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ムーブメントの作り方とは? フォロワーシップから見た大きなうねりの作り方
「ムーブメントを作るには2人の役者がいるってことか」
随分前に知った映像を改めて観る機会があり、ムーブメントを作る上で重要なファクターを再認識しました。
マーケッターや仕掛け人と言われる人は、このムーブメントをいかにつくるかに日々苦心しているかと思いますが、ムーブメントを作るのは簡単ではありません。では、どうやって起こせばよいのでしょうか。
リーダーとフォロワーという視点からそのヒントを探ります。
ムーブメントの作り方
ムーブメントとは、運動を意味する英語 movement のカタカナ表記ですね。 日本語で「ムーブメント」というと、世の中にある動きや流れを指します。大きなうねり、ひいてはブームのような大勢がある方向へ向かって動くイメージがあります。
新商品開発や、新規事業開発を生業にしている人は、どうすればムーブメントを起こせるのかを日々仕事の中で追及しているかと思います。
そのヒントとなる映像をご紹介します。デレク・シヴァーズさんの「社会運動はどうやって起こすか」というTEDの動画です。
「一人の変わり者」がムーブメントを起こすまでにかかった時間はたった3分程度。この動画はムーブメントには何が必要なのかをエッセンシャルに教えてくれています。
とあるフェスの会場で一人の男性が踊っています。上半身裸でいかにもバカっぽい、とても奇妙なダンスをしています。このはじめの段階では単なる「一人の変わり者」です。嘲笑されています。
そこに一人のフォロワーが現れ一緒に踊り出します。この最初のフォロワーがこの後とんでもない活躍を見せます。彼は手招きして一緒に踊ろうと仲間に呼びかけます。一人目のリーダーがやっている「奇妙なダンス」を「面白いダンス」と捉えて他の人にその魅力を伝播します。
そして、すぐに三人目が現れる。三人いればひとつの集団です。集団行動が生まれた=つまりはムーブメントが生まれたと言えます。その「楽しそうなグループ」を見て、他の人もどんどん参加していきます。結果的に画面を覆いつくすほどの人が「奇妙なダンス」のとりこになっていきます。その間、たったの3分間。
はじめの「一人の変わり者」はこのムーブメントの中ではリーダーシップを発揮した、いわゆる生みの親です。彼がいなかったら、何も生まれていません。
しかし、このムーブメントを3分間の間に爆発的に増やしたのは、まぎれもなく2人目の彼の仕事です。はじめのフォロワーであり、リーダーの理解者です。単なる「奇妙なダンス」を「踊ると楽しいダンス」に翻訳し、広く伝えることで、リーダーの発明に「価値」を与えたのです。
インフルエンサー(英語: influencer)とは、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと。まさにこの2人目のフォロワーこそがインフルエンサーであり、ムーブメントメーカーです。
フォロワーシップの重要性
先のビデオの教訓を整理すると以下の通りです。
・リーダーはフォロワーがいなければ成り立たない。
・リーダーシップばかりが注目されるが、大きなうねりを作るにはフォロワーシップこそが重要である。
・集団には役割があり、それを全うすることでムーブメントは作れる。
組織においてリーダーは賞賛を受け、常に注目される存在です。しかし実際は、フォロワーがいないとリーダーは何もできません。そして、組織の中で大半の人がフォロワーとして動いています。そう考えると、組織全体のパフォーマンスや生産性はフォロワーシップが鍵を握っているとも言えます。
ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・ケリー教授は「In Praise of Followers」(フォロワーを称賛する)という論文を書いています。その中でこんな一言があります。
効果的なフォロワーとそうでないフォロワーを分けるものは、積極的で、知的かつ自分の判断による、組織の大義への『参加』である
効果的なフォロワーシップを発揮するためには「積極性」「行動力」「内発的モチベーション」「自己判断」「大儀へのコミット」が重要ということです。先のTED動画の2人目の彼は、大義へのコミットは分かりかねますが、それ以外の要素は全て備わっていると言えますね。
こうした思考と行動を持っているフォロワーがいた時、はじめてリーダーシップが効果的に機能し、組織として大きなムーブメントを創り出すことができるのだと思います。
まとめ
組織の中では往々にしてリーダーシップの重要性が取りだたされます。リーダーが組織の大きなビジョンを示し、方向づけて行くのでその役割が大きいのは事実です。一方で、リーダー一人ではムーブメントは起こりません。リーダーには理解者が必要であり、リーダーの考えを分かりやすく咀嚼し、伝える「翻訳者」としてのフォロワーが必要です。
このリーダーシップとフォロワーシップはセットであるように思います。つまり、たとえ自分がリーダーのポジションにいなくても、フォロワーとしてフォロワーシップを発揮することで、組織はより良い方向に動いていく。このフォロワーシップは、ひいてはリーダーシップに大きく寄与するということです。これは言い換えれば、フォロワーでもリーダーシップを高められると言えるのではないかと思います。
良いフォロワーは良いリーダーになるとも言われます。これは、先に触れた良いフォロワーに必要な要素の「大儀へのコミット」に関係しています。つまり、大義を達成するために行動する、という点においてリーダーもフォロワーも、両者の根っこは同じだからです。ゆえに良いフォロワーはリーダーの気持ちが分かる。そんなフォロワーはリーダーシップを発揮できる素地があると言えます。
世の中や社会におけるムーブメントだけでなく、組織の中で大きな動きを創っていく上でも、フォロワーシップは極めて重要な要素です。
ムーブメントを作る「仕組み」を理解し、組織は、自分は、どんな風に立ち回るのがよいのか?そう考えることで、日々の小さな仕事が、世の中に大きなプラスの影響を与えるきっかけになるのかも知れません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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