文章練習用です

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最近の記事

Fais de ta vie un rêve, et d’un rêve, une réalité.

 あの日見つけたポラリスに手を伸ばして、あっという間に4年半が経っていた。目の前が真っ暗になって、右も左も分からなくなって、まるで私の周りだけ酸素が無くなったみたいに、いつの間にか宇宙空間に放り出されて、星屑のように揺蕩うばかりで呼吸の仕方さえ忘れてしまいそうだったとき、ぼんやりと現れた光明に縋ってみよう、と決めた2020年のあの日。  『あの頃の彼に似ている』ただそれだけの邪な考えで君を無視できなくなって、君を、君だけをまなざした日々は、すごく楽しくて、キラキラして、充実し

    • きみを見つけた日

       駅徒歩5分を謳うその店を捜して、ぐるぐると歩き回っていた。勝手知らぬ街ではなかったはずなのに、コンビニエンス・ストアの蜃気楼に惑わされて、結局目的地にたどり着くのに優に15分はかかったあの日、アジアンテイストでもなんでもない、どちらかといえば雑多なカラオケ店にて。わたしがきみを見つけたのは、そんなどこにでもある普通の日曜日のことだった。  その日、本当ならわたしは新幹線に飛び乗って仙台にいたはずだった。ペンライトの海で溺れながら、また来年もきっとここで会おうとあまりにも不

      • 忘れられないハムサンドの話

         あれは確か、ちょうど今日のようにじっとしているだけで蒸し焼きにされるような心地がする日のこと。『マチネの終わりに』の一節を借用すれば、「後に気象庁が三〇年に一度の異常気象と認定したほどの猛暑」の2010年の夏のことだった。  地方在住の受験生だった私は、なけなしの小遣いを手に、精一杯見栄を張って購入した3,000円ほどの一張羅のワンピースを着て、渋谷から青山にかけての道を歩いていた。今なら「宮益坂を上って」と言われればピンとくるが、土地勘もなく、まだスマートフォンなど持ち

        • パーソナルカラー診断を受けて5ヶ月経ちました

          誕生日は7月でしたが、パーソナルカラー診断に行ってきた話をします。 今回私が受けたパーソナルカラー診断は、始めにゴールド or シルバーのどちらがより映えるかを診たあとで、オーソドックスな色(白、赤、青、黄、緑、紫)を4色ずつ当てて所謂フォーシーズンを判別し、その後より細かく似合う色/似合わない色を診断する方法で行われた。 まず、ゴールドとシルバーの布の上に手をパーに広げて置き、どちらが映えるかを確認する。「どちらかというとシルバーの方が肌が奥から輝いているようにみえるし

          ふくろう便がまだこない

           ※二年前に某所で書いた感想文のサルベージです。まもなくファンタビ2公開ということで覚書も兼ねて。  去る2016年11月25日、世は給料日×華金のコンボで大賑わいであろうこの日に、レイトショーで『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(以下”ファンタビ”と略)』を観た。当日の昼頃にオンラインで席を購入したときは半分くらい埋まっていたのだが(しかもそのうち5割以上が2席ずつ取られているようだったので、さぞカップルが多いのだろうと閉口していた)、いざ劇場に向かうと8~9割

          ふくろう便がまだこない

          HOTEL POINTにて

           国語のテストで満点を取った。中学生の頃のことだ。  しかし、その満点は少々毛色が違っていた。フォントサイズ48くらいの大きさで書かれた『99』の上には打ち消し二重線が引かれ、控えめにフォントサイズ24程度で『100』が添え物のように書き加えられていたのだった。  私が通っていた中学校では、テストの採点に不服のある生徒は異議を申し立てることが出来た。教壇で荷物をまとめる先生に近づいて、「どうして99点じゃないんですか」と尋ねた。少しだけあの政治家に似た風貌の方だったので、つい

          HOTEL POINTにて

          必需品としての希望的観測について

           私の名前は"綾波レイ"ではないが、『こういう時どんな顔をすればいいかわからないの』と言いたくなる場面は結構日常生活に存在する。もちろん、『笑えばいいと思うよ』と返してくれる碇シンジくんはいない。なんとも世知辛い世の中である。  歳をとっていくということは、そういう『どんな顔をすればいいか分からない』場面の連続で、私たちはそれらにエンカウントして、慣れて、大人になっていくのだろうと思うことがある。  例えば冠婚葬祭。私はいまだに正式なマナーが良くわかっていない。友人が結婚

          必需品としての希望的観測について

          夏の夜の夢

           まだ起こってもいないことを考えてどうしようもなく不安になり、眠れなくなってこのnoteを綴っている。  社会人になり、毎年七夕のあたりに帰省するようになった。弊社ではいわゆる誕生日休暇の制度があるので、そこで連休をとって実家で羽を休めている。社会人も4年目になったので、この時期に帰省するのは4回目だ。  居間の戸を開けると、開口一番に祖父は「背が伸びたか」と言った。年末年始に会った時よりも明らかに頬はこけて、ズボンはこれでもかとベルトで留められていた。伸び盛りの高校生じ

          夏の夜の夢

          新宿ナンバー、7310に愛を込めて

          今から、2018年4月末日の私が世界で一番愛している男性を紹介します。警察庁にお勤めの降谷さん、背はまぁ高い方だけど優しい人。お父さんと一緒で車が趣味なの。だってお父さんが「車好きの人には悪い人はいない」って言ってたし…ねぇ?お父さん? とまぁモー娘。よろしく言ってたらものすごく恥ずかしくなってきた。そう、私が今お熱なのは、かの有名な名探偵コナンの登場人物である降谷零さん(29)。初めて彼の存在をはっきりと認識したのは、2016年に公開された映画「純黒の悪夢」だ。この記事で

          新宿ナンバー、7310に愛を込めて

          私も改札前の自販機でファイブミニを買うようなOLになりたい。

          私も改札前の自販機でファイブミニを買うようなOLになりたい。