今月の短歌 24年3月1日~3月15日
サヨナラは「会えなかった」が正しくてうっすら期待してた再会
1Kでロビンソン聴く 新生活と切なさ秘めた青魔法
四柱推命では土と出た 公務員に向いていると言われても
不確かな夢の続きに浮かぶ雲 いっぱい叱られてくるんだよ
ハイテンションの三月は月初から人人人の連続で
暦通りに生きる人らが声を上げ昭和は香る 置き土産
特別な春の記憶に咲く花は 長い雨天と骨を拾って
10年前の風景も20年前の恩師も況いて研がれて
夜でいたいよ 緊張と失敗からの開放は無へといざなう
ふらつきを確信させたファクターは毒物ではなく筋肉量
ハロー未来。好きなことをやれるかい、浮かない雲見てやしないかい
少しだけ肩こりがほぐれたみたい この街はやや息苦しくて
ふるさとに便りを送る もう一度あの坂越えて雪になりたい
はじめての春を迎える楡の花視界の先に愛が待ってる
地元の人?とクエスチョン飛ばしてもらう程度には慣れた方言
久しぶりに曇り空を眺めては人工島へ想いを馳せて
どこまでも遠く見据えた強い眼が未来描いた天という箱
サヨナラがまだできてない君と冬の音 もう一度「さようなら」
ステップバイステップ、何合目かな 足の先まで淡い青色
星の球 あなたが僕に夢見せた 地獄の未来に賭けた誇り
確かめなかった合格発表 人混みの中で喜べなくて
シンシアに優しい花が咲きました あの羽帽子、まだ持ってるよ
時代遅れのファッションが窓開けて行ってきますと別れを告げる
春闘に歓送迎会これ仕事 言った呑んだが勝ちになるとは
死の花とソメイヨシノに意味付けてあの人達へ想いを送る
祈るひと揺れたあの日を祈るひとこれからの日を重ねて祈る
激震を体験するも無力さがフラッシュバック 記憶は刹那
十分に明るい深夜 この街の夢追い人に桃の香の風
進む意味 ただ息を吸い吐き出すは未知の世界で竦む足元
雨の日のオゾンふわりと包み込み猫と蜥蜴とにやり戯れあう
魂の軛を離れ陽は注ぐ あなたに会えた八回忌でした
喋ること いつしかダメになりまして 「わたし」を文字へしたためてます
氷河期の白く静かな凍てつきにそっぽを向き亜熱帯と化す
あなたへと感謝伝える「ありがとう」 いちごショートが好きでしたよね
大嫌いだった国語教師から別れのアイサツ やはり嫌いだ
大切なアイデンティティを壊したね歪む価値観だけが残って
「俺は甘えを許さない」 なんだって そんなあなたの軽いサヨナラ
生成りのスニーカー脱いで翠色 水面に触れてカエルが泳ぐ
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