スタートアップに向く人とは
スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ
採用は難しい
会社運営の中でも採用は特に難しい問題です。数回の面接でその人の能力を見極めきることは不可能に近くどうしても博打的要素が入ります。特にスタートアップは普通の会社と違う面があるので合う人合わない人がはっきり分かれます。ここではスタートアップ向きな人の特徴をいくつか取り上げます。
スタートアップの日常ですが、以下の動画にあるように危機的状況のなか壊れたクルマを直しながら走らせるようなもので、毎日何かしら問題が起こってその対応に追われます(以下動画の40s辺りからのイメージ)。したがって臨機応変な素早い対応ができないと辛いです。
スタートアップに向く人
すぐ行動できる
まったく考えず行動することは論外で、ある程度考えることはもちろん必要ですが、考えてもどうにもならないことに悩んでいても何の手がかりも得られません。まさに「下手の考え休むに似たり」です。動けば見える景色があります。すぐに行動することで得られた結果をもとにまた考え直すサイクルを素早く回すのがスタートアップのやり方です。あいまいさの受容力
ある程度の考えがまとまったら動きだすということはその考え(仮説)がぼんやりしていることも多いです。そのような状態であいまいな指示が来ることもあるでしょう。それでも細かい指示などなくても何となくあたりを付けて動ける力が必要です。自発性
スタートアップはあらゆるものが不足しており人材育成プログラムもその一つです。後から入ってきた人でも学習能力が高いとどんどん成果を出して、結果、昇進していきます。必要なものは自ら学んでキャッチアップしていける人でないとどんどん置いてけぼりになってしまいます。
向かない人
指示待ち
あらゆるものが不足するスタートアップにおいてはやるべき仕事はいくらでもあるのですが、いちいち指示をもらわないと動けないのではお荷物になってしまいます。問題意識を持って自ら仕事を見つけて動けない人は向いていません。行動が遅い
スタートアップの一番の強みはとにかくスピードです。行動が遅いとその強みを阻害することになります。会議の議事録はすぐ共有するとか、何か悩んだらすぐ相談するとか、どんな些細なことでもいいですがとにかくスピードは重要です。空気読み過ぎ
特にスタートアップで作られる製品やサービスには不確定要素が多く、社長ですら正解かどうかわからないままに仕事が進みます。そんな状況においてはいかに早く適切な道に進めるか、そのための建設的な議論が重要です。変に空気を読んでおかしいと思ったことを言わないのは会社のためになりません。言葉遣いや態度に関する配慮は必要ですが、遠慮は不要です。
このように書くと、一見スタートアップに向く人は能力が高いようにも見えますが、逆にスタートアップに向く人は既存のルールを守ることを強く要求されるJTC(Japanese Traditional Company)と揶揄される会社や官公庁には向かないと思います。
与えられた役割を果たすのが会社との雇用契約であって、良い悪いという話ではありません。人それぞれ向き不向きがあるので、各人が自分の適性を考慮したうえで収まるべきところに収まるのが個人にとっても会社にとっても幸せな結果になるはずです。
追伸)スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズでは備忘の意味も込めて書き綴っています。各種質問やこんな話題を取り上げてほしい等のリクエストがありましたらご連絡いただければ幸いです。
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