【後編】川で洗濯した笹葉で、つまき(ちまき)こさえる!
6月9日雨。山の集落はひんやり、寒いくらいです。
萱原地区の「つまき作り」は6月9日、旧暦端午の節句の前日に作ります。続編の記録を綴ります。
多賀町萱原(かやはら)のYさん宅に朝9時集合。
前編はこちらから ↓
笹葉の準備
笹の新芽の細く丸まっているところと、小さい葉をハサミで切ります。
「新芽は抜けたら抜いたらええ、ハサミでなるべく短く切るやで」と。
ついつい抜きたくなり、引っ張りますが、スッと抜けるのと、頑張って引いても取れないものがあります。
団子をこねる
つまきを作る1週間前に多賀町川相(かわない)にある上池商店さんに、うるち米2升と餅米3升を混ぜて粉に挽いてもらいます。
材量 (1回でこねる分量)
粉1升(米粉7合と餅粉3合)
塩・・・大さじ3
ぬるま湯・・・適量
つくりかた
① 粉1升と塩大さじ2は、器に入れて、粉の状態で先に混ぜる
② 給湯器からぬるま湯を適当に少しずつ入れて混ぜる。耳たぶよりもかなり柔らかめにこねる
③ 蒸し器に蒸し布を敷く。蒸器にお湯を入れ沸かしておく。
④ 手の平サイズにぺったんこに伸ばして蒸器に入れて10分ほど蒸す
⑤ 蒸しあがったら器にあけて、少し冷ましてこねる。
⑥ 団子をとり、円錐状に丸めて箸をさす。昔は笹の軸でしていたが、子どもが食べた時に口に刺さるので割りばしを使っている
イイ(イグサ)をお湯にくぐらす
①給湯器の一番熱い温度にして、イイにお湯をかける。
②外でしゃくって(振って)湯を切る。
笹で巻く
① 笹を4~5枚表を外にして広げる
② 団子を葉の上に置いて、右から笹葉を、裏向きに右下がりに小さい葉を1枚さす
③笹で包む
④ ②の葉を下におろしてきて洗濯ばさみで止める。
⑤イイを2本手に取る。
*イイの花を葉先に包む方法(Mさんの家に伝わる方法)と、イイの花を葉先の外に出し包む方法(Eさんの家に伝わる方法)があります。
⑥イイで上の葉を二重押さえて巻きながら下に下げてくる
⑦洗濯ばさみの部分をしっかり巻き、巻いたところにイイを挟んでしばる
⑧5本束ねる。ささの葉先を内側に入れる
⑨沸騰したお湯に、5本束をいくつかいれる。鍋の中でひっくり返らないように、上を輪ゴムで止める。
⑩ お湯で10分から15分茹でる。若葉さえ色が変わったらええ。
すえる
ツマキが出来たら、仏さんと神さん棚にすえる(供える)。
「昔からツマキは砂糖つけて食うんや。」
塩味が団子にしっかりついているので、砂糖をつけると甘辛く絶妙な加減に。
お昼ごはんもご馳走に
ツマキ第一弾が茹で上がったら、昼食タイム。お昼ご飯をご馳走になりました。
こぼれ話
餅を作った時のとり粉は、とっておいて、「ぼんがら」をつくる。ユリコ(出荷できないお米を挽いた粉)で「ぼんがら」を作っていた。
ツマキを茹でた汁を旧暦端午の節句の前日にお風呂に入れる。
お風呂にショウブとヨモギも入れる。虫やマムシにさされんのや。
昔は、軒先にショウブとよもぎを吊るしたんよ。
吊るしとくと家ん中に蛇がはいらん。昔は、部屋んなかで、紐かともたら蛇がよう入っとった。
ホントのショウブはにおいがきついし、蛇が嫌いなにおいや。
多賀町河内の「ちまき」作りはこちらから ↓
萱原集落の氏神さん萱原神社へ、お参りしに行きました。