
なぜうまく切り替えられない? テレワーク下で「間」の価値を考える
「テレワークになって忙しくなり、全く気持ちが休まらない・・・」
そんな声をよく聞きます。私もそんな気持ちになることもあります。テレワークの環境ではオンラインのミーティングを分刻みで入れられ、多い日は10件以上の打ち合わせをする時も。
頭の切り替えが大変で、脳への負担はかなり大きいです。仕事はテレワークなのでカラダは自宅にいる。なのに脳と心は休まらない。こんなジレンマに陥っている人は多いのではないでしょうか。
そこで、心身の切り替えに必要なことについて考えます。
移動は「切り替え」だった
コロナの前の生活では通勤をし、ランチには外出し、打ち合わせではミーティングルーム間を移動したり、電車で訪問したり。こうした「移動」が日々たくさんありました。この移動がある種「気持ちの切り替え」に役立っていたと思います。
一方で、今のテレワークの環境を見ると、この「移動」がまるでありません。家の中で同じ椅子に座ったままで、タスクを切り替えていかなければなりません。これはモードを徐々に切り替えるバッファーがないということです。
通勤がなくなって時間の余裕は生まれました。しかし、失っているものもあります。その失ったものは補わなければ、どこかで破たんします。
3つの「間」
切り替えには「間」が必要です。よく三間と言われるのが「時間」、「空間」、「仲間」。特に時間と空間の「間」をどう確保するかは心身の健康を維持する上でとても大切です。
これまでは通勤時間と通勤電車という時間と空間が、プライベートモードから仕事モードに徐々に切り替える「間」でした。そこをどう補うかを考えなければなりません。
withコロナの時代においてYahooのCSOの安宅和人さんは「新型コロナが社会の “開疎化”を進める」と語ります。これまでの文明は都市型で「密・閉」が主でした。しかしこれからは開疎型でより開放され、疎なスペースに価値が転換すると語っています。
そうなると「密閉」をベースにしたビジネスは開疎型への転換が求められます。
・オフィス
・役所
・電車、バス
・カラオケ
・パチンコ
・レストラン
・飲み屋、クラブ
・劇場
・会議場
こうしたスペースは「開放」、「疎なスペース」への転換が必要となります。この流れはおそらく戻りません。オフィスへの通勤を要請する企業には「コロナブラックな企業」という評価を与えられるようになると予想されます。
2つのモード切替え
在宅勤務のテレワークに話を戻すと、自宅の中には2つのモード切替えがあります。
1.プライベート ⇔ 仕事
2.Be(いる)⇔ Do(する)
この切り替えをする間には「間」のデザインが重要です。まずは「時間」の間が大切です。予定と予定の間に遊びとしての「時間」を計画し、切り替える時間を確保すること。
そして、その切り替えをする場所を持つことが大切です。例えば、切り替えるためにベランダに一回出て深呼吸するなど、「空間」を変えることで、キモチを切り替えることに役立ちます。
そして、「プライベートと仕事」の切り替えとして昨日も触れた「着替える」というのは有効です。仕事モードの服とプライベートモードの服を分けて、意図的に着替えることでスイッチを切り替えます。
こうした「間」をとる工夫で、自分のモードをコントロールしましょう。
まとめ
自宅が仕事もプライベートも行う場所に変わってきている今、改めて自分の心身を健康に維持するためにも動き方を見直す必要があります。そのポイントは「切り替え」。これまで通勤や移動でできていた切り替えを意図的にできるような「間」のデザインが必要です。
切り替えの時間を予定に入れる。切り替えるための場所(空間)を持つことで、キモチに余裕を作り、仕事もプライベートも負担のない時間をすごしましょう。
コロナ前の家は「夫が家にいることが前提」ではなく、「日中に人がいることが前提」でもありませんでした。それが、大きく変化し、家という存在が変わってきています。
その中で活動する私たちも、コロナ前にあって知らず知らず失っていたモノに気付き、調整していく必要があります。
「間」のデザインをし、無理のない日々を送りましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
