花手毬

自分の中から出て来る言葉を外に出したくなりました。 いろんな世界観を表現出来れば面白い…

花手毬

自分の中から出て来る言葉を外に出したくなりました。 いろんな世界観を表現出来れば面白いな..

最近の記事

爽快毒舌解放あほう説

仕事中に学校から緊急連絡が入った。 内容は子供が歩け無くなった為、直ぐに来校する様にとの事。 仕事を持つ親の子は迎えに来て貰う事を避ける。迎えに来て欲しい時は本当の緊急だと伝わる想いに冷静な万力スイッチを押す。 保健室の扉にノックをしてゆっくりと開ける時は不動の軸を持つ。両目で目を合わせた命の確認に全身の力みを解放する。  「 どう?元気かい?」 足がグルグル巻きの包帯でマッチョになり、首は見事に項垂れている人にかける言葉が我ながらお粗末だと反省しながらも、手取り早い確認方法

    • 歯相に颯爽と挑む歯の健康

      母胎で少しずつ育つ乳歯は奇跡だと思う。 真っ白い歯は食べる事で生きる命を支えてくれる大切な体の一部で、年齢と共にその有り難さを痛感する事が多くなった。 子供の頃に育った地域は新しい時代を準備する住宅地。どちらを見渡しても空き地と家ばかりで病院が無かった。 高熱が出ても、歯が痛くても電車に乗り受診する環境が当たり前だった。受診する時は余程の時で、耐えきれず受診する時は傷みがかなり酷い状態だった事をしっかりと覚えている。 ある日、衝撃的な事を告げられた。  「歯が弱いのは遺伝

      • 誤字の優しい思い出

        手紙を書きますか。 最後に手紙を書いた日は覚えていますか。 誰に何を伝える為に書きましたか。 こんな問いかけをしたらお決まりの返事が返って来る様になった。    覚えて無いな。    今時、書く人少なくないですか。    もう書かないかな。要らないし。    メールあるでしょ。 返事に正解も不正解も無くて、同じ様に思う事もある。 令和6年の最後には切手代が22円も上がり、郵便局には封筒を握り締めて窓口を待つ人よりも、ゆうパックを利用する人が並んでいる。 そんな風景を眺めながら

        • 金木犀の香りとどんぐり

          毎年、楽しみにしている金木犀。 小さな小さな花が寄り添い咲く姿 優しいオレンジ色は元気色 下を見て歩く人には香りを届け 空を仰ぎ肩を落とす人にも香りを風に乗せ 優しく届ける 咲く季節を秋に選んだのは何故だろう 寒い冬が来る前に沢山遊べと誘い はらり はらりと落ちる葉に心が落ちぬ様に と寄り添い 街中を精一杯の香りで包む様に感じる 日々を懸命に生きる者達は奇跡の香りに 包まれて生きている その香りを不愉快に感じる人に冴え何かを 伝える様に香りは揺れている 金木犀の香りを楽

        爽快毒舌解放あほう説

          君の幸せ

          仕事の合間に呼吸する為に窓の外を眺める癖がある。 何十年と眺めていると窓の縁は四季と時代を映す動く絵画の縁の様に感じる。 毎日の人物語は切り取る一瞬の奇跡に思える。 あの日、いつもの様に窓の側で空を眺めていたら 白く細い物が動く気配がゆっくりと目に入った。 白いステッキを頼りに歩く男性だった。 鞄を斜めに掛けて空いた片方の手は何かを握り絞めていた。      目が見えない人なんだ_ 思わず飛び出てしまったものの...何も出来ずにただ見守っていた。 真っ直ぐの道を蛇行せずに

          バッタとバッタリ会った話

          カーラーの花が誤作動咲きですくすくと..いや、 ニョキニョキと伸びて来た。 秋のブライダルシーズンに花嫁様へ小さなプレゼントが出来るか否かも楽しみの一つになっている。 艶々の葉を撫でる様に眺めていると2度見3度見の小さな大騒ぎ...... バッタの赤ちゃんが人目も気にせずにお食事中の姿を発見。視力のピントもズレているはずが、小さな命は鮮明に見える不思議。   もぐ もぐ    むしゃ むしゃ しゃららら ディナーが終わるまで芸術的なリーフの形状を眺めて待つ事にした。 正確なカ

          バッタとバッタリ会った話

          秋色の色いろ

          秋色微風を身にまとい       少し冷んやりした風を喜ぶ それぞれの朝を見送った鳥達が毛繕いをする時間に己れを取り戻す。 秋の始まりはチケットの要らない芸術祭の始まり、遠方の芸術祭に想い巡らせなら目の前のアートに重ね味わう。 緑の葉は移り行く季節を祝う様に最後の時を究極の同系グラデーションで風格を魅せる。 賑わう声の側には黄色のリボンを付け照れ笑いする様に見える木々が優しく揺れ、誘われるままに近寄れば神技とも言える秋化粧の葉。 心ばかりの小森を抜ける時は歩幅な身の丈に合

          秋色の色いろ

          黄色の招待席(春編)

          僕は困った事に生まれ育ったこの街が余り好きでは無い。恵まれた環境で人気の地域に自分のピントが合う事に時間が必要なんだと格好付けているのかも知れない。 何を食べたらそんなに優秀になるんだ?と疑いたくなるクラスメイト達にエネルギーを貰い頑張れる自分も嫌いでは無いが空回りする時もある。 Z世代に妙な固定観念や偏見を持つ大人にも時々疲れてしまう。 制服を来て公園で寛いでいても、世間が注目する朝のニュース番組次第で地域まで過敏な空気になる時もあり、僕は安全ですよっと首からプレートでも下

          黄色の招待席(春編)

          しっぽと焼き芋

          くねくね曲がった細い道 黄色の帽子を被りと黄色の鞄を右からかけ 左から水筒をかけての帰り道 「皆で仲良く帰るのよ」の約束を守り帰る あの道を曲がったらいつも焼いたお芋をくれる おばあちゃんが居てる 門扉はいつも開いていて白い犬が寝転んでいる 初めは怖かったけれど 吠えたりしない子でしっぽをゆっくりと 揺らして待っている 歩いても歩いてもなかなか着かない道 やーだーっと座り込む友達も出て来た あらあら あらと座り込む 塀の上で猫があくびをしながら見ていた 「先に行っちゃう

          しっぽと焼き芋

          セピア色の個展

          子供達が学校を卒業してから絵具のバッグを整理した。必死だったのか、怠け者なのか定かでは無いけれども美しい状態とは程遠いバッグの中身。 青春の足跡を丁寧に見届ける事にしてお下がりの絵具チューブはお猿の空き箱に入れた。     絵でも描きますか_ 絵具の色に目を滑らせながらフォーカスしたのは 黒色。黒色と言えば髪色。 黒い絵具のチューブを手の平に乗せてセピア色の記憶に出かけた.... 中学生の時にレコードジャケット作製の課題があった。まずは図書室で資料探しの時間が与えられる

          セピア色の個展

          産言(うぶげん)とウンチ

          産言。 そんな言葉はこの世には無い。 無いから生んでみた。 遺言があるならば産言があっても良い気がした。 遺言は語る力がある内に残す生きた証と残す愛。 自分が座って居た椅子に一輪の花を置き花に全てを委ねて立ち去るイメージ。 残された者は絆の糸で出来た帯を撫で、立ち上がる時に生まれた言葉達が産声を上げる。 産声を上げた言葉達は泣きながらウンチを出す。 赤ちゃんは泣いてウンチをするのが仕事。 一生懸命に泣く姿は尊く愛らしい。赤ちゃんのウンチは沢山の人の心を試す。 笑顔で、時に

          産言(うぶげん)とウンチ

          カエルの王様が変える

          ここはカエルの王国。 王国に王様と王女様と家来達が平和に暮らしている。  カエルの王様は少し大きな丸い体をしている。 王様は最近あまり虫を召し上がらないから皆は心配して、いろんな虫をせっせと運ぶ毎日。 そんなある日_ 「王様、最近ご飯の時間になると暫く居なくなりますね。大きなお腹になって帰って来られますが         外で何をしているのですか?」 誰よりも虫取りの上手な家来が尋ねてみた。 「バレておったか。 実はの、最近昆虫が口の中に刺さるのじゃよ。 痛くてのう。その

          カエルの王様が変える

          張り合い小競り合いに居合護身刀を休んだ日

          熱風が心地良い風に変わる季節。 スキルアップの本と生き返る清涼感を求めて本屋に駆け込むと、秋帯をした本コーナーに足が止まっていた。   もう秋が来るのか_。 滲んだ額の汗を拭こうとズボンのポケットに手を入れてハンカチを取り出した。  「あの、鎖の様な物がでてますよ。」 白髪の男性の声に腰辺りを見渡し、ポケットから出ている鎖を手の平で手繰り寄せ引いた。     「ありがとうございます。」 軽く頭を下げながら手の平に乗せた懐中時計で時間を確かめた。  「若いのに渋い時計を

          張り合い小競り合いに居合護身刀を休んだ日

          花と鼻と華とお茶時間

           花に聞く 暑くはないか 寒くはないか  花に聞く いつまで咲いていてくれるのか             毎日見ようその姿    鼻が効く 良い香りは欲張りな殆どに拾い  鼻が効く 望まぬ香りに眉ひそめ  鼻が効く 鈍感に憧れた日々もある  華やかに 纏う衣で心が喜ぶ  華やかに 優雅に夢魅せ生きる者は         鼻にも掛けない強さ保ち  花に聞く 今日も元気かい  花に言う 私も元気だよ

          花と鼻と華とお茶時間

          イチジクの便り

          柔らかく繊細な無花果を優しく洗う 無花果の晴れの姿が引き立つお皿を探す 食器棚の中で1番白いお皿に置き 芸術的な色を眺める時間にふと想う 無花果と名付けた人は誰だろう 花も果実も無いなんて少し哀しげな名前だ 柔らかな実は優しい色 控えめな甘さに心がほぐれる 実を繋ぐ茎を持つと無二の音を奏でる鈴のようにも見える 柔らかな実が落ちない様に手を添えながら感じ取る時を鳴らす 一軸と書いてもイチジク 沢山ある果物の中で違う個性を保つ無花果は 優しく時に溶け込み夏の終わりと秋を繋い

          イチジクの便り

          おにぎりに指輪

          「じゃあ、今度のzoomミーティングで。」 微笑みながら頭を下げた瞬間に汗が一滴ポタリと靴に落ちて同時にお腹が鳴った。  そろそろ昼飯にするか .... 東京に来てまだ5年目。掃除面積の少ない部屋も 正方形の小さなガスコンロもすっかりと慣れた。 作った飯を床に置く事は辞めた。 生まれも育ちも都会の俺にとって東京は巨大な存在では無かったが、好んでサラダにかけていたドレッシングの高値に思考停止した。 それは、自分が当たり前に食べさせて貰っていた有難さを教えて貰う瞬間でもあっ

          おにぎりに指輪