人の一生について考える:火葬場で働く僕の日常
若手からのチャット「焼死しました」
本気で説教したあとシリアスな雰囲気のまま業務指示して帰ってきたチャットが
「焼死しました」
真剣な時間はわずか数分で終わりました。
くだらん話すみません。
日本人って死んだらほとんどが火葬ですよね。
たまに土葬とか、漁師だったら水葬とかもあるのかな?分からないですが。
よっぽど地方じゃない限りは葬祭場に依頼したら100%火葬ですよね。
じゃあ自分のこの体もいつか燃えるんだろうなって改めて思うと不思議です。
今日は火葬場で働く若者の話を紹介します。
「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」を紹介します
著者の「下駄華緒」というのは本名ではないでしょうが、書かれている内容は大体実話だと思います。上記のようなシチュエーションも本当にたまにあるらしいです
先ほども書きましたが、我々って大抵最期は燃えるんです。
にも関わらず、我々はその現状をほとんど知りません。
知る権利があるだろう!だって自分もそのうち焼かれるんだし!そんな気持ちで手に取ったのが本書です。
内容はコメディタッチで描かれているところも多いですが、真剣な話、泣ける話、考えさせれられる話など、意外に盛りだくさんで一気に読んでしまいました。
火葬場のリアルな日常
へえぇ、全然知らなかった。
よくお骨が入り口の方に寄っているとか言いますが、あれ都市伝説なんですね。
本書を読めばわかりますが、火葬は機械にご遺体を放り込んで終わり、というものではなく、かなり気を遣うお仕事らしいです。
間違ってお骨を廃棄してしまったり、焼きすぎてお骨が燃えてしまったり、逆に全然ご遺体が焼けてなくてご対面のときに物凄いホラーなことになったり
滅多にないことですが、毎日火葬していると時々そういう事故があるようです。
本書はそういった現場のリアルを赤裸々に描いてくれています。
引っ越しも転職も家を買うことも、お店側からしたら日常的な流れ作業の中のことでしょうが、我々にとっては一生にそう何度もあるものではありません。
だからこそ業者との温度差に腹が立って、トラブルになったりもします。
ましてや火葬は絶対に一生に一回ですし、関係者も多い分、トラブルになれば重大、ということのようです。
火葬場は今コロナで大変らしいです(2020年当時)
読んでいて心が震えた一節を紹介します。
僕の仕事は亡くなった人をあの世に送ること
うぅん、シンプルですが震える一節です。
特殊清掃とか葬祭場の人とか、本書も興味本位で手に取りましたが、亡くなった人を見送ってあげる人って、遺族だけじゃないんだって思いました。
ちなみに火葬場職員は神経質すぎるとキツくて務まらないようですが、優しさもきちんと心に持っておかなければいけないと書かれています。
教育、医療など、その人の一生を左右する仕事は多いですが、人の死に直接関わる仕事について、我々はよく知りません。
本書に興味を持たれた方が、興味本位だけで読むのとはまた違った観点で本書をご覧いただければ良いと思い、紹介させていただきました。
関連書籍:葬祭業界で働く
私がこの本を読みながら突然思い出した書籍を勝手に紹介するコーナーです。関連してないかもしれません。
葬祭場の話が出たので、業界に関する本を紹介します。
https://amzn.to/47a5zCi
業界全体の話なので、葬祭場のお仕事に興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。そこまで細かい内容については書かれていませんが、葬祭業の中身について全般的に理解できると思います。