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梅の受難・果樹の受難【八百屋から見た“食”no.50】

画像:和歌山の梅農家へ梅もぎに行った際の選別作業。まずは目視と手作業で落葉や不稔の実を省き、機械で大きさを選別します。

※まえおき※
【果樹=
樹に実がなるくだもの】とご理解ください。いわゆる“畑”で育つメロン・すいか・いちご・パイナップルは「果実的野菜」に該当します

梅の時期になりました。

が。

「今年は(梅の)実がつかない」の声、そこかしこで聞きます。関東以西ほぼすべての地域で(スレ傷の実と合算しても)収穫量は平年の半分以下。傷のない秀品率はさらに下がります。

↓2024年の不作凶作状況をわかりやすく伝えたニュースがこちら。

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梅だけではありません。
サクランボ・桃・ぶどう・梨・柿・みかん・りんごetc.
今年も今後もなにかしらの“果樹の受難”は確度高く予想されています。
売場に並ばない(直売/通販/現地販売で完結する)未来も近いです。すでに市場出荷が減り、ここ数年品薄となったくだものも。

今年は(というかここ数年)
カメムシの越冬/まん延
開花異常/受粉時期とのミスマッチ
花芽凍結/春の遅霜
ひょう害
猛暑による過熟
集中豪雨/台風による局所的被害
突風による落果/枝折れ/キズ果/生育不良。

果樹ぜーーーんぶ、上記何かしらのアクシデントに見舞われています。
先々ずーーーっと、この不作7点コンボに悩まされる果樹の未来。
収穫できるものもできなくなりつつあります。今まで産地と呼ばれていた地域も(栽培適地から外れ)同じ作り方&品種では栽培継続が難しくなりつつあります。最近見ない聞かない果樹品種の多くは気候上の理由によるもの。

どうなっちゃうんだろうね…と果樹生産者と会話する回数が年々増えている実感です。

野菜とは違い、1年1回の収穫のために1年中管理が必要な果樹。1本の木を30-50年かけて育て、健康を維持し、毎年実をつけています。実の健康・木や葉の健康・圃場の健康。すべてを1年中+長年管理しなければなりません。近年、どれほど丁寧に管理しても気象災害で大きなダメージを受ける地域/生産者がいらっしゃって心が痛いです。

今年の梅が、収穫期を迎えた果樹(≒くだもの)が、どれほど貴重なものか。
生産者皆さんがどれほどの手数をかけたか。日々の管理の賜物か。小売の末端ではありますが理解しているつもりです。
日々の圃場管理・防除管理、本当にありがとうございます。これから来る暑さにもどうか気をつけて。

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補足①今年は少々のキズありでも出荷されている梅。貴重品です。
梅干しでも梅酒でも仕込めば皮のスレキズは縮むため、特に影響はありません。
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補足②不作7点コンボと書きましたが、他にも猿・猪・鹿が実や葉を喰い散らす“獣害”や、“労働者&後継者不足”、農業資材や動力費など“生産コスト増”といった『農業経営共通の課題』も重なり悩みは尽きません。だからこそ買って応援を。
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補足③実際に梅もぎ&出荷を手伝った経験から、粒が大きく揃って傷まないのは、農薬や肥料の有無や是非に小さくこだわるより
◆剪定・雑草防除・施肥etc.の【圃場管理】
◆熟度を見極めた【収穫のタイミング】
◆収穫後に行う【キビシイ選別(目視+大きさ)】
以上3点の賜物だと判りました。つまり誰が育てて選別して出荷したかが大切。

当店の南高梅は生産者直送。ギリギリまで果肉果汁をたくわえて届いた梅。大げさでなく、よい香りが店中に広がります。店で色(熟度)ごとに選別し袋詰めした南高梅がこちらです。※今季は予約制

左は梅ジュース/シロップ/梅酒向き
右は梅干し/ジャム/ペースト向き
右はジュース/梅酒兼用。強く香ります。


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↓過去投稿①
(果実的野菜を含め)くだものを本気で選ぶなら「誰がどう作ったか」にシフトして生産者から直接買いましょう。生産者がわかる売場が確実です。オーガニックかどうかではなく。

↓過去投稿②
いつかのように
今までのように
毎日売場に行けば豊富に生鮮品が揃う日々ではなくなったことを
そろそろ覚えてください。まだまだ序の口。

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■カメムシ
西日本では昨年から顕著な被害が出ていましたが、関東は今年から。
“カメムシ注意報”が発令。大量発生が危惧されています。


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八百屋ノムさん
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