今月の短歌 24年2月1日~2月15日
当たり前のように嘘を吐かないとならない人生もある
今日に限って、という日が続く奇跡はもう僕が明日にいるから
ひっそりと完結させてゆくために沈んでゆくよ、僕だけの青
レメロンという名の豆を少しだけ摂し眠った夢の節分
くよくよと落ち込む癖を治そうと今こうやって歩数数える
流行が終わりを告げて鋭さ失う弱き大衆となる
フィナンシェに厳しい理由 これからも君のケイクを好きでいるため
二度と会えない 三度と来ない 刹那への反省会は土曜でもいい
瞬きの人もの景色スマホ越し 翳した先に何を収めたの?
こぼれてく冬の終わりよ骨を埋め梅桜咲く春が待ってる
生きるだけ もう喋れない 肉体に恥を着せても勇気と会話
燃ゆる意志にサヨナラして今ここで呼吸と時をピタリと止める
西からの高気圧から東へと振り降りる風身を引き締める
余力なら尽き果ててると錯覚す アナタの頬はまだ赤かった
山茶花の見頃咲く頃知らずして明日も生きるよ。楽はしないさ
アナウンサーを眺め健やかな表情 試行錯誤の「サシスセソ」
具のないカレーが好きでしてほら、食に会話と笑顔が溶け込んで
なるほどね紙は燃やして嘘を吐く 虚ろな恋を「綺麗」と呼んで
格付けは終わりましたか?我慢という南京錠を掛けてきました。
ビビビとな 得た情報と憶測で経験値やらがどうのこうの
青色のメメントモリをとこしえの選択肢より紡ぐ一年
ゆるやかに時速落として文字を読む そのチョコレート、病へ溶けて
おいしいと思わず吸い続け僕のガラムは目印となる
醜さがあらわになれば興さまし鏡越しの俺「ざまあみろ」って
理想にも満たない吾の独白は承認欲求への抗い
ヒュプノスが光を奪い夢の間で泣いてた君に魅せた意地悪
歩いたり話をしたりする所作に「あたりまえ」なにひとつ無いこと
届けようって振り返るけどいない がなる愛とスノウドロップ
横たわる外国語辞書 烙印を押された僕も横たわってて