笑いを誘う感じです。 経理は経営管理の略語ですが、その中でもタイムリーな経営管理のために月次決算は毎月の重要なルーチンワークとなります。ルーチンワークだから簡単に思われ

    • 実際にあった想定外のトラブル対応

      スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 管理部門はトラブルバスター 会社経営においては大きいことから小さいことまでいろいろなトラブルがつきものですが、時にこれは想定外ということが起こります。トラブルへの対応には法的な話も含めてほぼ必ず管理部門が関係することになるのですが、初めて対峙する場合はやり方すら分かってないのでその対応には苦労することになります。ちょっと変わり種ですが紹介したいと思います。 窃盗事件 まさかの泥棒です。 朝一番で出勤したメンバーから出入

      • ISMS取得で面白かったこと3選

        スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ ISMSの必要性 近年情報セキュリティに対する要求が高度化しています。業種にもよりますが、顧客側から受注する際にセキュリティ面での評価を受ける必要がある場合もありますね。スタートアップにおいてもシリーズBくらいになると会社としてのセキュリティ体制を作っていく必要が出てきます。自分がいたスタートアップでもその必要性からISMS認証を取得しました(CFOということで認証取得プロジェクトの事務局長でした)。短期間でいろいろなこ

        • スタートアップCFOをやるメリット5選

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 世界的に増え始めた「元CFO」のCEOたち AMEXのサイトにおもしろい記事が載っていました。 不確実性が高い現代において、彼らが数字をもとに、企業存続のために合理的な判断を下せることが大きな理由にあると海外メディアは報じている、ということの是非はさておき、確かにCFOをやるメリットはあります。ここではスタートアップCFOをやることで得られるものを5つ記します。 1.数字に強くなる これは当たり前といえば当たり前です

          資金調達した後やること

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 調達前より調達後 資金調達ができるまでの準備や交渉、事務手続きなどはとてもたいへんですが、資金調達ができたからといってそれで終わりではありません。その後もVCや銀行とのお付き合いは続いていきます。どんなお付き合いの仕方になるかはそれぞれの会社によって違いますが参考までに一例を挙げてみます。 対VC 資金調達の契約時、VCから取締役会等へのオブザーバー出席の権利が条件として出されることが多いと思います。特にリードVCは

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          NASDAQと東証グロース

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 新興市場向け市場 CFOとして仕事をしていた頃、NASDAQへの上場手続きについての話をうかがう機会がありました。日本とはずいぶん違っていて興味深かったので、日本の新興企業向け市場である東証グロースと比べながら紹介したいと思います。 NASDAQ NASDAQ(ナスダック)とは「National Association of Securities Dealers Automated Quotations」の頭文字を取

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          スタートアップに向く人とは

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 採用は難しい 会社運営の中でも採用は特に難しい問題です。数回の面接でその人の能力を見極めきることは不可能に近くどうしても博打的要素が入ります。特にスタートアップは普通の会社と違う面があるので合う人合わない人がはっきり分かれます。ここではスタートアップ向きな人の特徴をいくつか取り上げます。 スタートアップの日常ですが、以下の動画にあるように危機的状況のなか壊れたクルマを直しながら走らせるようなもので、毎日何かしら問題が起

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          財務諸表を見ずに会社を選ぶなかれ

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 新卒時、財務諸表を知らずに会社を選ぶ CFOを経験することでより詳しくなったのは財務諸表についてです。財務諸表にはお金を通じた会社の状態が示されており、これを見るだけでいろいろなことが分かるものです。 という基本的なことを知らずに私は新卒時に会社選びをしました。 私は新卒で日産自動車に入ったのですが、当時、シーマ、スカイライン、シルビアといった痺れるクルマがたくさん発売されており、お金のことより面白いモノづくりがしたい

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          意外と何とかなる

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ ダメもとでもいいからやってみよう スタートアップは例え資金調達ができたとしても、綱渡り状態が続くことも珍しくありません。そんなとき管理部側も必死に会社のために動こうとしたりします。悪あがきに終わることもありますが、意外と何とかなったりもします。同じようなことで苦しんでいる人もいるかもしれませんが、そんな事例を紹介したいと思います。 大型案件の前払い とある大手企業から単発の大型案件(1千万円超の請負型)が舞い込みました

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          あっという間になくなる1億円

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 1億円の見え方 「億り人」という言葉がありますが、個人にとって1億円はとても大きなお金です。一方、企業活動にとってはどうでしょうか?超ざっくりとですが簡単に試算してみたいと思います。 会社の規模ですが、アーリーステージくらいのAI系スタートアップのイメージ。メンバーは社長含めて役員3名、エンジニア7名、営業兼PM2名、管理1名の計13名と外注2名を想定。 まず月の人件費ですが、役員60万円、エンジニア40万円、営業兼

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          VCから月次決算の早期化を求められる

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 最近面白いなと思って見ているのがラクスのTVコマーシャルです。会社によって経理の立場の強弱はあるかもしれませんが共感を覚える経理の人は多いのではないでしょうか。 月次決算とは 言うまでもないですが会社の運営においてお金の流れを把握することは重要です。通常、月単位でお金の流れを把握するために、前月初から月末までに発生した費用等を会計システムに仕訳データとして入力することを経理担当者が実施します。そして当該1ヶ月分の数字が

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          士業の先生をうまく使いこなす

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 関連法規が多い管理系業務 今日は少しファイナンスの話から外れた話題になります。 管理系の仕事には関連する法規がたくさん存在します。それを統括して対応するのがCFO役割のスタートアップも多いと思います。ただそうは言っても各領域毎に専門性が求められるため、すべてをカバーできるスーパーCFOはまずいないので自ずと士業の先生に頼りながら業務を進めることになります。 主なところでは、 一般的な法律関係、特に契約まわりについては、弁

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          今年IPOした会社の今

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ IPO企業をベンチマークに IPOを念頭にマーケットの状態を観察するのもCFOの仕事です。世の中お盆休みということもあり今回は軽く今年初めから7月末までに新規上場した会社の状況を見てみます。 7月末までに新規上場した会社は52社あります。業種ですが、 サービス15社 情報通信15社 医薬品5社 不動産3社 建設2社 小売2社 その他10社 であり、サービスと情報通信でおよそ6割を占めます。 時価総額で見ると 企業の評

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          資金調達のプレイヤーとお金の流れを図解(基礎編)

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 資金調達のプレイヤーと資金の流れ スタートアップが成功するにはお金の調達と管理が重要になります。 資金調達の種類については以下記事に書きましたが、今回はお金の流れを軸に基本的な関係を図解してみたいと思います。 図1にVCからの資金調達を中心に資金の流れとプレイヤーの関係を簡単に図解しました。以下各プレイヤーについて見ていきます。 ベンチャーキャピタル(VC) ベンチャーキャピタルは、お金の出し手(主に機関投資家)とお

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          ストックオプションの概要と長短所

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ ストックオプションとは ストックオプション(Stock Option)は、従業員や役員に対して自社の株式を一定の決められた価格(権利行使価格)で購入する権利を付与する制度です。スタートアップは事業が成長するに従ってその株価も上昇していき、上場することで株式の売買が自由にできるようになります。上場後に自社の株価が権利行使価格より上回っていれば、ストックオプションの権利を行使して株式を権利行使価格で買って時価で売ることで差分

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          IPO支援者(主幹事証券)のトレンド

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ IPOにおける主幹事証券の役割 スタートアップがIPOを目指そうとした場合、その支援をする重要な登場人物として主幹事証券会社があります。主幹事証券会社の役割はフェーズに応じて以下のようになります。 上場準備から上場申請前まで:上場に向けたアドバイザリー業務 ・上場に向けたスケジュール策定(足元の事業進捗と成長戦略を踏まえてどのタイミングで上場を目指すのがよいかアドバイス) ・内部管理体制の整備に係るアドバイス(内部管理

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