ロシア語の罵倒言葉は世界一らしい。『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里
著者が少女時代にプラハで通った学校には、自称50歳の教師オリガがいた。オリガは70歳を優に超えてみえたが、プロポーションは抜群で「200人足らずの学校の先生とは信じられないほど」踊りがうまかった。オリガの服装は1920年代のディートリヒ風だし、態度は超然としている。そして、辞書にも載っていないような貼り雑言を生徒に浴びせかける。
オリガ先生が、「そこの驚くべき天才!」といえば、うすのろって事だし、自分の意見を言おうとするものなら、「七面鳥も考えたけど、結局スープのダシになっ