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「やっほーおじさん!」 「おじさんじゃない」 女子高生の制服を着た太陽は、僕の存在を完全…
「え、っとー…」 行き交う人をひたすら眺め、観察するというのは、楽しい、のだろうか? 自…
「あなたは、何なんですか」 泣きすぎて空っぽになった心に浮かんだのは、ただそれだけだった…
ココアの缶を両手で握ったまま茫然としていると、彼は頬杖をついてこちらをまじまじと眺めてい…
「なんだ、また来たのか」 変わらない声に、変わらない姿。 まったく興味がなさそうなその目…
暖かい甘い飲み物とは、これほど心に優しいものなのか。 知らなかった感覚に、怒りも嘆きも、…
「なんだお前、また来たのか」 顔を上げると、昨日と同じ姿をした男が、呆れたような顔で立っていた。 自分でもよくわからず返事をしないまま固まっていると、男は何の断りもなく隣に座ってきた。 そのまま、ふぅ、と煙を吐く。 「好きにするといい」 それだけ言うと、男は組んだ足に頬杖をつき、昨日と同じ姿勢で通行人を眺めて静止した。 その目だけが、歩く人々を追いかける。 不思議な雰囲気の人だった。 パンク系、と言うんだっただろうか。 必要のない場所にチャックやチェーンの装飾がつい
久しぶりに、昼まで寝てしまった気がする。 どんよりとした心は変わらない気がするが、夜より…
帰る。 倒れる。 動かない体を引きずって、胃に食べ物を入れる。 倒れ込む前に、風呂に入る。 …
気分は最悪だった。 いっそ最悪も通り越して、地底のさらに奥底で地面に縫い留められているか…