She sweeps with many colored Blooms — いつか見た夕焼けは
She sweeps with many colored Blooms —
And leaves the Shreds behind —
Oh Housewife in the Evening West —
Come back, and dust the Pond!
You dropped a Purple Ravelling in —
You dropped an Amber thread —
And now you’ve littered all the East
With duds of Emerald!
And still, she plies her spotted Blooms,
And still the Aprons fly,
Till Blooms fade softly into stars —
And then I come away —
彼女はあやなす色の箒で掃く
後ろにその欠片をこぼして、
ああ、西の空に在します主婦よ
戻ってきて、池の埃も掃いてくれないかしら!
あなたは紫の糸を落としていった
琥珀色の糸も
今や東の空はとっ散らかって
エメラルドの帳の中!
彼女はまだら模様の箒をせっせと動かし
前かけが宙を翻る
箒はやがて星々のあいだにやさしく溶けていき
私もそこを立ち去った
刻一刻と移りゆく夕暮れの空の色彩を捉えつつ、それを主婦のお掃除に見立て、美しくもコミカルに描いた詩。詩だからこそ、いや、ディキンソンの詩だからこそ、綺麗な景色がその綺麗さを失わないまま、陳腐にもならずに、言葉のレコードの中に収められている。
掃除とは汚いものを掃いて捨てるだけではなく、美しいもので散らかすことでもあるのかもしれない。
『THE COMPLETE POEMS OF EMILY DICHINSON』
THOMAS H . JOHNSON, EDITOR