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秋色の色いろ

秋色微風を身にまとい
      少し冷んやりした風を喜ぶ
それぞれの朝を見送った鳥達が毛繕いをする時間に己れを取り戻す。

秋の始まりはチケットの要らない芸術祭の始まり、遠方の芸術祭に想い巡らせなら目の前のアートに重ね味わう。
緑の葉は移り行く季節を祝う様に最後の時を究極の同系グラデーションで風格を魅せる。
賑わう声の側には黄色のリボンを付け照れ笑いする様に見える木々が優しく揺れ、誘われるままに近寄れば神技とも言える秋化粧の葉。

心ばかりの小森を抜ける時は歩幅な身の丈に合わせて、ゆっくりと秋の音に耳をすませる。

どんぐりの木が囁きかける
  実が遊び落ちる音を言葉にしてごらんと_

ボソッ ガサッ...似合う言葉は何かと思考散歩。
愛らしい小粒達がコロコロと転がりながら秋を楽しめと誘う。
どんどん くりくり くり返す奇跡の秋に抱かれながら悲しい思い出を秋色に任せて歩く。

いつもの道を曲がったその先から仄かに薫る金木犀の小さな蕾から幸福感を受け取る。
時々、止まらぬ粒が頬を伝うならば此処においでと語りかけてくれる様に。

散歩を楽しむ愛らしいお犬様のよそ見こちら見のつぶらな瞳に挨拶を交わす時、同じ時をそれぞれに過ごす不思議に思考散歩の続きが芽を覚ます。

 移り行く秋を感じる事が出来る幸せ_

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