見出し画像

適応障害を知る


本日の言葉。

人の悪口を言えば自分も不愉快になる。
嫌な人はどこにでもいます。
見ざる 聞かざる 言わざるが楽。

(美輪明宏)


適応障害とは



日常生活の中で起こった出来事や環境に対してうまく対処できず、心身に様々な症状が現れて社会生活に支障をきたす状態をいいます。

ストレスの原因が明確であることが定義上重要となります。


適応障害の症状


症状はゆううつな気分、不安感、頭痛、不眠など、人によって様々ですが、仕事や学業などを続けたり、対人関係や社会生活を続けることに問題のある状態となります。

これらは一般的には正常な人にも現れる症状ですが、適応障害の場合はそれを超えた過敏な状態となります。


適応障害とうつ病の違い


1  適応障害のほうが症状が軽い


適応障害は、環境変化によるストレスが個人の順応力を越えた時に生じる情緒面および行動面の不調です。
うつ病など他の精神疾患の診断がつくには至っていない状態です。

一方、うつ病は様々な心理的負荷などにより精神活動が低下し、抑うつ気分、興味や関心の欠如、不安・焦燥、精神運動の制止あるいは激越、食欲低下、不眠などが生じ、生活上の著しい苦痛や機能障害を引き起こす精神疾患です。


2  ストレス源を取り除くことで症状が回復


適応障害の場合は自分が辛いと感じる特定の状況や環境から離れると症状が和らぎ、趣味を楽しんだりすることができるようになります。 

一方でうつ病の場合はストレスの原因から離れても抑うつ状態が続きます。


治療および対応


治療にはまず原因となっているストレスを軽減し、心理的に回復させることが必要です。
また、場合によっては薬物療法が必要なこともあります。

現実的な対応は、精神科または心療内科で受診して診断書をもらい、職場に自分の状況を伝え、状況によっては静養や薬物療法をし、元気になったら、職場の部署を変えてもらうなどの環境調整を進めることが挙げられます。


適応障害にならないための予防


予防策の一つとして、
「心のレジリエンス」を持つことが挙げられます。


「レジリエンス(resilience)」とは「復元力」「回復力」「弾力」という意味の言葉で、心理学においては困難やストレスに対して「うまく適応できる能力」「うまく適応していく過程」「適応した結果」を表す言葉です。

レジリエンスを築くことで、様々な困難をしなやかに受け止め、適応し、回復する力になります。アメリカ心理学会は「レジリエンスを築く10の方法」を提唱しています。

1.周囲の人と良好な関係をつくる 
2.危機的な状態を克服できない問題と捉えない
3.変化を生活上での一部分として受け入れる 
4.目標に向かって取り組む
5.決断し行動する 
6.自己発見のための機会を探すこと
7.自信を深める
8.物事について長期的な視点を持って考えること
9.希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する
10.心と体を大事にして、定期的に運動し、自分に必要なことや自分の気持ちに注意を向け、リラックスして楽しめることをする


レジリエンスを高める具体的方法


1つの方法として、
自分の好きな事、自分自身やりがいがあると思うことを自由にやるのが良いと思います。


理由は、自分の好きな事ややりがいがあると思ったことは、少々失敗しても心の傷になりにくいこと、次にまた頑張ろうと意欲を持ちやすいからです。

また、自分の好きなことや得意なことなどができれば、「自己効力感」の向上にもつながります。

自己効力感とは、ある行動をうまく行うことができるという「自信」のことをいいます。

人がある行動への自己効力感を強く感じていると、その行動を行う可能性が高くなり、その行動をするための努力を惜しまず、失敗や困難を伴っても諦めにくいと考えられます。

自己効力感を高める主なポイントとしては、「成功経験」と「代理経験」が挙げられます。


例えば、私の趣味はダンスです。

ダンスが続いている理由は、優雅なダンスを披露する先生や先輩という存在(モデル:「代理経験」)と先輩たちのように自分の好きな曲でダンスを踊れる(「成功体験」)の積み重ねているからです。


参考資料:
厚生労働省ホームページ
恵那市ホームページ
村井俊哉「はじめての精神医学」ちくまプリマ―新書


最後まで読んでいただきありがとうございます。













いいなと思ったら応援しよう!